2月22日、NVIDIAの新GPU「GeForce 9600 GT」を搭載したグラフィックスカードが複数のメーカーから一斉に発売された。価格は2万円強から3万円弱で、在庫は潤沢。初回からオーバークロックモデルもいくつか店頭に並んでいる。
GeForce 9600 GTは、NVIDIAでミドルレンジクラスに位置付けられる新GPUで、Direct X 10やPCI Express 2.0に対応している。リファレンスデザインでは、コアクロック650MHzで、メモリクロックは1.8GHz。DDR3メモリを512Mバイト搭載する。フェイス パーツ館によると「性能的にはG92世代のGeForce 8800 GTのエントリー版といったところではないでしょうか」とのこと。
ドスパラ秋葉原本店の店員さんが「売れていますか?」の質問に「売れてほしいんですけどね……」と返すように、発売初日の反響はどこもいまひとつの様子だ。
TSUKUMO eX.は「2万円以下の価格なら飛ぶように売れたでしょうが、数千円出せばGeForce 8800 GTカードが買えるという価格設定なので、興味を示す人は少ないですね」と語る。また、「Direct X 10.1非対応ということは、次に登場する新世代GPUまでのつなぎという可能性が高い。そうなると様子見する人がどうしても増えますよね。まあ、スタートダッシュは無理でも、買いやすい価格帯なので、徐々に売れるようになるでしょう」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という声もあった。
ただし、ある店員さんは「それほど売れないと分かっていながらも、つい期待してしまうんです」と語る。曰く「GeForce 8800 GT/GTSが驚くほどヒットしたので、ついその反響を思い描いていました。気持ちをフラットにしないとだめですね。連続で人気GPUが登場したので、予想通りの状況でも落胆してしまうんです」とのこと。
ライバルは「8800 GT」──「GeForce 9600 GT」で新世代ミドルレンジの実力を知る
“新世代ミドルレンジ”GeForce 9600 GT搭載グラフィックスカードが各社より一斉に発売
GeForce 9600 GT搭載カードの各ショップ実売一覧
なお、今回のGeForce 9600 GTカードでは、NVIDIAから正式発表される直前に一部のショップですでに入荷したという情報が流れた。
NVIDIAはインテルに次いで情報の規制が厳しいメーカーとして知られており、情報解禁のタイミングを守ったショップからは、ペナルティがあるのでは、と不安がる店員さんも少なくない。「他店のことながら、大丈夫かなと心配していますよ。フライング販売したわけではないので、取引中止ということにはならないでしょうが、規制がより厳しくなるかも」(某ショップ)と語る。
逆に情報を流した店舗は楽観視している。ある店員さんは「代理店から入荷情報を流す規制はかかっていませんでしたし、販売したわけじゃないから大丈夫でしょ。NVIDIAが厳しいのはハイエンドクラスのGPUです。そういう情報はウワサも流しませんからね」とコメントしている。
ショップにとって“アメ”となる製品については、規制という“ムチ”も厳しくなるようだ。……もしかして今回は、逆のケースかも?
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