ThinkPad X100eシリーズとThinkPad Edgeシリーズは、どちらも10万円を切る価格が設定されている。一般的に「CULVノートPC」と呼ばれるインテルのCULV版(コンシューマー向け超低電圧版)CPUを搭載したモデルと競合する価格帯だが、今回登場したThinkPadシリーズは、AMDのUltraThinノートPC向けプラットフォーム「Congo」を採用しているのが特徴だ。
レノボ・ジャパンは、ThinkPad X100eとThinkPad Edge 13”について、「第4世代のThinkPad」と位置づけている。その意味について、レノボ・ジャパン 取締役副社長 研究・開発担当の内藤在正氏は、「ThinkPadの経験をより多くのユーザーに提供したい」と、低価格のThinkPadを投入するメリットを説明した。
あわせて内藤氏は、低価格モデルでもこれまでのThinkPadシリーズと同様に、「ユーザーの競争力を高めるビジネスツールとしての性能は変わらない。従来から受け継がれているThinkPadの“スピリッツ”は、ThinkPad X100eとEdgeにも受け継がれている」と訴える。
レノボ・ジャパンが「ユーザーの新しいニーズに応えたい」と考えるThinkPad Edge 13”のコンセプトについて、内藤氏は「時計やカメラには多機能ハイエンドモデルと機能を絞ったシンプルなモデルがある」とThinkPad Edge 13”が、従来からあるビジネス向けの多機能ハイエンドなThinkPadとは異なるモデルであると説明する。その典型的な例として紹介されたのが、ThinkPadに実装されたクライアントPC管理機能だ。従来のThinkPadシリーズは、情報システム部においてクライアントPCの一括管理ができる機能を導入していたが、ThinkPad Edge 13”はユーザーによる自主管理を前提とし、クライアント管理ツールと機能を省く代わりに低価格設定を可能にしている。
内藤氏によると、「低価格になって多くのユーザーに安く提供できるようになっても、ThinkPadの信頼を失うことになってはどうにもならない。価格と信頼性をどのように両立させるかが最も大きな課題だった」とThinkPad Edge 13”の開発を振り返っている。
ThinkPad Edge 13”のラインアップは、OSが64ビット版Windows 7 Home Premium、CPUにTurion Neo X2 L625を採用して320GバイトのHDDを搭載する4モデル(01975KJ、01975FJ、019753J、01974XJ)と、OSが32ビット版Windows 7 Professional、CPUにAthlon Neo X2 L325を採用して250GバイトのHDDを搭載する2モデル(01975AJ、019756J)が用意される。Turion X2 L625搭載の4モデルはボディカラー(グロッシー・レッドとグロッシー・ブラック)とMicrosoft Office 2007 Personalの有無が異なるだけで、ハードウェア構成は共通する。
ダイレクト価格は、Microsoft Office 2007 Personalが付属する01975KJと019753Jが9万9792円、付属しない01975FJと01974XJが7万9800円。また、Athlon X2 Neo L325搭載の2モデルは、Microsoft Office 2007 Personalが付属する01975AJのダイレクト価格が9万9750円、付属しない019756Jが同じく7万9800円となる。
それ以外の構成はすべてのモデルで共通だ。チップセットはAMD M780Gで、メモリは標準でPC2-5300(DDR2-667)を2Gバイト搭載する。メモリスロットは2基備えており、最大容量は4Gバイト。液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイドで最大解像度は1366×768ドットになる。本体のインタフェースは3基のUSB 2.0(このうち1基は本体が電源オフでも接続したUSB機器に充電可能なPowered USB)にアナログRGB出力、HDMI、5in1カードリーダー(SDメモリーカード、xDピクチャーカード、MMC、メモリースティック、メモリースティックPROが利用可能)、ギガビット対応の有線LANを用意する。このほか、無線接続として、IEEE 802.11b/g/nとBluetooth 2.1+EDRが利用可能だ。
本体サイズは332(幅)×228(奥行き)×17〜31.3(厚さ)ミリ、重さは4セルバッテリー搭載時で約1.64キロになる。バッテリー駆動時間は約3.4時間になるとみられている。
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