特集
» 2007年12月21日 18時00分 公開

複合機07年モデル徹底攻略:第2回 複合機6モデルの機能と操作性を比較する (1/3)

複合機特集の第2回は、エプソン、キヤノン、日本HPの注目モデルについて、本体だけで利用できる機能と操作パネルの使い勝手を比較する。

[林利明(リアクション),ITmedia]

注目モデルの機能と操作性はどこが違う?

 家庭向けの複合機は価格帯が同じならば、どれも似たり寄ったりに見えるかもしれない。しかし、実際に使ってみると機能や操作性に大きな違いがあることが分かる。

 本特集では、年末商戦に向けて発売された最新複合機を5回にわたって検証していく。第1回では、エプソン、キヤノン、日本ヒューレット・パッカードの2007年モデルにおいて、全体的な傾向と注目製品をピックアップして紹介した。今回は、取り上げた6モデルが備えている複合機だけで使える機能(つまりPCいらずで使える機能)と、その操作性をチェックする。PCから利用する機能やドライバ関連、付属ソフトは第3回で紹介しよう。


 近年の複合機は同一メーカー間でユーザーインタフェースの共通化が進んでいる。特にミドルレンジ以上になると、液晶モニタのサイズこそ違えど、操作パネルのボタンやメニューなどの構成はほとんど変わらない。細かい機能の有無により、メニューの項目数が違うくらいだ。エプソンのハイエンド「PM-T960」とミドルレンジ「PM-A860」、およびキヤノンのハイエンド「PIXUS MP970」とミドルレンジ「PIXUS MP610」は、上記の傾向が顕著だ。

 一方、日本HPのハイエンド「HP Photosmart C8180 All-in-One」とミドルレンジ「HP Photosmart C6280 All-in-One」は、液晶モニタのメニューを操作する方法に違いがある。これはC8180がタッチパネル式の液晶モニタを搭載しており、画面に直接指で触れて操作できるためだ。詳細は後述する。

 それでは、以下にPCなしで写真印刷を行う場合に重要な液晶モニタの視認性、操作パネルの使い勝手、利用できる機能をメーカー別に見ていこう。

PM-T960/PM-A840(エプソン)の操作パネル

 まずはエプソンの2台だが、操作性を左右する液晶モニタの仕様が異なる。PM-T960は画面サイズが3.5インチで、上下のチルト調整による画面の角度合わせが可能。一方のPM-A840は画面サイズが2.5インチにとどまり、チルト調整には対応していない。

 2007年の新モデルでは、2006年モデルの一部に搭載されていた高精細と広色域をウリにした「Photo Fine Ultra液晶」が省かれている(継続販売の「PM-T990」は搭載)。そのため、PM-T960では写真の自動補正結果を画面上でプレビューできる「仕上がりView」機能の品質がPM-T990より少々見劣りする印象だ(PM-A840は仕上がりView非対応)。

 とはいえ、PM-T960の液晶モニタは十分に高精細で視野角が広く、複合機の液晶モニタとしては視認性および画質が良好だ。PM-A840の液晶モニタは画素数が少ないこともあって表示が粗い印象を受けるが、視野角と視認性に大きな不都合はない。

液晶モニタはPM-T960が3.5インチでチルト対応(写真=左)、PM-A840が2.5インチでチルト非対応だ(写真=右)。PM-T960の液晶モニタはコントラストが高く、高精細でクッキリした表示。PM-A840の液晶モニタは精細さや画質で劣るが、複合機の操作を行ううえで必要十分な品質だ。メモリカード内に保存された画像の1枚表示では、主な印刷設定も同時に確認できる

 操作パネルのボタン配置と液晶モニタのメニュー構成は、PM-T960とPM-A840でほぼ共通だ。基本的に液晶モニタのメニュー表示を見ながら、操作パネルの左から右へ順番にボタンを押していくことで、印刷やコピーの実行までたどり着ける。今回取り上げた3社の中では最もスタンダードな操作パネルといえるだろう。

 まず、本体に向かって左側のモードボタンで、コピーやメモリカードといった動作モードを選ぶ。すると各モードの機能が液晶モニタのメニューに表示されるので、液晶モニタの右側にある4方向ボタンの左右で機能を選択してOKボタンを押す。すると、機能に応じた設定などが液晶モニタに表示されるので、4方向ボタンとOKボタン、戻るボタンなどで設定を行い、スタートボタンで動作実行だ。

 ちなみに、インク関連のメンテナンスや初期設定などは、液晶モニタの左にある「セットアップ」ボタンを押したときのメニューに集中している。

 機能や設定項目は多いものの、全体的に液晶モニタのメニュー項目は1〜2階層と浅く、ボタン類とメニュー構造がうまく整理されていて分かりやすい。操作の流れもほぼ一本道なのですぐに慣れるだろう。ボタンを押したときのメニュー表示や4方向ボタンによるカーソル移動、メモリカード内の画像を表示するレスポンスも良好で不満はない。

左からPM-T960、PM-A840の操作パネル。向かって左にあるモードボタンの内容は、PM-T960がコピー、メモリカード、ファンプリント、フィルムの4種類、PM-A840がコピー、メモリカード、ファンプリントの3種類だ。PM-T960はCD/DVD印刷用トレイガイドの開閉が電動式になっており、「CDガイド開閉」ボタンも設けられている

 メモリカードからのダイレクト印刷のステップをおおまかにまとめると、モードボタンで「メモリカード」を選択、印刷機能(すべて印刷や選んで印刷など)を選択、印刷する画像や枚数を選択、印刷設定(用紙種類やサイズ、印刷品質、フチあり/なしなど)、印刷実行となる。印刷枚数は「+」ボタンと「−」ボタンで行い、印刷設定は「印刷設定」ボタンで呼び出す。液晶モニタの表示内容は「ズーム/表示切替」ボタンで変更でき、サムネイル表示のコマ数はPM-T960が16コマ、PM-A840が9コマと、特にPM-T960は一覧性が高い。

 メモリカードから好きな画像を選んで印刷する場合、画像ごとに印刷枚数を決められる。画像の1コマ表示ではなくサムネイル表示の状態でも、カーソルを合わせた画像ごとに印刷枚数を指定でき、枚数をサムネイル上に表示してくれるのは分かりやすい。画像の1コマ表示では、用紙種類/サイズ、フチあり/なし、印刷品質など、主要な印刷設定も同時に表示される。

 なお、PM-T960は並列処理チップの「REALOID」(リアロイド)を搭載しているため、メモリカード内に保存された画像を印刷している最中でも、次の印刷画像を選択して印刷予約を行うことが可能だ(PM-A840は不可)。

PM-T960はメモリカード画像のサムネイル表示が16コマ同時で行えるため、一覧性が高い(写真=左)。液晶モニタのメニューには、上段にアイコン、中段に機能の説明、下段にボタン操作の案内が表示され、理解しやすい(写真=中央)。もちろん、小顔+美白補正のナチュラルフェイス機能もPCいらずで利用できる。メモリカードスロットは液晶モニタの直下に用意されており、CFとSDメモリーカード/MMC/メモリースティック/xDピクチャカードの2スロット構成だ(写真=右)。左側にPictBridge対応のUSBポートも備えている

PM-A840はサムネイル表示が9コマとなる(写真=左)。PM-T960と同様、サムネイル表示で印刷枚数の増減が可能で、印刷枚数をサムネイル上に表示してくれるのは親切な仕様だ。USBケーブルで接続したCD-R/DVD-RドライブやUSBフラッシュメモリにメモリカードの画像を保存できる機能も持つ(写真=中央)。メモリカードスロットとUSBポートの構成はPM-T960と同様だ(写真=右)

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう