「企業の効率化を推進する」――デル、Xeon 5500搭載ワークステーションサーバのラインアップも一新

» 2009年04月01日 17時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

新世代Xeonで性能と拡張性をアップ

ハイエンドモデルの「Precision T7500」

 デルは4月1日、タワー型ワークステーション「Precision T3500」「同 T5500」「同 T7500」の3製品を発売した。価格はT3500が16万1595円から、T5500が19万6770円から、T7500が22万5120円からだ。

 これらはCPUに「Nehalem-EP」の開発コード名で知られる新世代の「Xeon 5500」シリーズを採用している。Core i7と同様、CPUにメモリコントローラを内蔵しているほか、Hyper-Threading技術により、クアッドコアのXeon 5500のシングルプロセッサ構成で8スレッド、デュアルプロセッサ構成では16スレッドを同時処理することが可能だ。

 35社の独立系ソフトウェアベンダー(ISV)、90以上のアプリケーションの認証を予定しており、T5500とT7500は前世代の製品に比べて、マルチスレッド対応アプリケーションの処理で最大90%パフォーマンスが向上するという。Energy Star 5.0に準拠し、85%のAC/DC電力変換効率を達成した電源ユニットを採用する。

 仕様はBTOによるカスタマイズに対応。チップセットはT7500とT5500がIntel 5520、T3500がIntel X58 Express、メインメモリは1333/1066MHz DDR3 ECC DIMMを採用し、メモリの最大容量はT7500が96Gバイト(最大12スロット)、T5500が72Gバイト(最大9スロット)、T3500が最大24Gバイト(6スロット)だ。

 グラフィックスについては、2枚のPCI Express 2.0 x16対応カードを装着でき、ATI FirePro V3750(T7500はV8700も選択可能)、NVIDIA Quadro FX 5800、NVIDIA Quadro NVS 295などが選べる。また、T7500とT5500はNVIDIA Tesla C1060も搭載できる。HDDは最大1.5TバイトのSATAドライブや最大450GバイトのSASドライブ(RAID対応)、光学ドライブはBlu-ray Discドライブなどを用意している。

左が「Precision T5500」、右が「同 T3500」

 T7500は5基の3.5インチベイ、3基の5インチベイ、2基のグラフィックス用PCI Express 2.0 x16スロット、2基のPCI Express 2.0 x16スロット(x8として配線、1基はハーフレングス)、1基のPCI Express 2.0 x16スロット(x4として配線)、1基のPCI-X 64ビット/100MHzスロット、1基のPCI 32ビット/33MHzスロットを装備。外形寸法は215.9(幅)×566(奥行き)×565.4(高さ)ミリだ。

 T5500は3基の3.5インチベイ、2基の5インチベイ、2基のグラフィックス用PCI Express 2.0 x16スロット、2基のPCI Express x16スロット(x8として配線、1基はハーフレングス)、1基のPCI-X 64ビット/100MHzスロット(ハーフレングス)、1基のPCI 32ビット/33MHzスロットを装備。外形寸法は172(幅)×468(奥行き)×447(高さ)ミリで、デスクトップ型としても設置できる。

 T3500は3基の3.5インチベイ、2基の5インチベイ、2基のグラフィックス用PCI Express 2.0 x16スロット、1基のPCI Express 2.0 x8(x4として配線、ハーフレングス)、1基のPCI Express x8(x4として配線、フルレングス)、2基のPCIスロットを装備。外形寸法はT5500と同じだ。

効率化を追求したサーバ新製品も投入

デル代表取締役社長のジム・メリット氏

 なお、デルは新型Xeon搭載のサーバ5製品、ストレージ5製品、ならびに管理ツール「Dell Management Console」も同日発売した。これらは、新アーキテクチャがもたらす処理性能の向上をはじめ、パーツ単位での省電力化、仮想化への最適化、拡張性の強化、管理のシンプル化、標準技術の採用などを行うことで、ITライフサイクル全体でのコスト削減を図っている。

 製品発表会では代表取締役社長のジム・メリット氏が登壇。新製品について「コストを下げ、ROIは高めたい、という顧客の要望に対して、さらなる効率化、シンプル化、オープン化を推し進めた製品。これにより、人、時間、予算を最大限活用できる“Efficient Enterprise”(効率的な企業)を実現する」と、そのメリットを紹介した。

 また、「HPやIBMは独自技術によって顧客を囲い込み、結果として複雑性を高めているが、デルは標準技術を積極的に採用し、シンプル化に努めてきた。今後も顧客志向のイノベーションを起こしていく。競合製品と自社製品を並べて細かく各部をチェックしていただくブラインドテストも実施しているが、15項目のうち13項目で高い評価を得ている」と自社製品の優位性をアピールした。

サーバ/ストレージの新製品
製品カテゴリー 製品名 価格
ハーフハイトブレードサーバ PowerEdge M610 23万6460円〜
フルハイトブレードサーバ PowerEdge M710 27万480円〜
タワー型サーバ PowerEdge T610 31万8150円〜
ラック型サーバ PowerEdge R610 34万8600円〜
PowerEdge R710 34万8600円〜
iSCSI SAN EqualLogic PS6000 361万950円〜
PS6000は、搭載するディスクにより合計5種類のモデルを販売する。価格は3年間翌営業日対応オンサイト保守サービスを含む

11世代目となるサーバ製品はマザーボードや各コンポーネントを共通化することで、メンテナンス効率に配慮したデザインとなっている(写真=左)。最大メモリ容量やオンボード有線LANポートの拡充などにより、仮想化のサポートを強化(写真=中央)。従来製品と新しい2Uラックマウントサーバのスペック比較(写真=右)

ブレードサーバは既存製品のシャーシ資産を継承している(写真=左)。Xeon 5500シリーズの省電力機能や、90%以上のAC/DC変換効率を実現した電源ユニットなどにより、グリーンITを追求(写真=中央)。新しいサーバ管理ツール「Dell Management Console」は、デル製サーバ専用設計ではなく、Symantecの管理プラットフォームをベースに構築されるため、他社のサーバ製品も含めた集中管理が可能だ(写真=右)

マザーボード上のライザーカードに、ファームウェアやデバイスドライバ、各種ユーティリティなどを記録して出荷する業界初の組み込み型マネジメント機能「ライフサイクル・コントローラ」を搭載することで、導入時間を従来機比で約50%短縮した

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