S101が発表された会場で、Eee PCの開発を初期段階から担当した「ミスター Eee PC」のジェネラルマネージャー S.Y. シーアン氏による質疑応答セッションが行われた。S101の仕様や製品企画の疑問に関する“一問一答”を紹介しよう。
──バッテリー駆動時間が、従来モデルのEee PC 901-Xの8時間より短い5時間となってしまったが、開発側から反対する意見は出なかったのか。
シーアン 確かに、社内では不安に思う声も多かった。しかし、ユーザーに対するアンケート調査の結果では、4時間以上のバッテリー駆動時間を望む声が最も多かった。そういう意味で、5時間のバッテリー駆動時間を実現したS101に多くのユーザーは満足してもらえると考えている。
──ディスプレイのサイズが10.2型ワイドと大型化したのに、解像度は8.9型ワイドディスプレイ搭載モデルと同じになったのはなぜか。
シーアン これもユーザーアンケート調査で、1024×600ドットの解像度で多くのユーザーが満足できるという結果が得られたので、解像度は変わっていない。また、解像度が大きくなってもフォントサイズやアイコンのサイズを調整しないと見ることが困難になる。だから、1024×600ドットがユーザーに最も使いやすい解像度となるだろう。私もフォントサイズが小さすぎると、ディスプレイを見るのが疲れるので、この解像度がベストだと思っている。
──日本のNetbookベンダーの多くは、Netbookが通常とは異なるデバイスで、利用場面もメールやネットサービスに限られるとユーザーに訴えている。ASUSは、多くのユーザーに普通に使ってもらうデバイスとしてS101をアピールしているが、汎用的なPCと同じ使い方に十分耐えられるのか。
シーアン Eee PCを投入した当初は、目的によってメインマシンとセカンドマシンを使い分けてくれるパワーユーザーのためのデバイスとして想定するとともに、初心者の最初に購入するノートPCとしても考えていた。ただ、やはり、インターネットにアクセスして、ネットワークサービスを利用するのに最も適していると思う。
──S101のインタフェースの配置は背面に集中しているが、せめて、カードスロットだけでも側面に用意できなかったのか。
シーアン 基板に余裕がなくてカードスロットを搭載するスペースが確保できなかった。基板の下にスロットを重ねる方法もあるが、これも、ボディを薄くするため不可能だった。
──ボディサイズが増えたのに、搭載するインタフェースは従来のEee PCとほとんど同じ。USBを増やすとか新しいインタフェースを搭載しなかったのはなぜ。
シーアン アンケートの結果によると、USBは3つあれば十分と考えているユーザーが最も多い。それ以上のUSBを実装すると、消費電力も多くなるため、ACアダプタが大きくなるなどの弊害もでる。だから、S101のインタフェースで十分だと考えている。
──S101はボディの中にファンを組み込んでいるのか。
シーアン CPUクーラーユニットのために、S101はボディの中にファンを1つだけ組み込んでいる。
──10月始めにS101を発表したが、生産台数は十分用意できるのか。例えば、米国のクリスマスシーズンに十分な数のS101を出荷できるのか。
シーアン それはできると考えている。米国にはクリスマスギフトシーズンが始まる10月中には出荷を開始する予定だ。
──それが原因で、日本市場にはいってくるS101の出荷時期や台数に影響が出る可能性は?
シーアン 日本市場では、アジア地区で最もEee PCが販売されているなど、Eee PCビジネスにとって重要な国であると認識している。
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