4月は新年度を迎える節目の季節とあってか、秋葉原の各所で大型店舗の開店と閉店が見られた。特に街の回遊行動に大きく影響を与えそうなのは、17日にオープンしたつくばエクスプレス秋葉原駅駅ビルの商業施設「AKIBA TOLIM」と、その向かいにある24日オープンの新商業ビル「chomp chomp AKIHABARA」だ。ともに女性を主要なターゲットに見据えた店舗構成で、これまでのアキバとは異なるカラーを打ち出している。
駅から少し離れて中央通り付近の電気街に目を向けると、こちらも変化が激しい。5日に、俺コンハウスの跡地に地上8階建ての「まんだらけコンプレックス」がグランドオープンしたほか、雑貨店「むだや」が入店しているカンダエイトビルの1階では、ネットショップとして有名な「上海問屋」が25日から本格的に営業を始めている。
その一方で、老舗のPCパーツショップであるUSER'S SIDE秋葉原本店が、15日にその歴史を閉じた。
周囲のショップは「さびしいですね」と口にしながらも、驚きのコメントは聞かなかった。フェイス パーツ館はPC Success秋葉原店の閉店直後、入れ替わるように末広ビルに入店しているが、その時点でUSER'S SIDE秋葉原本店の撤退を予想していた。「自作PC市場は2〜3年前にはもう上昇気流ではなくなっていました。その後に訪れるのは淘汰の時代。USER'S SIDEのように“深く狭く”の商売を続けていては立ち行かなくなるのは目に見えていました。今の時代は“広く浅く”か“広く深く”じゃないと、小さくなっていく市場で売り上げをキープすることはできませんから」(フェイス店員)。
成熟に向かう産業や街は、往々にして個性を伸ばす方向ではなく弱点を埋める方向に動く。電気街としての個性が薄まっていくかたわら、飲食店などが増加し、女性を受け入れやすい地域に変わっていくのは自然の道理と言えるかもしれない。
そのうえで、電気街が生き残っていく1つの答えが、サンコーレアモノショップの店長のコメントに隠されている。「ウチや上海問屋さんのように、PCパーツとオモチャの中間のようなアイテムを扱っていると、観光客が面白がってくれるんです。特に難しい知識もなく使える商品が多いので、ハードルも低い。街に訪れる人が増えるぶん、ウチに来てくれる人も増える。そういう状態が今後も続くように努力していきます」。
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