2月22日に、NVIDIAの新GPU「GeForce 9600 GT」を搭載したグラフィックスカードの発売がスタートした。価格は2万円強から3万円弱で、在庫は3月初旬現在も潤沢。
GeForce 9600 GTは、Direct X 10やPCI Express 2.0に対応し、消費電力が従来モデルより低く設計されているのも特徴。「G92世代のGeForce 8800 GTのエントリークラスという位置付け」(クレバリー1号店)だ。
エントリークラスの製品のため、発売直後から飛ぶように売れているわけではないが、徐々に売れ行きが上向いている状況という。複数のショップは「派手さはないが、堅実な製品」という評価を下す。「GeForce(NVIDIA)はミドルレンジでも1スロット型のクーラーでは厳しくなっていましたが、今回登場したGeForce 9600 GTカードなら発熱の問題に悩むことはないでしょう。ロングヒットするカードだと思います」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことだ。
ちなみに、最初からオーバークロックモデルや、メーカーオリジナルのクーラーを搭載した製品が出回っているが、これはNVIDIAのミドルレンジクラスのカードに見られる特徴らしい。
某ショップは「NVIDIAは、ミドルレンジ以下のGPUの場合、チップの出荷から発売までの期間を長くとるようです。このため、グラフィックスカードベンダーも開発に余裕が生まれ、初回から独自の工夫を施した製品が出せるようになるわけです。ASUSTeKやELSAといった、テストに長期間かけるメーカーでも発売解禁日に間に合うのは、そういった事情があるみたいですね」とコメントしていた。
1月後半から2月初旬にかけては、PCパーツメーカーや工場が多数拠点を置く東アジア諸国で旧正月シーズンとなるため、例年新製品があまり登場しない期間となる。そのなかで話題を集めていたのが、2月中旬に登場した巨大CPUクーラー「OROCHI」だ。
OROCHIは、120(幅)×194(奥行き)×155(高さ)ミリと、CPUクーラーとしては破格の大きさで、巨大なフィンを10本の銅製ヒートパイプが貫通している。14センチファンを1基付属しているが、TDP 65ワット以下のCPUならファンレスで十分な排熱が可能という。対応ソケットはLGA775、Socket 478/754/939/940/AM2。本体の重量は1155グラムだ。
その大きさゆえに、注目を集めるものの、PCケースとの干渉を気にしてか購入するユーザーは少なめ。フェイス パーツ館は「高さが155ミリありますからねぇ。ケースによっては側面ファンや電源ユニットベイと干渉してしまう。ただ、ここまでブッ飛んだアイテムが店頭に並ぶのは、ちょっとうれしいです」と複雑な気持ちを語っていた。
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