これは、あくまで1人のシニア世代中国人の例ではあるが、この記事の取材をとおして、若い世代に特化した中国のインターネットサービスを、シニア世代は積極的に利用したいとは思っていないようだ。こうしてシニア世代中国人が使うインターネット利用の実態を見ていくと、最近活発化している「ネットを通した愛国活動」には無縁であることに気がつく。メールやインスタントメッセンジャーのようなコミュニケーションツールを使わず、掲示板を利用するシニアユーザーも少ないためだ。激烈な若い世代の愛国者たちとは対照的に、シニア世代のインターネットユーザーは「自分のしたいこと」のためにこれからもPCを使っていくのだろう。
理由は何であれ、PCを使うようになった中国シニア世代のインターネットユーザーはこれからも確実に増えていく。これまで彼らの好みにあったサービスやコンテンツはほとんどなかったので、いま主流となっている若い世代に特化した内容とはまったく別のサービスやコンテンツを提供してみるというのは、大きなビジネスチャンスとなりうる可能性を持っている。
このところ、mixiや、ぐるなび、リサーチ、アフィリエイトなど、インターネットでサービスを提供してる日本企業が中国に進出している。彼らが日本で培った幅広い世代をカバーするサービスを中国で展開できれば、中国のシニア世代のインターネット利用を刺激して、新規ユーザーのさらなる「大量発生」を可能にするかもしれない。そこには、大きな市場が待っているに違いない。
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