地デジが付いた“フリースタイルPC”の実力は?省スペース+スタイリッシュ+α(3/3 ページ)

» 2008年12月04日 11時30分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
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地デジ機能はWindows Media Centerを採用

付属のリモコンでテレビの起動、チャンネル切り替え、録画、番組表の操作などが行える

 F/B70Tから新たに搭載された地上デジタル放送の視聴・録画機能は、ピクセラ製ソフトの「DigitalTVbox」を採用したFMV-DESKPOWER LXとは異なり、「地デジ対応Windows Media Center」を利用する。Windows Media Centerの地デジ機能を用いた富士通製PCは、F/B70Tが初めてだ。

 この地デジ対応Windows Media Centerだが、番組視聴・録画、電子番組表(EPG)、番組検索、データ放送、タイムシフト視聴といった基本的な機能は用意されているものの、録画時の画質設定や、録画した番組のムーブ/ダビングには対応していない。チューナーは1基なので、FMV-DESKPOWER LXのような2番組同時録画も行えない。

 したがって、液晶テレビ&レコーダーの代替機として使い込みたいユーザー向けではなく、何かの作業中に地デジ放送を「ながら見」したり、時折気になる番組を予約録画して、見たらすぐに消すといったカジュアルな使い方をするユーザーに適した機能といえる。

地デジ機能はWindows Media Centerに標準搭載されている(写真=左)。電子番組表はシンプルな作りで、選択した番組の情報が下方に表示される(写真=中央)。番組の予約録画はシリーズ録画や、領域が足りなくなるまでなど録画番組の保存に関する設定、録画時間の延長などに対応する(写真=右)。ハイビジョンの地上デジタル放送を録画する場合、1時間で約7650Mバイトのデータ容量になる

 動作については、OSに組み込まれたWindows Media Centerの機能を使っているため、リモコンの「テレビ」ボタンを押すと4〜5秒程度でテレビ画面が表示され、チャンネルの変更はボタンを押して約3秒程度で画面が切り替わるなど、待たされる印象はない。録画した番組の再生も即座に行える。さすがに家電感覚とまではいかないものの、PCのオマケ的な地デジ機能と考えると、なかなか軽快なレスポンスだ。

 ただし、電子番組表は1画面に3チャンネル程度、約2時間ぶんしか表示されないため、遠くからは見やすいものの一覧性に欠ける。表示チャンネル数を変更する設定なども用意されておらず、ライトユーザー向けに操作を簡易化しているのだろうが、文字を小さくして1画面あたりの情報量を増やす設定があるとよかった。

番組はジャンル別検索(写真=左)や、任意のキーワードによる検索(写真=中央)が可能だ。録画した番組は、録画日順とタイトル順で並び替えて表示できるが、横一列にサムネイルが配置される簡素な作りなので、録画した番組が多いと探すのに少々手間取る(写真=右)

省スペース+スタイリッシュ+αの魅力を獲得

 当初は「省スペースでスタイリッシュな液晶一体型PC」としてリリースされた“フリースタイルPC”ことFMV-DESKPOWER Fシリーズだが、F/B70Tの登場により液晶ディスプレイの大型化と地上デジタルテレビチューナーの搭載という武器を得て、活用の幅が広がり、基本スペックもCentrino 2世代に進化したことで、メインマシンとしての魅力がぐんと増した。

 個々の機能にやたらと凝る必要はないものの、流行のNetbookでは対応できない地上デジタル放送やOffice Personal 2007といった人気の機能が盛り込まれていて、しかも無線LANやワイヤレスのキーボード/マウスを採用するなど、日常的に取り回ししやすく、おしゃれなPCが欲しいという一般的なユーザーのニーズの“ど真ん中”を見事に打ち抜く製品といえる。

FMV-DESKPOWER F/B70T
CPU Core 2 Duo P8400(2.26GHz)
2次キャッシュ 3Mバイト
チップセット Intel GM45 Express
メインメモリ PC3-8500 DDR3 SDRAM 2Gバイト(1Gバイト×2)
メモリスロット(空き) SO-DIMM×2(0)
HDD Serial ATA 500Gバイト/7200rpm
評価機のHDD HGST HDP725050GLA380
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
評価機の光学ドライブ Panasonic UJ875AS
ディスプレイ 19型ワイド スーパーファインVX液晶
画面解像度 WXGA+(1440×900ドット)
グラフィックスチップ チップセット内蔵(Intel GMA 4500MHD)
グラフィックスメモリ 最大776Mバイト(メインメモリと共用)
サウンドチップ チップセット内蔵+HDオーディオコーデック
カードスロット SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO
USB USB 2.0×5(右側面:1、左側面:2、背面:2)
IEEE1394 4ピン×1(背面)
ビデオ入出力
オーディオ入出力 マイク/ラインイン×1(左側面)、ラインアウト/ヘッドフォン×1(左側面)
Webカメラ 有効画素数約130万画素
有線LAN 1000BASE-T
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)
Bluetooth
FAXモデム
キーボード ワンタッチボタン付きワイヤレスキーボード(日本語104キー)
マウス 横スクロール機能付きワイヤレス光学式マウス
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 465×211×391〜411ミリ
重量 約11キロ
搭載OS Windows Vista Home Premium(SP1)
実売価格 17万円前後
主な付属品 電源ケーブル、ACアダプタ、マニュアル、アプリケーションディスク、B-CASカード、リモコン

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