あの天才ハッカーが愛したPCはどう進化したか?――「HP TouchSmart tx2」“響き”から“うたかた”へ(1/3 ページ)

» 2009年03月04日 11時50分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

話題のモデルがタブレット機能をリニューアル

「HP TouchSmart tx2 Notebook PC」

 2009年春モデルから日本ヒューレット・パッカードのラインアップに加わった「HP TouchSmart tx2 Notebook PC」は、低価格タブレット/ノートコンバーチブルPCの新ブランドだ。従来より低価格のタブレット/ノートコンバーチブルPCとして好評を得ていた「HP Pavilion Notebook PC tx2000」シリーズの後継にあたる。先代機の「tx2505/CT」は、2008年10〜12月にTBS系列で放送されたドラマ「ブラッディ・マンデイ」にて主演を務めた三浦春馬さんの使用機として話題になったことも記憶に新しい。

 今回のモデルチェンジでは、ボディの基本設計を引き継ぎつつ、タブレット機能を全面的にリニューアルしているのがポイントだ。直販サイト「HP Directplus」と量販店の両方で展開されるが、ここでは直販専用のベーシックモデルを評価機とした。量販店向けのスタンダードモデルよりもCPUなどのスペックが若干低い構成となっており、BTOではメモリ容量のみカスタマイズが可能となっている。

静電容量式タッチセンサーの採用でクリアな画面を実現

 大きな特徴は、液晶ディスプレイにある。従来同様、回転式ディスプレイを採用しており、通常のノートPCスタイルのほか、中央のヒンジ部分でディスプレイを180度反転させて折りたたんだタブレットPCスタイルで使うことができる。12.1型ワイドの画面サイズ、1280×800ドットの画面解像度には変更がないが、新しいタッチセンサーとLEDバックライトの採用により、視認性が大幅に改善されている。

 指とペンの両方のタッチ操作に対応するタッチセンサー部分には、静電容量方式の「HPデュアルモード・テクノロジ」を採用した。従来は電磁誘導式(ペン)と感圧式(指タッチ)を組み合わせた方式(ペナブルデュアルタッチ)を採用していたが、HPデュアルモードでは静電容量パネル1枚と制御基板を追加するのみのシンプルな構造を採るため、従来機で画面の視認性を悪くしていた感圧式の抵抗膜や保護層などが必要なくなった。また、今回はバックライトもCCFL(冷陰極管)からLEDに変更され、バックライト自体の輝度も約14.5%アップしたことから、従来より見た目の印象がかなりよくなった。

 静電容量方式のタッチパネルは、イスラエルのN-trig社が開発した「DuoSense」を採用している。デジタイザの高度な検出アルゴリズムにより、指でのタッチとペン操作の両方に対応しつつ、手のひらをつけてペン入力をした場合にもペン入力のみを受け付けるようになっている。

1280×800ドット表示の12.1型ワイド液晶ディスプレイは静電容量方式のタッチセンサーを採用したことに加えて、バックライド輝度がアップしており、視認性が高まった(写真=左)。画面を反転させてピュアタブレットスタイルで操作でき、もちろん縦位置表示での操作にも対応する(写真=中央)。ボディ右側面の手前にペンが収納されているので、右手で取り出しやすい(写真=右)

「フリック」「ズーム/ピンチ」など2本指でのマルチタッチ操作も可能

 静電容量方式のタッチパネルは使い勝手の向上にも貢献している。画面にそっと触れるだけの超低圧にも反応する高感度のため、無駄な力のいらないストレスのないタッチ操作やカーソル移動を実現しているほか、256段階という高精度の筆圧検知も可能だ。

 さらには2本指によるマルチタッチ操作にも対応し、画面上で指をはじくような動作をすることでスクロールや戻る/進むといった操作を行う「フリック」、2本指を画面上で回転させるような動作で画像などの回転を行う「ローテート」、2本の指を画面上で開閉することで画像などの拡大/縮小を行う「ズーム/ピンチ」が利用できる。

 すべてのアプリケーションで使えるわけではないが、HPオリジナルのマルチメディアソフト「HP Media Smart」のほか、Internet Explorer 7やWindowsフォトギャラリー、Windows Media Player、Adobe Acrobat Reader、Microsoft Office 2007(オフィスモデルのみ)などの定番アプリケーションの多くで利用可能だ。

 もっとも、マルチタッチの操作は少々慣れが必要な印象で、またiPod touchのような小さな製品でもないため、あえて画面上で直接2本指でタッチできるメリットや使い道もよく分からないというのが正直なところ。現状ではまだオマケ的な機能という印象は否めない。

N-trig社の「DuoSense」を採用したデジタイザ(タッチセンサー)の設定は専用のユーティリティから行える。ペンと指によるタッチのどちらかの利用、両方を自動切り替えでの利用、あるいは両方同時利用と4種類の入力モードに対応している

Windows Vistaには「Windows Journal」や「Snipping Tool」などタブレットPC向けツールが標準で付属し、手書きの文字や図をそのまま保存できる(写真=左)。タッチパネル上に2本の指で「M」の字を描くと、「HP Media Smart」が起動する(写真=中央/右)

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