「LOOX R」のSSD+WWANモデルで近未来を先取りしてみた:どこでもつながり、そして速い(1/3 ページ)

» 2008年08月18日 16時15分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

SFFパッケージのCPUを採用したバランスのよいモバイルPC

「FMV-BIBLO LOOX R/A70N」(HIGH-SPEED対応モデル)

 2008年春モデルから富士通のノートPCラインアップに加わった「FMV-BIBLO LOOX R」は、12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載しつつ、1.2キロ前後の軽量と長時間バッテリー駆動を実現した魅力的なモバイルノートPCだ。

 今回は2008年夏モデルの中から、同社の直販サイト「WEB MART」でオーダーできるカスタムメイドモデル「FMV-BIBLO LOOX R/A70N」(HIGH-SPEED対応モデル)に64GバイトのSSDを搭載した、ハイスペックな評価機を試用してみた。

 LOOX Rの基本的な構造やスペックは、初代機からまったくといっていいほど変わっていない。初代機については、すでにフォトレビューや詳細なレビューを掲載しているので、ここでは基本的な部分は簡単に触れるにとどめ、無線WAN対応、SSD搭載というカスタムメイドモデルならではの特徴にフォーカスして見ていくことにする。

CPU-Zで見たLOOX RのCPU。Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)は、最新のPenrynコアの一世代前となるMeromコアだが、2次キャッシュは4Mバイトを内蔵する

 LOOX Rの大きな特徴として見逃せないのが、CPUに現時点では限定されたメーカーのみに提供されている低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)を採用していることだ。これは「MacBook Air」や「ThinkPad X300」に採用されているものと同じで、通常のCore 2 Duoよりサイズの小さいSFFパッケージ(22×22ミリ)で提供されている。

 チップセットのIntel GS965 Express/ICH9MもCPUと同様にSFFパッケージを採用しているため、マザーボードのサイズを大幅に小型化することができている。CPUやチップセット、マザーボードの写真はこちらの記事を参照してほしい。

 MacBook AirやThinkPad X300は、このSFFパッケージのメリットを生かしてインパクトのある薄型ボディを実現したが、LOOX Rは極端な薄型化や小型化にはこだわらず、機能の割り切りを極力避け、バッテリー駆動時間や価格も含めたトータルバランスに優れたモバイルノートPCに仕上げている。薄型化にこだわっていないぶん、熱設計に余裕があり、負荷時の発熱の低さ、静音性への評価が高いのも特徴だ。

液晶ディスプレイはLEDバックライトを採用(写真=左)。サイズは12.1型ワイドで、解像度は1280×800ドット。表面に光沢処理がなされたスーパーファイン液晶が標準だが、光沢処理をしていないノングレア液晶も選択可能だ。無線WANモデルは、ノーマルモデルに比べて液晶フレーム上部が太くなっている。キーボードはクセのないレイアウトだ(写真=中央)。キーピッチは主要キーで横18ミリを確保するが、縦が16ミリと少し短いため、やや慣れが必要な印象。キーストロークは2ミリだが、クリック感はしっかりある。PC2-5300 DIMMに対応するSO-DIMMメモリスロットが本体底面に2つ用意されている(写真=右)。BTOでは2Gバイト(1Gバイト×2)、4Gバイト(2Gバイト×2)の構成が選べる

前面には、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)とワイヤレス通信のスイッチが配置されている(写真=左)。背面には、リチウムイオンバッテリーと通風口がある(写真=右)。液晶ディスプレイのヒンジは光沢シルバーで塗装され、デザインのアクセントになっている

右側面には、9.5ミリ厚のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ、PCカードスロットTypeII、USB 2.0ポート1基を用意(写真=左)。無線WAN選択時はFAXモデムが非搭載になる。左側面には、ACアダプタ用のDC入力、アナログRGB出力、1000BASE-Tの有線LAN、2基のUSB 2.0ポート、4ピンのIEEE1394、ヘッドフォン、マイクといった端子が並ぶ(写真=右)。左右に分けて搭載された3基のUSB 2.0をはじめ、端子類はひととおりの内容を備えている

どこでもインターネットに接続できる便利さがウリ

 今回入手したカスタムメイドモデルは、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LANといった通信機能に加えて、無線WAN(WWAN:Wireless Wide Area Network)機能を備えているのが大きな特徴だ。

 無線WANとは、携帯電話やPHSなどの無線通信機器を利用してインターネットにアクセスできる機能のことだ。屋外でインターネットアクセスをする手段としては公衆無線LANサービスなどがあるが、それと比べてはるかにカバーしているエリアが広く、ほとんど「どこでもつながる」安心感があるのが無線WANのメリットだ。

 本機の場合はNTTドコモのFOMA通信(HIGH-SPEED 7.2Mbps)に対応した無線WANモジュールとアンテナを内蔵しており、別途携帯電話やデータ通信カードを接続することなく、スマートに無線WAN機能が利用できるようになっている。

 FOMAの通話範囲内ならどこでもインターネットアクセスが可能で、さらにHIGH-SPEEDエリア(HSDPA対応エリア)内なら下り最大7.2Mbps(上りは常に384kbps)という高速での通信が可能だ。HIGH-SPEEDエリアもすでに全国人口カバー率が約90%にまで拡大しており、ほぼどこでも高速通信が利用できるのがうれしい。なお、7.2Mbpsというのは最大値なので、実際の速度は電波状況によって左右される。

 無線WANでの通信を利用するためには、NTTドコモとのFOMA回線契約が必要だ。NTTドコモは「定額データプランHIGH-SPEED」という2段階定額サービスを用意しており、1カ月の利用パケットが50万パケット未満の場合は月額4200円、50万パケット以上100万パケット未満の場合は月額4200円+超過パケット料金、100万パケット以上は月額1万500円という料金体系となっている。この定額プランを使ってインターネットアクセスするには対応プロバイダ(mopera Uなど)と契約する必要があり、mopera Uなら月額840円がかかる。

底面のバッテリーを外すと、FOMAカード用のスロットが現れる

 さて、無線WAN対応モデルの本機は、アンテナ収納の関係でノーマルモデルより液晶フレーム上部のスペースが大きくとられ、天板のデザインもそれに合わせて一部変更されているが、ボディ全体のサイズは274〜280(幅)×207(奥行き)×27.3〜37.4(高さ)ミリと、ノーマルモデルと同じだ。

 また、ボディ底面のバッテリーを外した部分に小さなスロットが用意されており、そこにFOMAカード(NTTドコモとFOMAの回線契約をすると送られてくる)を差し込んで利用するようになっている。

 無線WANでの接続は、プリインストールされているユーティリティ「ドコモコネクションマネージャ(ドコモ定額データプラン接続ソフト)」から簡単に行える。通信パケット量、定額プランの課金段階なども表示されるので、課金を4200円以内(50万パケット以内)に抑えたいユーザーも状況をすぐに確認できて便利だ。ちなみに、東京都杉並区の自宅での通信速度は1.5〜4Mbpsの間で変動していたが、画像の多いWebページでもストレスを感じることなく閲覧でき、YouTubeでの動画再生も特に問題なかった。

 ただ、1つ注意したいのが、「定額データプランHIGH-SPEED」には通信内容の制限があることだ。通常のWebページの閲覧やメールの送受信、YouTubeなどのFLV動画の閲覧はできるが、P2Pでのファイル交換や一部ストリーミング動画の再生、Skype、メッセンジャー、オンラインゲームなどは規制されている。詳細はドコモのWebサイトで確認してもらいたいが、すべてのインターネットサービスを利用できるわけではないことに注意したい。

プリインストールされているユーティリティ「ドコモコネクションマネージャ(ドコモ定額データプラン接続ソフト)」を使えば、簡単に無線WANに接続できる(写真=左)。ダイヤルアップにかかる時間は数秒で、パケット量、定額プランの課金段階なども表示される(写真=左)。杉並区でいくつかのスピードテストを行ったところ、かなりバラつきがあったが、最低でも1.5Mbps以上での通信が可能だった。gooスピードテストでは4.22Mbpsをマークした(写真=右)

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