デルの「Studio」シリーズは、エントリーからミドルレンジ向けのパーツを豊富にそろえたBTOメニューと、スタイリッシュなデザイン性を兼ね備えたラインアップだ。そのノートPCには、AMDプラットフォームを採用した15.4型ワイド液晶ディスプレイ搭載の「Studio 1536」、インテルプラットフォームを採用した「Studio 15」、そして17型ワイド液晶ディスプレイを装備した「Studio 17」の3モデルで構成されている。いずれもHDMI出力端子を標準で持ち、フルHD液晶やBlu-ray DiscドライブをBTOで選択可能な「マルチメディアノート」としての用途が前面に打ち出され、エントリー向けの「Inspiron」シリーズや、ゲーマー/ハイエンドユーザー向けの「XPS」シリーズ、Netbook「Inspiron Mini」シリーズといった異なるブランドのノートPCと差別化が図られている。
今回は、その中から2008年10月にプラットフォームを一新して、パフォーマンスと機能の強化が行われた「Studio 15」を紹介しよう。このリニューアルでは、ボディデザインやマルチメディアノートとしての方向性はそのままに、最新の「Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」に対応して基本性能を高めたほか、eSATA/USB共有ポートの追加をはじめ、バックライト付きキーボードや天板デザインの追加など、さまざまな変更がなされている。
2008年6月に初号機が登場したStudio 15だが、従来モデル(“プチぜいたく”を味わえるミドルレンジノートPC――デル「Studio 15」)からの飛躍として、内部システムの一新が挙げられる。具体的には、Intel GM965/PM965 Expressチップセットから、新世代のIntel GM45/PM45 Expressチップセットに更新された。オンボードグラフィックス選択時はGM45、外付けGPU選択時はPM45型番のチップセットを搭載するのは従来機と同様だ。GPUの選択肢がATI Mobility Radeon HD 3450(グラフィックスメモリは256Mバイト)から変化がないのは寂しいところだが、オンボードグラフィックスがHD動画のハードウェアアクセラレーション機能に対応したIntel GMA 4500MHDになったことで、より安価に本機を購入可能になったのは見逃せない(従来はBD-ROMドライブ選択時は外付けGPUの選択が必須だった)。
スロットイン方式の光学ドライブには、DVDスーパーマルチドライブかBlu-rayコンボドライブ(Blu-ray Discへの書き込み不可)のいずれかを選択できる。手近にある大画面テレビにHDMIケーブル1本で接続して、DVD-VideoやBlu-ray Discタイトルを気軽に楽しめるのは前モデルと変わりない。
メモリはDDR3-SDRAMではなく、DDR2のままだが(容量は2/3/4Gバイトから選べる)、CPUはすべてFSB 1066MHzサポートとなり、Core 2 Duo T9400(2.53GHz/2次キャッシュ6Mバイト)を筆頭に、TDPが25ワットに下がったCore 2 Duo P8600(2.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)かP8400(2.26GHz/2次キャッシュ3Mバイト)に高速化された。細かいところでは、ACアダプタが同社の大企業向けモデルLatitudeシリーズと共通のスリムタイプに変更され、取り回しがよくなった。
そのほか、Serial ATA HDDは320/250/160Gバイトから(いずれも5400rpm)、無線LAN機能はIEEE802.11b/g(Dell Wireless 1397)、IEEE802.11a/b/g/n(Intel WiFi Link 5100、Intel WiFi Link 5300)の3種類から選択できる。Bluetooth 2.0+EDRや指紋認証デバイスの追加、Webカメラの内蔵、9セルバッテリー(標準は6セル)の追加などもBTOオプションに用意されている。ちなみにOSはWindows Vistaのみで、 Ultimate(SP1)/Home Premium(SP1)/Home Basic(SP1)の32ビット版から選ぶ形だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.