ThinkPad X100eは、11.6型ワイド(最大解像度は1366×768ドット)とThinkPad X200シリーズよりわずかに小さい液晶ディスプレイを搭載したモバイル向けラインアップだ。本体サイズは282(幅)×189(奥行き)×26.5(厚さ)ミリで、重さは約1.5キロ。導入されたOSとOffice 2007の有無で、4つのモデルに分かれる。ハードウェアの仕様は4モデルとも共通だ。
CPUはシングルコアのAthlon Neo MV-40で、チップセットにはAMD RS780を採用する。メモリはPC2-5300(DDR2-667)で、ThinkPad X100eに用意された2基のメモリスロットに標準で1枚の2Gバイトモジュールを組み込んでいる。最大メモリ容量は4Gバイトだ。
本体のインタフェースは、3基のUSB 2.0にアナログRGB出力、4in1カードリーダー(SDメモリーカード、メモリースティック、メモリースティックPRO、MMCが利用可能)、ギガビット対応有線LANが用意されるほか、無線接続ではIEEE 802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを備える。
OSは下位2モデル(287638J、287637J)が32ビット版Windows 7 Home Premium、上位2モデル(28762VJ、28762FJ)が32ビット版Windows 7 Professionalが導入される。287638Jと287637Jはボディカラーの違いのみ(287638Jはアークティック・ホワイト、28637Jはミッドナイト・ブラック。ほかにCTO専用のカラーとしてヒートウェーブ・レッドが用意される)で、そのほかの構成は共通。ダイレクト価格は6万9800円。28762FJの実売予想価格は7万2450円。28762VJはMicrosoft Office Personal 2007が同梱したモデルで、実売予想価格は9万2400円になる。こちらはミッドナイト・ブラックのみが用意される。

ThinkPad X100eの構成と実装された機能。なお、この資料にはAthlon Neo X2 L325とTurion Neo X2 L625も記載されているが、現時点は検討段階で、出荷されるのはAthlon MV-40搭載モデルだけだ(写真=左)。ThinkPad EdgedとX100eに導入された「ドーム形状天面」「3次元ハニカム構造」「厚さを最適化したキーボードとトラックポイント」で、価格を抑えつつ堅牢性能を維持した(写真=右)ThinkPad X100eについて、内藤氏は「大企業が多数導入するためのモデル」と、こちらでも低価格のメリットを訴求する。ただし、ThinkPad Edge 13”と異なり、ThinkPad X100eでは「プロフェッショナルが仕事で使いたいモバイルPC」と述べるなど、ビジネスシーンにおける利用を想定している。
カーボンファイバーを採用できない低価格モデルでも、ビジネス利用に耐えられる堅牢性能を持たせるために、ThinkPad X100e(ThinkPad Edge 13”でも同様に)では、天面にドーム形状を取り入れることで液晶パネルを外部の圧力から保護している。また、本体でも価格を抑えるためにRollCageフレームを廃止する一方で、底面カバーに設けられた開口部に縦壁を設け、キーボード側カバーパネルと接続することで強度を確保した(レノボ・ジャパンは、この方式を3次元ハニカム構造と呼んでいる)。
ThinkPadシリーズで初めて採用されたチクレットタイプのキーボード(同義語としてアイソレーションキーボードという呼び方もあるが、レノボ・ジャパンの資料では“フレーム付きキーボード”と呼んでいる)も本体強度を確保するために導入したと内藤氏は説明する。また、「ThinkPadには必須」というトラックポイントも搭載されるが、液晶パネルへの干渉を避けるため、トップの高さをキートップとそろえるように高さが調整された。

冷却機構ではボディ内部の空気の流れを改善することで、従来のThinkPadと同等の冷却性能を持たせることに成功した(写真=左)。コストを抑えるため、カーボンファイバーやアルミ製のRollCageを使えなかったThinkPad Edge13”とX100eだが、先に紹介した構造の工夫で、大和事業所で行う“拷問”テストをすべてクリアした
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