6月26日、Windows 7へのアップグレード権が付いたWindows Vistaが発売された。対象となるVistaのエディションはUltimateとBusiness、Home Premiumの3種類で、それぞれに単体で購入できるパッケージ版と、PCパーツとセット購入が前提のDSP版が用意されている。価格は、並行で販売されるアップグレード権なしのVista各エディションに比べて3000円前後から6000円前後高い。アップグレード権付きのWindows Vista Ultimateの場合、パッケージ版が3万9000円前後で、DSP版はFDDとのセットで2万円台後半となる。なお、Windows Vistaの各エディションから、Windows 7の上位エディションへと切り替えられるステップアップグレード権を付けたタイプもあり、こちらはWindows Vista Home Basic版も存在する。
Windows 7は年内の登場が予想されている次世代Windows OS。アップグレード権が付属するWindows Vistaには、Windows 7リリース以降に新OSへ更新できるシリアルナンバーと、Windows 7メディアを入手する方法を解説した冊子が同梱されている。
TSUKUMO eX.は「シリアルナンバーを有効にするには、専用Webサイトにアクセスして登録設定する必要があります。Windows 7をメディアで入手したいなら送付費用などで別途3000円程度が必要になりますが、それを含めても新OSが低価格で入手できるメリットはあるといえますね」と語る。
「起動が速く、快適」(複数のショップ)と、前評判の高いOSだけに、今回のアップグレード権販売の解禁に期待を寄せる声も大きい。ただし、直接的な売れ行きについてはショップによって予想がまちまちだった。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「Windows 7自体がVista以上のペースで受け入れられるのはほぼ確実だと思います。ただし、今のところアップグレード権付きVistaを急いで入手しようという動きはそれほど大きくないですね。Windows 7のリリースが間近に迫ったことを喜びながら、深夜販売に備えるといった人が多いように感じます」と語る。
クレバリー1号店も「夏のボーナスで新規にPCを組むという人には魅力的なアイテムとなるでしょう。ただ、アップグレード権目当てでVistaを購入する人が増える期待はしていません。どのみち、Windows 7が使えるようになるのは、先のことになりますから」と話していた。
また、フェイス本店はアップグレード権付きVistaの価格に言及していた。「Windows 7の予価からすれば、決して高い価格設定ではないですが、割安にWindows 7を入手したいという人はマイクロソフトのサイトで先行予約をしていると思います。そのほかの人は情報だけ拾っておいて静観という流れ。実際、旧OS環境やディスクがいらない通常版のWindows 7を狙っている人は、自作ユーザーのなかでも結構多いですしね」と語る。
なお、Windows 7 Home Premium アップグレード版を7777円、同Windows 7 Professionalを1万4777円の特価で販売する先行予約では、ほとんどのWebショップですでに売り切れとなっているようだ。
ちなみに、いくつかのショップはアップグレード権付きWindows Vistaの販売を記念して、オリジナルのオマケを用意している。TSUKUMO eX.は、ミニタオルを詰め合わせた限定200個の「ツクモ缶」を、T-ZONE.PC DIY SHOPは重力感知センサー搭載のデジタルクロックを提供中だ。そのほか、クレバリー1号店も、同店オリジナルの山田君エコバッグやマイクロソフト特製エプロンなどのグッズを在庫している。
某ショップは「今回のキャンペーンが現時点で売り上げにそれほど結びつかなくても想定内です。やはり狙いは、Windows 7販売解禁までのあいだにどれだけ期待感を高められるかでしょう。深夜販売も当然気合いを入れてのぞみます。このOSのヒットの度合いによって、街の景色は大きく変わるでしょうからね。どのショップも本気になるはずですよ」と、今後のアキバ電気街の盛り上がりを“予告”していた。
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