レビュー
» 2008年11月20日 12時45分 公開

性能、温度、騒音、スタミナは?:“華麗なるミニノート”――ASUS「Eee PC S101」の真価を問う(後編) (2/3)

[前橋豪,ITmedia]

Windows XPの各種動作も軽快

 それでは実際にWindows XPを操作した場合のレスポンスはどうだろう。試しに、デフォルトの状態で、Windows XPの起動、休止状態への移行と復帰、スタンバイへの移行と復帰、シャットダウンの各動作にかかる時間を計測した。Windows XPの起動時間は電源ボタンを押してから「ようこそ」画面が出るまでの時間と、タスクトレイにすべてのアイコンが並びポインターの砂時計表示が消えるまでの時間の2段階で計測している。これらの動作時間はバラツキがあるので、各計測は5回行い、その平均値を採用した。

Windows XPの起動/終了時間

 計測結果はS101がどのケースでも最速をマークした。Windows XPの起動時間はメーカー公称値の17.8秒とほぼ同じで、スタンバイへの移行と復帰は瞬時に行われ、休止状態への移行と復帰、シャットダウンも待たされることがない。XpressPath技術の恩恵は確かに発揮されている。

 今回のテストは初期状態で行ったため、ユーザーがさまざまなソフトをインストールして使い込んだ場合では各動作がもっと遅くなるだろうが、Windows XPのメニューやウィンドウの表示、Webブラウザの動作は高速で、実に快適だった。

ボディの表面は確かにクールだが……

 パフォーマンスと両立しにくいボディの発熱についても検証してみた。検証方法は、ユーザーが利用時に触れるボディ各部の表面温度を放射温度計で計測するというもの。計測したのは、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、そこからシステムに高い負荷がかかる3DMarkのデモを30分間実施し続けた状態の2パターンだ。スクリーンセーバーはオフにし、アイドル状態から一定時間経過してもディスプレイの表示やストレージの電源がオフにならないように設定している。

 計測したボディの部位は、キーボードの左半分/右半分、パームレストの左半分/右半分、タッチパッドの表面、ボディ底面の左半分/右半分だ。各部で最も高温になる部分を探して、温度を計測した。テスト時の室温は約23度と少し低めだ。

動作時の発熱。左が起動後20分間アイドル状態にした場合、右が3DMarkのデモを30分間実施してシステムに負荷をかけた場合

 ボディの発熱はS101と901-X/1000H-Xで傾向が分かれた。S101は従来機よりパームレストの発熱が抑えられていることをウリとしているが、アイドル時で約27〜29度、システムに負荷をかけた状態でも約28〜31度と確かにクールだ。キーボードやタッチパッドも熱くなりにくいので、試用時にボディ表面が熱くなって不快に感じることはなかった。

 ただし、901-Xや1000H-Xと比べて底面が少し発熱しやすい傾向にある点は覚えておきたい。中編で紹介した通り、S101はCPU、チップセット、SSDといった主要パーツがすべてマザーボードの片面に実装され、それらが本体の底面に向いている。この構造により、ボディの表面には熱が伝わりにくいが、そのぶん底面は従来機より温かい。机上に置いて使用する場合は問題ないが、ひざの上で使う場合は気を付けたほうがいいだろう。

静音性も従来機から向上

 ボディの発熱とともに使用時のストレスになる騒音についても調べてみよう。騒音レベルは、本体を樹脂製の事務机に置いて一定の距離から計測した。騒音計のマイクは、使用時におけるユーザーの耳の位置を想定し、ノートPCのボディ中央から約30センチ離し、設置面から約50センチの高さに固定している。環境騒音は29dB(A)で、耳をすますと小さく窓外の音が聞こえる程度の静かな会議室でテストした。

 騒音レベルを計測した状態は温度の場合と同様、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、システムに高い負荷がかかる3DMarkのデモを30分間実施続けた状態の2パターンだ。

動作時の騒音

 計測の結果、最も動作音が静かなのはS101だった。今回は環境騒音が無音に感じるほど静かな状態ではなかったせいもあるが、S101と901-Xはアイドル時ならば動作音がほとんど聞こえない。S101は背面、901-Xは左側面に排気口があり、耳をそばまで近づけるとファンが静かに低い音で回転している音が確かに聞こえるが、本体を机上に置いて使う距離ではまったくといっていいほどファンノイズが聞こえず、ファンレスのノートPCとほとんど同じ感覚だ。1000H-Xはうるさいほどではないが、アイドル時でもファンの存在を確かに感じる回転音が鳴る。

 アイドル時では互角だったS101と901-Xだが、システムに負荷をかけた状態では明暗を分けた。S101では意識するとファンの回転音が聞こえる程度だが、901-Xでは1000H-Xを上回るファンノイズが発生した。S101は排気口が背面にあることも有利に働き、ファンの存在を感じにくい。

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