「正直、買おうか迷っている」――新型MacBookレビュー総括編新型MacBookまとめ(3/3 ページ)

» 2008年10月22日 12時00分 公開
[高橋敦,ITmedia]
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動画再生や発熱、バッテリー駆動時間をチェック

 さて、新型MacBookではチップセットも変更されているが、内蔵グラフィックスによる動画再生支援機能の有無を確認するため、米Appleのサイトで公開されているH.264コーデックのHDトレーラーを再生し、新旧MacBookでQuickTime PlayerのCPU使用率を比較してみた。

 まずは720pバージョンを再生した結果。旧MacBook(Core Duo 2GHz)のCPU使用率は50%〜60%を中心に推移し、激しい場面では70%を超える。一方、新型MacBook(Core 2 Duo 2.4GHz)は30%弱でほぼ変動しない。

 次にさらに負荷のかかる1080pバージョンを試したところ、旧MacBookは60%前後を中心に変動し、100%を超える場面も多かったが、新型MacBookは30%強とわずかしか上昇せず、そしてやはりシーンによる変動も少ない。

 QuickTime PlayerでのH.264再生については、GPUによる動画再生支援は行われていると見るのが妥当だろう。

旧MacBookで1080pトレーラーを再生中のアクティビティモニタ。CPU使用率はフルスロットに近い(画面=左)。新型MacBookでのアクティビティモニタ。CPU周りの性能差だけでは説明がつかないほどCPU使用率が低い(画面=右)

 それでは、高負荷時の発熱はどうだろうか。定番ベンチマークソフト「CINEBENCH」でシステムに負荷をかけ、室温が約25度の環境でボディの熱を新旧モデルで比較してみた。

この付近が熱を持つのはあいかわらず。しかし旧モデルほど熱くはならない

 旧MacBookは負荷をかけるまでもなくキーボード左上およびその底面がかなり発熱している。そして負荷をかければ熱は左パームレストにまで及ぶ。一方、新型MacBookは負荷をかけた状態でも旧MacBookほどには熱くならない。しかしキーボード左上付近とその底面はやはり熱を持つので、ひざの上で使う場合には多少の不快感はあるだろう。

 ただしパームレストの発熱は低く、机上で使う分には問題はない。ファンも旧MacBookほど頻繁には回らないので、その面でも不快感は少ない。

 最後にバッテリー駆動時間も実測してみた。満充電の状態から、ディスプレイ輝度を最大、無線LANに接続するという条件下で、iTunesを立ち上げH.264ビデオをリピート再生し続けた結果、約2時間15分で自動的にスリープに入っている。

 この過酷な条件設定でこれだけ持つのであれば、Webブラウズやメールなどを中心とした利用では、カタログスペックの5時間はともかく、4時間程度はいけるのではないだろうか。


 以上、いろいろとチェックしてきたが、この新しいMacBookは、本当に穴の少ない製品に仕上がっている。近年のアップルは、ボディデザインの変更は頻繁には行っていないので、今回のこのデザインも長い期間に渡って採用され続けるだろう。新鮮味を満喫するには今が“買い”のタイミングなのだ。

 また、GPU性能の大幅な強化は、次期Mac OS X“Snow Leoprd”を見越してのものとも考えられる。今回のMacBookは、Snow Leopard時代にも通用するスペックを確保していると期待できるわけだ(あくまでも推察に過ぎないが)。

 さて「それで、買うの?」と問われると、実はとても深く悩んでいる。新しいMacBookが魅力に欠けるというわけではない。同時に発表されたMacBook Airのアップデートもすごく魅力的で迷っているのだ。今回のMacBookは、スペックを見るとほとんど理想的と言ってもいいのだが、MacBook Airのスペックも大幅に向上しており、処理性能はMacBookにほぼ並んでいる。コストパフォーマンスの高いMacBookか、圧倒的に薄く軽いMacBook Airか――悩みはしばらく続きそうである。

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