MSIブースのPCパーツで注目されるのは、なんといっても、インテルの次期ミドルレンジCPUのLynnfield(開発コード名)に対応するIntel P55 Expressチップセット搭載マザーボードだ。2009年3月に行われたCeBIT 2009でも、Intel P55 Express搭載マザーボードが展示されていたが、COMPUTEX TAIPEI 2009では、LynnfieldとIntel P55 Expressマザーボードのシステムで「動く」デモが行われている。これは、場所と期間を“限定して解禁”となったもので、インテルの正式発表はまだ先のことになる。COUMPUTEX TAIPEI 2009の動作デモも、「動いているのが見られる」だけで、ベンチマークテストによるパフォーマンスの評価などは、COMPUTEX TAIPEI 2009初日に確認した限りでは行われていなかった。
CeBIT 2009で、MSIはIntel P55 Express搭載マザーボードとして「G9P55-DC」と「G7P55-DC」を展示していたが、COMPUTEX TAIPEI 2009では、CeBIT 2009で公開されていなかった「P55-GD65」と「P55-CD45」が登場した。ともに、DDR3対応のメモリスロットを4基搭載し、P55-CD45は拡張スロットとしてPCI Express x16を1基、PCIを3基、そして、3基のPCI Express x1を載せている。一方、P55-GD65の拡張スロットは、PCI Express x16が2基、PCI Express x4が1基、PCI Express x1が2基、PCIが2基の構成だ。P55-GD65とP55-CD45は、PCゲームユーザーやオーバークロッカーを対象にした「遊べる」マザーボードという位置づけで、オーバークロック設定を自動化した「OC Genie」が新たに導入された。
OC Genieは、オンボードに実装した専用のハードウェアエンジンでマザーボード上のFSB、メモリバス、PCI Expressのそれぞれにおける動作クロックや駆動電圧を自動でチューニングして最適のパフォーマンスを発揮できる状態に設定する機能だ。
P55-GD65とP55-CD45の基板に用意された「OC Genie」ボタン(P55-GD65ではTurboボタン)を押すと、システムが再起動して搭載しているCPU、組み込んでいるメモリやグラフィックスカードなどの状態をチェックしながら、動作クロックと駆動電圧の上限を探りながら自動で設定する。このときのチューニング設定モードをユーザーがカスタマイズすることも可能で、複数のチューニングモードを切り替えることもできるという。
また、レビューを掲載したIntel X58 Express搭載マザー「Eclipse Plus」に搭載されていた「OC ダイヤル」機能に相当する、オンボードに用意された「+」/「−」ボタンを押して、リアルタイムでFSBを変更することもできる。OC Genieは、Intel P55 Express以降に登場するチップセットに対応する予定で、Intel X58 Expressには今のところ対応しないとされている。
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