802.11nドラフト2.0無線LANルータの本命か!?――「AtermWR8500N」実力診断(後編)ライバル機種と徹底比較(1/3 ページ)

» 2008年01月30日 16時00分 公開
[織田薫,ITmedia]

小型で高速な802.11nドラフト2.0無線LANルータ

 NECアクセステクニカが2007年12月に発売した「AtermWR8500N」は、IEEE802.11nドラフト2.0に準拠した無線LANルータの新モデルだ。前回は、従来機と比較して約50%もの小型化を実現したコンパクトなボディや、ギガビットイーサネットの搭載による性能強化など、製品概要について触れた。

 今回は同クラスの比較対象製品として、従来モデルの「AtermWR8400N」とバッファローの「WZR-AMPG300NH」を用意し、機能と性能を比較していく。

左からNECアクセステクニカの「AtermWR8500N」と「AtermWR8400N」、バッファローの「WZR-AMPG300NH」

AtermWR8400N、WZR-AMPG300NHとは何が違う?

 それでは、AtermWR8500Nに搭載されている機能を、AtermWR8400NおよびWZR-AMPG300NHと比較してみよう。下表は3製品の主な機能を比較したものだ。

AtermWR8500N、AtermWR8400N、WZR-AMPG300NHの主な機能
製品名 AtermWR8500N AtermWR8400N WZR-AMPG300NH
メーカー NECアクセステクニカ NECアクセステクニカ バッファロー
セットアップ
回線自動選択 ◎(アクセスポイントモードを自動判別) ◎(アクセスポイントモードを自動判別)
無線LAN自動設定 ◎(らくらく無線スタート、WPS対応予定) ◎(らくらく無線スタート、WPS対応予定) ◎(AOSS、WPS)
無線LAN機能
IEEE802.11nドラフト2.0 ◎(対応予定)
IEEE802.11a ○(W52、W53、W56/W52のみデュアルチャネル対応) ○(W52、W53、W56/W52のみデュアルチャネル対応) ○(W52、W53/いずれもデュアルチャネル対応)
IEEE802.11g/b
5GHz帯/2.4GHz帯同時利用 −(切り替え式) −(切り替え式)
マルチSSID ○(周波数帯域別に設定可能)
MACアドレスフィルタリング
ESS-IDステルス機能
プライバシーセパレータ
WDS(アクセスポイント間通信)
152ビットWEP −(128ビット)
WPA2-PSK(AES) −(WPA-PSK) −(WPA-PSK)
有線LAN機能
ギガビットイーサネット
ルータ機能
NAPT
ポートフォワード
UPnP
DMZホスト
アクセスポイントモード
悪質サイトフィルタ ◎(有償サービス) ◎(有償サービス)
ボディ
アンテナ 受信3×送信3(本体に内蔵) 受信3×送信3(上面に搭載) 受信3×送信2(本体と分離)
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 35×128×160ミリ 41×197×174ミリ 50×210×175ミリ
重量 約0.4キロ 約0.42キロ 約0.7キロ
価格(無線LANカードとのセットモデル)
標準価格 オープン オープン 4万2210円
量販店での実売価格 2万8000円前後 2万3000円前後 3万3000円前後

AtermWR8400N(左)に比べて、約50%の小型化を果たしたAtermWR8500N(右)

 まずはAtermWR8400Nだが、AtermWR8500Nとの機能差は少ない。異なるのは、本体サイズ、ギガビットイーサネットのサポート、そして価格だ。前回触れたように、AtermWR8500Nでは「スーパーセキュリティモード」が省略されているが、家庭内での利用で問題になることは少ないだろう。無線LANカードとのセットモデルを購入する場合、量販店での実売価格はAtermWR8500Nが5000円程度高く、これらの機能差が導入する環境において重要かどうかを見極める必要がある。

 AtermWR8500Nがサポートするギガビットイーサネットは、家庭内LANを高速化するために必須の機能だ。多くの場合、無線LANルータは家庭内LANの基幹のハブになっている。そのため、無線LANルータのスイッチングハブ機能がギガビットイーサネットに対応していれば、家庭内LAN全体を一気にギガビットイーサネット化することも容易だ。

 本体サイズに関しては、AtermWR8500NとWZR-AMPG300NHほどの違いはないが、AtermWR8400は本体の容積が約50%大きく、アンテナが外部に設けられているため、設置面積では不利になる。その半面、AtermWR8500Nでは、アンテナの内蔵による通信速度の低下が懸念されるが、実際の性能は後述のテストで明らかにする。

WZR-AMPG300NH(左)は、AtermWR8400N(右)と並べても大型だ

 一方のWZR-AMPG300NHは、40MHz幅の利用により最大300Mbpsで通信可能なデュアルチャネルに対応した無線LAN機能と、ギガビットイーサネットのWAN/LAN機能を搭載しており、AtermWR8500Nと基本スペックはよく似ている。無線LANカードとのセットモデルを購入する場合、量販店での実売価格はWZR-AMPG300NHが5000円程度高いが、それだけに機能は豊富だ。

 セットアップに関しては「アクセスポイントモード」を自動判別できるAtermWR8500Nが優れている。ただし、クライアントのセットアップや、ブロードバンドルータが導入されていない環境でのセットアップは、どちらも簡単に行えるという印象を受けた。

 無線LAN機能は、AtermWR8500NがIEEE802.11aのW56(屋外で利用可能)に対応している点は有利だが、WZR-AMPG300NHは5GHz帯/2.4GHz帯の同時接続や、W52/W53の両方でデュアルチャネル接続が可能なほか、プライバシーセパレータ、WPA2-PSK(AES)といった機能に対応している(AtermWR8500NはWPA-PSKでAESを利用可能)。全体的な機能の充実度では、高額なだけあってWZR-AMPG300NHが優勢だ。

※記事初出時、WZR-AMPG300NHは「WDS(アクセスポイント間通信)に対応する」との記述がありましたが、実際には対応していません。おわびして訂正させていただきます。

 特にプライバシーセパレータ機能は、無線LAN端末同士の通信を制御できるという点で、セキュリティを向上させるのに役立つ。IEEE802.11nドラフト2.0の認証に関しては、AtermWR8500Nが取得済み、WZR-AMPG300NHが近日公開予定のファームウェアアップデートで対応するとしている。

 有線LAN機能とルータ機能については、両製品に大きな差違はない。どちらの製品もギガビットイーサネットを搭載しており、ブロードバンドルータとして必要な機能を網羅している。

 設置のしやすさという面では、AtermWR8500Nに軍配が上がる。WZR-AMPG300NHはボディも大きいが、アンテナもかなり大きい。実際に設置しようとすると、広げたアンテナがボディよりも広い幅を必要とするため、予想以上に専有面積が大きくなる場合がある。AtermWR8500Nはボディが小さいうえにアンテナも本体に内蔵されており、設置場所を選ばない。

 次のページからはAtermWR8500Nの通信速度をチェックする。

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