こんなPCが欲しかった――サイコム「GZ1000P45」シリーズ至福のショップブランドPC(2/2 ページ)

» 2008年07月18日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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メンテナンス製と静音性に優れた専用PCケースを採用

HDDはABS製のラバーレールで固定され、ワンタッチで着脱できる。また、ドライブベイや前面ファンもワンタッチで取り外せる

 このRadiantでは、PCケースや電源ユニットさえもBTOでカスタマイズが行える。これは数あるダイレクトPC、オリジナルPCの中でも珍しい部分に入るだろう。ケースの選択肢は、Antecの「SOLO」、「Nine Hundred」、「Three Hundred」、アビーの「balance」など定番の人気ケースをラインアップするが、評価機に採用されているオリジナルPCケース「SY-J624」もかなりデキがいい。

 大手自動車メーカーの部品塗装協力工場で塗装されているというフロントパネルは、ブラックとシルバーのツートーン仕上げで、飽きのこないシンプルなデザインが好印象だ。シャシーには0.8ミリ厚のスチールを採用し、共振や変形などの不安を排除する。また、前面吸気口をフロントマスクの両サイド部分に設けること、で前面パネルからの音漏れを最小限にとどめ、各種ドライブには制振効果のあるABS製のラバーレールが装着済みだ。さらに、ケース側板にはオプションで静音シート(+2310円)をはることもできる静音仕様となっている。また、前面にあるファンガードや側板の吸気口にはホコリの進入を防ぐフィルターを装着してホコリの吸い込みを防止するなどといった細かい配慮も見逃せない。

 メンテナンス性も良好で、ケース両側の側板は2カ所のストッパーを指で外すだけで簡単に開放でき、ドライブ類はラバーレールによるツールフリー構造が採用されている。5インチベイ4基、3.5インチベイ2基、シャドウベイ5基と拡張性も十分ある。ただ、ケース内部の奥行きはそれほど余裕がなく、装着できるグラフィックスカードの長さは245〜250ミリくらいが限度だ。なお、評価機の拡張カードはネジ止めされていた。

 電源ユニットは、容量は460ワット〜700ワットまで、ENERMAX MODU82+、SeasonicのM12シリーズなど定番の人気製品を含めた選択肢の中から製品名を指定して選べる。評価機には、サイコムとアビーが共同開発した「AS Power SD-500ESY(サイコムモデル)」を搭載している。プラグインケーブル式のため、評価機は必要なケーブルのみを利用してすっきりと組み上げられていた。

オリジナルブランドのケース「SY-J624」を採用。サイズは210(幅)×475(奥行き)×430(高さ)ミリで、背面に12センチ角の排気ファンや水冷ユニットのケーブル用の穴が設けられている(写真=左)。側板は工具を使わずに取り外せる。内部はケーブル類がすっきりとまとまっているのが好印象だ(写真=中央)。ケースカラーは白と黒から選べる

BTOオプションに用意されている「騒音・振動吸収シート」(2310円)を選ぶと、ケースの両側板内側にシートがはられる。なお、ケースでAntec SOLO/SOLO Whiteとアビーのbalance B640-BKを選択するとシートは標準装備となる

バランスのとれた構成による極上の操作感

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 それでは、評価機のベンチマークテスト結果を見てみよう。評価機の構成は下表にまとめたが、ハイエンドすぎない(高価でない)売れ筋のCPU、最新のグラフィックスカードを採用しつつ、体感性能を重視して10000rpmの高速HDDを搭載したなかなか通好みの構成だ。

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアも右の通りで、CPU以外はすべて「5.9」の最高スコアをマークした。実際の使用感もきわめて快適で、極上といえるレベルである。この操作感はどんなに高価なCPUを使っても、通常のHDDでは実現不可能だろう。

 ベンチマークテストの結果にもその特徴はよく現れており、CPUのスコアはそこそこながら、GraphicsとHDDのスコアが高く、特に10000rpmのVeloci Raptorを採用したHDDのスコアは一般的なPCとの比較では飛び抜けている。総合スコアも、2〜3ランク上のCPUを採用したPCと同レベルのものだ。

評価機の構成
CPU Core 2 Duo E8400(3.0GHz)
マザーボード ASUSTeK P5Q-E
メモリ Corsair CM2X-2048-6400C5(2GB)×2
HDD(Cドライブ) Western Digital Veloci Raptor(WD3000GLFS:300GB)
HDD(Dドライブ) Western Digital WD Caviar GP(WD10EACS:1TB)
光学ドライブ Pioneer BDC-S02J-BK
グラフィックスカード Sapphire HD4850 512M GDDR3 PCI-E DUAL DVI-I/TVO
サウンドカード Creative SoundBlaster X-Fi XtremeGamer
TVチューナー アイ・オー・データ機器 GV-MVP/HS
ケース サイコムオリジナル SY-J624
電源 Abee AS Power SD-500ESY(サイコムモデル)
OS Windows Vista Home Premium(SP1)

 PCMarkVantageのスコアも優秀なもの。「TV and Movies Suites」は動画のエンコードと動画再生を一緒に行うなど高負荷な内容のためクアッドコアCPUでないぶんスコアを落としているが、それ以外は文句なしのスコアといえる。3DMark06 1.1.0のスコアも同様で、最新のゲームタイトルも快適にプレイできる性能を備えていることが分かる。DirectX 8.1世代のベンチマークのためFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアは、ちょっと物足りなく映るかもしれないが、Radeon HD 4850はDirectX 9以降のシェーダを利用した最新テクノロジーにフォーカスしている設計のためで、まったく不満なくプレイできるレベルにあることに変わりがない。

 気になる静音性もかなり優秀である。アイドル時でも無音というレベルではないものの、遮音性の高いケースの影響か抑えの効いた低めの音で耳障りには感じない。冷却効率もよく、負荷がかかっても特に意識しなければ分からない程度の上昇で済んだ。

左からPCMark Vantage、PCMark05、3DMark06、FFベンチのテスト結果

自作並みのコダワリPCがオーダーできる

 数ある直販PC、ショップブランドPCの中でもトップクラスの柔軟性を誇るサイコムのオリジナルPC。その特徴を生かして構成した評価機の性能は素晴らしいのひと言だ。もちろん、あくまで構成次第というところはあるが、メニューの選択肢自体が洗練されているということはいえるだろう。いくら柔軟性が高くてもすべてのパーツを用意するわけにはいかないので、メニューの選択肢にどんなパーツを用意するのかはやはりメーカーの裁量によるところが大きい。その点でこのRadiantのメニューにはセンスのよさを感じるし、評価機の構成で20万2660円、OSを省いた最小構成価格ならば6万7800円(ちなみに、メモリやドライブ類も省くことが可能だ)と、品質重視、またコストパフォーマンス重視というポリシーも感じられる。自作トレンドに敏感なユーザーが欲しがるようなパーツはだいたいラインアップされているのではないだろうか。

 自作をするような感覚でパーツを選べ、ショップのサポートも受けられる。価格も相場をほぼリアルタイムに反映してくれるのもありがたい。7月31日までならば送料無料のキャンペーンが展開中で、「パーツ構成にはこだわりたいが、1から自作するのは不安(あるいは面倒くさい)」といったユーザーには最適な1台となるはずだ。

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