p6090jpに付属するキーボードとマウスは先代モデルから一新され、操作性やクリック感を高めたものになった。仕様はよくあるスタンダードなものだが、デザインやカラーリングがボディカラーと合っており、チープな印象は受けない。
そして、1600×900ドット表示に対応する20型ワイド液晶ディスプレイ「HP 2009f」が付属する。映画など、ビスタサイズのコンテンツの鑑賞にも適するアスペクト比16:9のパネルを採用し、2ワット+2ワット出力のステレオスピーカーを内蔵する。
映像入力はDVI-DとアナログRGBの2系統入力に対応し、双方のケーブルを同梱するのが少しうれしいところ。ちなみにHP 2009fは、直販サイトHP Directplusで1万7850円(2009年5月現在)で販売されるものだ。丸みのあるフォルムとピアノブラック/コスミックシルバーカラーが本体のデザインとも合っており、違和感なく調和する。
では、定番ベンチマークテストのスコアを見てみよう。クアッドコアCPUとGeForce GT 120搭載のグラフィックスカードを搭載するだけあり、どれもバランスのよい成績を収めた。
PCMark Vantage | |
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PCMark Suites | 4395 |
Memories Suites | 3114 |
TV and Movies Suites | 3267 |
Gaming Suites | 4028 |
Music Suites | 4075 |
Communication Suites | 4377 |
Productivity Suites | 3933 |
HDD Test Suites | 3531 |
PCMark05 1.2.0で、Memoryスコアがやや低いのはシングルチャンネルアクセスの影響だと思われるが、それでもこれだけの値なら実用上問題ないだろう。一方、3DMark06 1.1.0のスコアはやや低く、高い3D描画性能を要求されるハイエンドなゲームタイトルはなんとか動く程度と思われる。もっとも、DirectX 8.1世代のタイトルがベースになっているFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはかなり優秀で、このタイトルなら高解像度でも快適にプレイできるだろう。
また、Vista環境におけるHDコンテンツの利用を前提にするベンチマークテスト「PCMark Vantage」では、これといって弱点がないバランスのよさがうかがえ、HDクオリティの写真や映像もほぼ問題なく扱えることを示した。
p6090jpの動作音はそこそこ静かである。室内騒音レベルで33デシベルの環境において、前面から20センチの距離に騒音計を置いて計測したところ、アイドル時で40デシベル前後、高負荷時は42デシベル前後という値になった。アイドル時でも耳をすますとファンの風切り音がはっきり聞こえるので、特別に静かではない。ただ、高負荷時も動作音の変化がほとんどないために耳障りと感じることはなさそうだ。
p6090jpは、本格的な3Dゲームや高度なビデオ編集といったように特定の目的用に最適化した特色はないが、その分シンプルな構成で、かつ購入しやすい価格がやはり魅力だ。価格は大手量販店では9万円台後半(2009年6月現在)となっており、クアッドコアCPU搭載で20型ワイドのディスプレイ付きのPCであると考えると、そのコストパフォーマンスはかなり高いといえる。
例えばゲームはやらないというユーザーにとっては、おそらく「これ1台で済む」だろう。家庭内のビデオ編集や動画・音楽エンコードなど、コンシューマーユーザーがPCで利用する多くの機能はクアッドコアCPUのパワーで相当快適に利用できるようになるはずだ。
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