CPUはグラフィックス機能を統合したAtom N475(1.83GHz)、チップセットはIntel NM10 Expressを搭載する。Atom N475に内蔵されたグラフィックスコアのIntel GMA 3150はDirectX 9.0(Shader Model 2.0)互換で、動画再生支援機能はMPEG-2のハードウェアアクセラレーションに対応する程度となっており、HD動画の再生は難しい。Windows Media Player 12でAVCHDムービー(1280×720ドット/約15Mbps)の再生を試したところ、コマ落ちでまともに視聴できなかった。
メインメモリはPC3-5300(DDR3-667)に対応し、標準で2Gバイトを備えている。底面の小さなカバーを開けると、SO-DIMMスロット(2Gバイトのモジュールが装着ずみ)にアクセスできるが、Atom N475に内蔵されたメモリコントローラが対応するメモリの上限は2Gバイトにとどまるため、増設はできない。
データストレージは320Gバイトの2.5インチSerial ATA HDDを搭載するが、光学ドライブは内蔵しない。この辺りのスペックは、最近のNetbookとしては標準的だ。
プリインストールOSは32ビット版Windows 7 Home Premiumを採用している。多くのNetbookが搭載するWindows 7 Starterでは、半透明効果のWindows Aeroが使えず、壁紙の変更ができないほか、DVD-Video再生、Windows Media Centerなどのマルチメディア機能、タッチパネル関連機能などが省かれている。
Netbookのプラットフォームを採用した基本システムからして、マルチメディア機能やタッチパネル関連機能はそう重要ではないが、Aeroが使えなかったり壁紙の変更ができなかったりする点はやはり物足りない。少しコスト増になっても、Windows 7 Premiumのほうがよいと判断したのだろう。
液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイド、画面の表示解像度はNetbookとしては標準的な1024×600ドット(WSVGA)に対応する。
Windows 7の登場後は1366×768ドットがノートPCの標準的な表示解像度になっており、Netbookでも同解像度に対応した製品が少なくない中で、1024×600ドットの解像度はどうしても狭く感じてしまう。Windows 7標準のアプリケーションを使ったり、設定を行う際にもいちいち下方向へスクロールさせる手間がかかることが多い。通信機能や端子類の充実度に比べると、この表示環境はややアンバランスではないだろうか。
表示品質については、ディスプレイ表面が光沢仕上げなので映り込みは多少あるものの、輝度は高く、鮮やかな表示だ。上下方向の視野角が狭いが、ヒンジの角度は約140度まで開き、安定感もあるため、画面を見やすい角度に調整できる。
発色は少しメリハリがきつめで、階調表現の滑らかさを若干欠く印象がある。画質調整ツールの「Eee Splendid」がプリインストールされており、画質を調整することが可能だが、その点についてはあまり変わらなかった。
液晶ディスプレイのフレーム上部には、30万画素のWebカメラを内蔵している。このWebカメラにも工夫があり、カメラ上部のスライド式スイッチで簡単にオン/オフを切り替えられる仕組みだ。プライバシー保護に配慮し、スイッチがオフの状態ではWebカメラが物理的にカバーで覆われるようになっている。
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