せっかくだからオレは3Dに対応した「Lm-i722E2-3DV」を選ぶぜアレなDVDも“疑似3D”で体験(2/2 ページ)

» 2010年09月10日 11時36分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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「TrueTheater 3D」による疑似3D表示はタイトルに依存する

 動画再生ソフトの「PowerDVD」を起動すると、3D Visionを認識して3D立体視による動画再生が可能であるというメッセージが表示される。PowerDVDにはBlu-ray 3D以外にも、2D映像を疑似3D化する「TrueTheater 3D」が搭載されており、この機能を使って既存のDVDタイトルや動画ファイルを疑似3D化して表示できるようになっている。

 そこで実際に3D Visionを有効にした状態で既存のDVDタイトルをいくつか試してみた。まず、アニメ関連などでは、まったく効果が見られなかったり、かえって見にくくなってしまったりといった状態がほとんどであった。一部、3DのCGが使われているタイトルなどでは、立体視が有効に感じるようなシーンもあったが、期待が大きかったこともあり、疑似3D化の効果としてはやや残念な印象だ。

 せっかくの3D化機能なのに有効に感じられないのも悔しいので、手持ちのありとあらゆるソースを試してみたところ、思いのほか効果を感じられたのが、意外にも(というか期待どおりというか)アダルト系のDVDタイトルだった。TrueTheater 3Dが人肌を判別するようになっているのかは不明だが、奥行き感というか「こんもりと盛り上がった2つの丘」を明確に感じるタイトルもあった。ライター生命をかけてこの感動を記しておきたい(ちなみにタイトル名は伏せておくので、気になる方はいろいろと試して見つけてほしい。また、当然ながら問い合わせにはお答えできません)。

付属する動画再生用のソフト「PowerDVD 9」。3D立体視に対応しているかどうかは下部にある「3D」という文字が白くなっていることで判別できる。TrueTheater 3Dという2Dを疑似3D化する機能を搭載している(画面=左)。NVIDIAの3D Visionを自動的に認識して動画の3D立体視が可能であるというメッセージが表示される。「はい」をクリックすると3D立体視の設定画面が呼び出される(画面=中央)。Blu-ray 3D(BD 3D)に対応しているほか、TrueTheater 3Dの設定が可能だ。ただし、再生するタイトルごとに設定する必要があるのと、3D効果がほとんど見られないタイトルもある。今後のアップデートで改善されることを期待したい(画面=右)

性能的には中庸だが3D Vision対応の魅力は大きい

Windows 7のエクスペリエンスインデックスでは、最高のスコアはCPUの6.9だ。メモリとHDDが5.9、Windows Aeroおよび3Dゲーム用グラフィックスがそれぞれ6.6となっている。ゲーミングモデルとは比べるべくもないが必要十分な性能だ

 さて、いつものように各種ベンチマークを用いて、システムパフォーマンスもチェックしておこう。前述したように、本機は3Dゲームプレイを想定した製品ではなく、あくまで3Dコンテンツの視聴に主眼に置いたモデルのため、それほど高い性能を求められるわけではない。とはいえ、ある程度の性能は確保されていることに越したことはないだろう。

 まずはWindows7のエクスペリエンスインデックスから見ていこう。最高のスコアはCPUの6.9で、メモリとHDDが5.9、Windows Aeroおよび3Dゲーム用グラフィックスがそれぞれ6.6となった。オール7超えといったハイエンドマシンとは比べるべくもないが、Windows 7を快適に操作するだけの十分な性能は確保されている。

 次はおなじみのベンチマークテストだ。計測したのは、いつも通りPCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageで、3Dゲーム系ベンチマークはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版、THE LAST REMNANT体験版&ベンチマーク、そして重いと言われるFINAL FANTASY XIV Official Benchmarkである。また、ゲーム関連のベンチマークに関しては、フルHDでのプレイは厳しいと判断し、フルHD以外に低解像度(1366×768ドット)でも計測した。なお、ゲーム系ベンチの計測時は3D Visionは無効にしている。

 各種ベンチマークの結果を見てみると、DirectX 9世代のゲームなら満足に動かすことも可能だが、DirectX 10ベースや最新のFINAL FANTASY XIVとなると、かなり厳しいのが分かる。負荷の高い3Dゲームをプレイするとなると、(そもそもの製品主旨が違うが)1枚のカードに2つのGPUを搭載するような変則的なグラフィックスカードを別途装着するなどの工夫が必要になるだろう。

PCMark05(画面=左)とPCMarkVantage(画面=右)の結果

3DMark06(画面=左)と3DMarkVantage(画面=右)の結果

LOST PLANET(画面=左)とTHE LAST REMNANT(画面=右)の結果

FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3(画面=左)とFINAL FANTASY XIV Official Benchmark(画面=右)の結果

 総合的に見ても、本機の性能は中の上といった感じだ。ただ、仮に3D Vision非サポートのシステムに後付けで対応させるとなると、テレビより安いとはいえ6〜7万円の追加投資は必要になってくる。一方、本機は初めから3D立体視の利用を視野に入れており、将来的に3Dコンテンツが普及したときにも追加投資なしでそれらを楽しめるというわけだ。そのPCが14万円弱で購入できることを考えると、お買い得感は高いといえる。

 また、システムに高い負荷をかけるベンチマーク中においても、動作音がうるさく感じることもなく、静音性に関しては優秀な部類に入る。ミニタワー型で設置スペースもそれほど取らないので、動画再生用の個人向けシアターPCとしてはうってつけだ。今後登場してくるBlu-ray 3Dタイトルや、手軽に既存DVDの疑似3D立体視を楽しみたい人には是非おすすめしたいモデルだ。

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