ASUSTeK Computer(ASUS)は、「Eee PC」の成功を受け、“Eee”を一大ブランドに育て上げるべく、製品の拡充に努めてきた。日本でもEee PCシリーズは他社のNetbookを圧倒する豊富なラインアップをそろえ、Eee PCのデスクトップ版となるNettop「Eee Box」も投入している。
2008年後半はアグレッシブな製品拡充に不況が重なり、過剰在庫が採算の悪化を招いてしまったため、今後はラインアップが整理される可能性はあるが、2009年に入ってもASUSは攻めの手を緩めていない。
そんなASUSが次の一手として3月下旬に国内販売を開始するのが、「Eee Top 1602」だ。製品カテゴリーとしてはEee Boxと同様、Atom N270(1.6GHz)を搭載したNettopに該当するが、Eee Boxがディスプレイ分離型ボディを採用しているのに対し、Eee Top 1602は液晶ディスプレイ一体型ボディ、それも本体を1枚の板のようにスリムにまとめた、俗にいう“ボードPC”に仕上がっている。
液晶一体型のNettopは他社もリリースしているが、Eee Top 1602はタッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いているのがウリだ。標準価格は6万4800円とボードPCにしては安価で、Eee PCのハイエンドモデルと同じに設定されている。
今回はEee Top 1602の試作機にほんの少しだけ触れる機会を得たので、まずは写真で製品をチェックしていこう。なお、試作機でのインプレッションなので、実際の製品とは異なる可能性があることをあらかじめお断りしておく。
Eee Top 1602を初めて見て感心させられたのが、コンパクトでデザインへの配慮が行き届いたボディだ。ボディサイズは407.4(幅)×42.5(奥行き)×336.6(高さ)ミリ、重量は約4.3キロと、スリムかつ軽量にまとまっている(スタンドを含む奥行きは約135ミリ)。背面のハンドルは、片手で握って本体を持ち運べるほか、未使用時にキーボードを収納するスペースとしても使える。
ホワイトを基調として、ボディの背面全体をクリアパーツで覆ったうえ、下部にクリアパーツをはみ出させて青く光らせることで浮遊感を演出したり、外からネジが1本も見えないように隠すなど、デザインへの注力ぶりは「Eee PC S101」シリーズにも引けを取らない。外装に定評がある他社のPC製品をよく研究している印象だ。
基本スペックは、1366×768ドット表示に対応したタッチパネル付き15.6型ワイド液晶ディスプレイの搭載がポイントとなる。画面サイズ、画面解像度ともにEee PCをはじめとするNetbookを大きく上回っており、標準的な液晶一体型PCと比べても見劣りしない。
その一方で、CPUのAtom N270(1.6GHz)、チップセットのIntel 945GSE Express、1Gバイトのメインメモリ、160Gバイトの2.5インチHDDといった仕様は、標準的なNetbookと変わらない。
インタフェースは6基のUSB 2.0をはじめ、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPROスロット、ヘッドフォン、マイク、ライン入力、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(ドラフト2.0)の無線LAN、130万画素Webカメラといった構成だ。デスクトップ機らしくUSBポートの数が多い半面、Eee PCに見られるBluetoothは省かれている。プリインストールOSは、Windows XP Home Edition(SP3)だ。
バッテリーパックは内蔵していないため、家庭内モバイル機として使う場合はACアダプタも同時に持ち運ぶ必要がある。付属のACアダプタは小型軽量だ。
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