ソニー入魂の最高峰モバイルノート「VAIO type Z」に迫る(前編)VAIOのX300キラーは化物か!?(1/4 ページ)

» 2008年07月22日 14時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

VAIOの威信をかけた最上級モバイルノートが登場

「VAIO type Z」

 “一切の妥協をしないモバイル”をコンセプトに開発されたソニーの「VAIO type Z」は、パフォーマンス、携帯性、デザインの3点を高いレベルでまとめあげた13.1型ワイド液晶搭載のモバイルノートPCだ。2008年7月に国内販売11周年を迎え、20周年に向けてさらなる飛躍を目指すVAIOブランドの新しいフラッグシップモデルとなる。

 これまでVAIOのモバイルノートPCは、12.1型スクエア液晶搭載のビジネス向けモデル「VAIO type G」、バイオノート505の流れをくむ11.1型ワイド液晶の10周年記念モデル「VAIO type T」、13.3型ワイド液晶の性能優先モデル「VAIO type S」、4.5型ワイド液晶の携帯性優先モデル「VAIO type U」の4タイプがラインアップされていた。

 7月16日に発表されたtype Zは、type Sの直販専用ハイグレード機「VAIO type S<プレミアムバージョン>」の進化型で、高級志向をさらに強めている。通常電圧版のデュアルコアCPUを採用し、外付けGPU/内蔵グラフィックスの切り替え機能を持った高性能なモバイルノートPCというコンセプトを継承しつつ、最軽量の構成で約1.35キロという軽さと大幅なスペックアップを実現しているのが持ち味だ。type Zの追加によって、type Sはエントリークラス寄りのモバイルノートに変更された

 今回は8月9日の発売に先駆け、ハイスペックな構成の直販モデル「VGN-Z90US」と店頭販売モデル「VGN-Z70B」の試作機を入手したので、2台の比較も交えながらtype Zの実体に迫っていきたい。


新型Core 2 Duo、SSD RAID 0など最新スペックづくし

 まずは、軽量モバイルノートPCとしては出色の基本スペックから見ていこう。CPUは45ナノプロセスルールのCore 2 Duo(開発コード名:Penryn)で、FSBは1066MHzに対応する。直販モデルで搭載できるCPUは、TDPが25ワットのCore 2 Duo P9500(2.53GHz)/P8600(2.4GHz)/P8400(2.26GHz)、もしくはTDPが35ワットのCore 2 Duo T9600(2.8GHz)だ。2次キャッシュは9000番台が6Mバイト、8000番台が3Mバイトなので、購入時には9000番台を狙いたい。

 メインメモリも1066MHz動作のDDR3 SDRAM(PC3-8500)をいち早く採用しており、type S<プレミアムバージョン>が装備していたFSB 800MHzの65ナノ世代Core 2 Duoと667MHz動作のDDR2 SDRAM(PC2-5300)メモリの組み合わせから進化した。メモリ容量は4Gバイトの拡張までサポートしており、プリインストールの32ビット版Windowsが使用可能な領域は最大約3Gバイトになる。

 グラフィックス機能については、外付けGPUがNVIDIA GeForce 9300M GS(グラフィックスメモリ128Mバイト)、内蔵グラフィックスがIntel GM45 Expressチップセットに内蔵されたIntel GMA X4500HDだ。こちらもNVIDIA GeForce 8400M GS(64Mバイト)とIntel GMA X3100(Intel GM965 Expressチップセット内蔵)の組み合わせだったtype S<プレミアムバージョン>から順当に世代交代した。

CPUは通常電圧版のCore 2 Duoを採用する(写真=左)。チップセットはグラフィックスコアのIntel GMA X4500HDを統合したIntel GM45 Expressだ(写真=中央)。外付けGPUのNVIDIA GeForce 9300M GSも搭載している(写真=右)

 液晶ディスプレイは、従来のtype Sがアスペクト比16:10の13.3型ワイド(1280×800ドット)だったのに対し、type ZではHD映像コンテンツとの親和性が高いアスペクト比16:9の13.1型ワイド(1366×768ドットもしくは1600×900ドット)としている。直販モデルで1600×900ドット表示の液晶を選ぶと、グラフィックスメモリは256Mバイトに倍増する仕様だ。画面をわずかに小さくすることで本体の小型化と軽量化を助けつつ、解像度を高めることで操作性は向上した。表示品質も向上しているが、こちらは後述する。

 type Zのハイエンド仕様を象徴するのがデータストレージの構成だ。320Gバイト(5400rpm)/250Gバイト(5400rpm)/200Gバイト(7200rpm)/200Gバイト(5400rpm)の2.5インチHDDに加えて、64GバイトSSDの1基構成と、64GバイトSSDを2基搭載してのRAID 0構成(ストライピングで合計128Gバイト)が選択できる。

 省電力で軽くて衝撃にも強いSSDは、モバイルノートPCでの採用例が増えつつあるが、どうしても割高になる。type Zでは非常に高額になってしまうことを承知のうえ、パフォーマンスで差異化できるSSDのRAID構成を投入した。こうした構成が可能なモバイルノートPCは他に類を見ない。

 光学ドライブはDVD±R DL対応DVDスーパーマルチか、1層BD-R/REに2倍速、2層BD-R/REに1倍速で書き込めるBlu-ray Discを内蔵可能だ。モバイルノートPCながらBlu-ray Discドライブを載せられるのはフラッグシップモデルならではといえる。

 ただし、Blu-ray DiscドライブはDVD±R DLへの書き込みができない点、SSDを搭載する場合はBlu-ray Discドライブを選択できない点に注意したい。SSDと同時に選べない理由は、SSDは容量が小さいため、最大50GバイトあるBD-R/REメディアにデータを書き込む際の一時領域が確保できなくなってしまうからだという。

 モバイルノートPCでBD-R/RE書き込み機能が必要というケースは少ないだろうが、type Zは1080pの映像出力が可能なHDMI端子も備えているため、どうせならBD-ROM対応のDVDスーパーマルチドライブも選択肢に加えてほしかったと思う。

アスペクト比16:9の13.1型ワイド液晶ディスプレイは、1366×768ドットもしくは1600×900ドットの解像度に対応する(写真=左)。本体の左パームレスト直下には、2.5インチHDDを格納できるスペースがあり、直販モデルで2基のSSDを選択すると2枚重ねて搭載される(写真=中央、右)

 もちろん、性能と軽さにこだわったからといって拡張性は妥協していない。ネットワーク機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(11nはドラフト準拠)、Bluetooth 2.0+EDR、FAXモデムを標準で備え、直販モデルではFOMA HIGH-SPEED対応通信モジュールによるワイヤレスWAN機能も内蔵可能だ。

 ちなみに、無線LANモジュールはIntel WiFi Link 5100シリーズ(1×2 MIMOで最大データ転送量は約300Mbps)で、ハーフサイズのPCI Express Miniカード(512AN_HMW)を採用。45ナノ世代の新型Core 2 Duo、Intel GM45 Expressチップセットとともに、インテルのモバイルプラットフォーム「Centrino 2」に対応している。

 本体の左側面にはExpress Card/34スロット、有線LAN、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、ヘッドフォン、マイクの各端子、右側面には光学ドライブ、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0、そして前面にはメモリースティックPROスロットとSDメモリーカード(SDHC対応)スロット、無線LAN/Bluetooth用スイッチが並ぶ。また、指紋センサとTPMセキュリティチップ、FeliCaポート、有効31万画素Webカメラ(MOTION EYE)も装備する。

 USBポートはもう1基あってもよかったが、左右に1基ずつ振り分けられているので使い勝手はよい。type S<プレミアムバージョン>と比べて、PCカードスロットを省きつつ、HDMI出力を追加しており、全体的なインタフェースの構成は充実している。

前面には、メモリースティックPROスロットとSDメモリーカード(SDHC対応)スロット、無線LAN/Bluetooth用スイッチを用意(写真=左)。液晶ディスプレイはラッチレス構造だ。背面はバッテリーで占有されている(写真=右)

左側面にはプラスチックのキャップで覆われた有線LANとFAXモデムのポート、シャッター式のExpress Card/34スロット、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、ヘッドフォン、マイク、ACアダプタ接続端子、通風口が並ぶ(写真=左)。右側面には光学ドライブ、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0が配置されている(写真=右)。光学ドライブのトレイをわざわざ削ってHDMI出力端子を押し込んでいるところに、VAIOらしい機能の凝縮ぶりを感じる

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