新型「MacBook」と過ごした数日。いよいよまとめのリポートをお届けする。
それにしても近年のアップル製品は、写真を見た段階ではピンとこなかった製品も、実物を眺めているとだんだん納得させられてくる。このMacBookも、特にディスプレイを閉じた状態の、シンプルでありながら精密感や凝縮感のあるたたずまいは本当に見事だ。また実用的な面でも、閉じたときの厚みが旧モデルと比べてずいぶんと薄くなった。カバンに入れて持ち歩く筆者のようなユーザーにはありがたい。
ファーストインプレッション記事でも触れたように、液晶ディスプレイを開くと黒くなったベゼルが印象的で、ベゼル自体は背景に溶け込み、ディスプレイ表示面だけが浮いているような視覚効果がある。同時に発表された24型LED Cinema DisprayやMacBook Pro、そして現行のiMacと共通のデザインで、画面に集中しやすいという意味は確かに感じられる。
さて、ディスプレイ表面はこれでもかというほどツヤツヤなので、映り込みを気にする方もいるだろう。
はっきり言って、映り込みは確かに起きる。特に輝度を下げたときにはとても目立つ。しかし逆に言えば、映り込みは輝度を上げることである程度は抑え込める。発表イベントでジョブズ氏も「映り込みはLEDの明るさで相殺できる」というようなことを言っていたので、まあそういうことなのだろう。確かに今回のディスプレイは実に明るい。写真やビデオを見るときにはその美しさが映える。
機械的なギミックとして面白いのは、バッテリーとHDDが収められている底面下部のカバーの着脱だ。埋め込み式のレバーが用意されており、それを持ち上げるとカチャッと軽快に外れる。戻すときもカチャッとはめ込むだけだ。
カバーの着脱は非常に簡単で無理な力を加えることもない。それでいて固定は確かで、わずかな隙間もぐらつきもない。さすが高精度なユニボディデザインだ。それにしても“アルミ削りだし”という単語は、メカ好きの琴線に響く。ディスプレイを閉じるときのパタンという音にも上質感が漂うが、これもユニボディデザインの効果だろうか。
ちなみにカバーの裏側には、メモリとHDDの交換手順の図解が印刷されている。どちらも非常に簡単な手順で交換・増設が可能だ。
メモリースロットにアクセスするにはネジ8本で固定されている背面上側カバーを外す。HDDに至ってはレバーで背面下部カバーを外したら、あとはネジ1本を外すだけで取り外せる。ドライバーは(特殊なものではなく)通常のプラスドライバーの0番サイズがジャストフィットだった。
メモリとHDDへのアクセス性は抜群。この構造は製品ラインでの生産性向上にも役立っていることだろう。ただし説明会で確認したところ、ユーザー自身による増設・交換はアップルのサポート外とのこと。自己責任での作業となる。
さらに細かいところを見てみよう。1つはパームレストのエッジだ。旧MacBookはキーボード面のエッジが鋭く立っており、ここに手のひらが当たって少し気になっていた。これに対して、新MacBookのユニボディではエッジが“微妙”に落としてあり、痛い思いをすることがない。この「微妙に」というのがこだわりなのだろう。エッジを落としすぎると外観的にしまらないし、エッジを残しすぎると手に当たったときの感触がきつい。
続いてはキーボード。キータッチは、筆者の常用している初代MacBookよりも少し柔らかく、クリック感を弱めた印象だ。といってもふにゃふにゃした感じではないので、打ちにくくはない。
初期MacBookユーザーからすると、最近のモデルの流れに沿ってキー配列に若干の変更がある点もポイントだろう。例えば、かなキーの右側にコマンドキーが増設されていたり、ファンクションキーへの機能割当が異なっていたりする。実際に使ってみると便利だ。
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