Snow Leopardを通して考える「これからのOS」(前編):発売直前!(2/3 ページ)

» 2009年08月27日 10時00分 公開
[林信行,ITmedia]

数年先のMacを運命づけるOS

Snow Leopardはインテルプラットフォームに最適化される(写真はWWDC 2009の基調講演のもの)

 それではもう1つのキーワード「発展」とはどういう意味か。実はSnow Leopardは、これから先、数年のMacの出発点となるOSに運命づけられている。見える部分での変化は少ないが、見えない部分では大きな変化がある。

 まず第1に、OSの基盤技術が最新のインテルCPU搭載Macにあわせて最適化された点だ。テクノロジーの世界は日進月歩で、2001年にMac OS Xが登場した当初と今では、CPUやGPUの性能も、メモリの容量にも大きな隔たりがある。しかし、PCのビジネスでは過去のマシンとの互換性も重要で、これまでMac OS X Leopardは、PowerPC G4やG5といった過去のCPUまでサポートしてきた。それが足かせとなって、最新のハードウェアを生かしきれない部分があった。

 そこでSnow Leopardでは、PowerPCのサポートをすべて切り捨て、最新のインテルCPUだけに最適化した。これにより、OSの32ビット化以来、約20年ぶりの躍進となるOSの64ビット化も果たし、最新のプログラミングやグラフィックスプロセッサを使った次世代アプリケーションを開発できる基盤が整った。

Snow Leopardには未来のMacを支える基盤技術が詰まっている。その代表格は「64ビット対応」「Grand Central Dispatch」「OpenCL」の3つだ。これについては後日、別の記事で詳しく紹介する

 この変更からユーザーは、どんな恩恵を受けるのか。正直、今の段階ではLeopardを使っていたユーザーが「OSをアップグレードしたことで操作が速くなった」とスピードの変化を感じて喜ぶくらいの恩恵しかないかもしれない。しかし、今後はこの新しい基盤に根ざした次世代の革新的なアプリケーションが次々と登場してくるはずだ。

 もう1つのキーワード「発展」も先ほどの例にならって何か別のものに例えてみよう。それは“名車や名機の復活”というのがイメージとして近い。石原裕次郎や力道山も愛用したという1950年代の車「Mercedes Benz 300SL」が、最近、米ガルウイング・アメリカによって復刻された。見た目はかつての300SLそっくりながら、ファイバーグラスで強化されたアルミボディ、快適さを追求するエアコンやパワーステアリングなどの装備、そしてオリジナルよりもパワフルなエンジンといった新技術で、今の時代、これからの時代を楽しめるように作りかえた。また、最近オリンパスは、1960年代に人気を博したコンパクト型カメラ「PEN」シリーズを、今の時代を楽しめる最新鋭のデジタルカメラ製品として復刻し、話題を呼んでいる。

 Snow Leopardも言うなれば、2年前のLeopardを、最新技術でそっくり同じに作り直している。これこそSnow Leopardが、見た目はこれまで通りなのに、メジャーアップグレードであるゆえんだ。ちなみに、旧世代Macの最後のOSであるLeopardと、見た目や基本機能に違いがないということには、旧世代Macユーザーのジェラシーを買わずにすむ、という効能もあるのかもしれない。

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