Gulftown搭載マシン「MDV-ADG9120X」で“6コア”の威力を体感せよ:12スレッドでぶん回せ(1/2 ページ)

» 2010年03月31日 17時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

コンシューマー向けで最高峰の「Intel Core i7-980X Extreme Edition」

評価機の「MDV-ADG9120X」に搭載されたIntel Core i7-980X Extreme Edition。今後インテルのコンシューマー向けCPUでフラッグシップを担う

 つい先日、サーバ/ワークステーション向けCPUで1パッケージに8/12コアを詰め込んだAMDの新型Opteronが登場し、メニーコアCPUはいよいよオクタコア時代へと突入した。一方、コンシューマー向けCPUでは3月17日に登場した6コアの「Intel Core i7-980X Extreme Edition」(以下、Core i7-980X)が今後のコンシューマー向けCPUの最高峰となる。

 新たに投入されたCore i7-980Xは、これまでフラッグシップであったIntel Core i7-975 Extreme Edition(以下、Core i7-975)の4コア8スレッドから、6コア12スレッド(Hyper-Threadingにより)となったのが大きな特徴で、コア数および同時実行可能なスレッド数が一気に1.5倍に増えている。Core i7-980XはIntel Turbo Boost Technologyに対応しており1コア動作では最大3.6GHz、6コアのフル駆動時は3.33GHzとなる。

 また、CPUコアが2つ増えたため3次キャッシュメモリも2コア分の4Mバイト(2Mバイト×2)増加しCore i7-975の8Mバイトから12Mバイトへと増えている。コア数および3次キャッシュメモリの増加によるダイサイズの大型化が気になるが、High-Kメタルゲートを導入した32ナノ製造プロセスルールによってダイサイズはCore i7-975の263平方ミリから248平方ミリとむしろ小さくなっている。

6コアで同時に実行可能なスレッドが12となったCore i7-980X。CPU-Zで見るとGulftownのコードネームと6コア12スレッド実行のCPUであることが確認できる(画面=左)。3次キャッシュは12Mバイト。1コアごとに2Mバイトの3次キャッシュメモリと考えると6コア=2Mバイト×6=12Mバイトと考えると分かりやすい(画面=右)

 パッケージはLGA1366で、既存のIntel X58 Express搭載マザーでもBIOSアップデートで利用可能だ。また、製造プロセスルールの微細化によってTDPはCore i7-975と同じ130ワットのままであり、Core i7-975搭載マシンなら熱対策を講じることなく載せ換え可能だと思われる。Core i7-980Xの細かい部分の解説は「Core i7-980X Extreme Editionで“6コア12スレッド”の条件を探る」を参照してもらうとして、今回はこの最新CPUをいち早く搭載してきたマウスコンピューターの「MDV-ADG9120X」を紹介しよう。

メインメモリ12Gバイトを有効活用できる64ビット版Windows 7

マウスコンピューターのハイエンドモデル「MDV-ADG9120X」

 今回試用したMDV-ADG9120Xは、同社の販売するMDV ADVANCE Gシリーズの中でもハイスペック構成と呼ばれるハイエンドユーザー向けのモデルとなる。そのため基本構成で用意されるOSは64ビット版のWindows 7 Professionalだ(BTOでUltimateも選択可)。64ビット版のWindows 7は、32ビット版のようにメインメモリを4Gバイト以上搭載しても3Gバイトちょっとしか利用できないということはなく、搭載した容量を余すことなく利用できるメリットがある。重い処理をバリバリ行うことが可能なわけだ。

 MDV-ADG9120Xに搭載されるメインメモリは、標準で12Gバイトと十分過ぎるほどだ。6つあるメモリスロットに2Gバイトのメモリモジュールが6枚装着されている(4Gバイトの3チャネル構成)。試用したマシンに装着されていたメモリモジュール自体はDDR3-1333(Kingston製、PC3-10600)であったが、533MHz駆動のPC3-8500相当での動作となる(メインメモリは最大で24Gバイトまで搭載可能)。標準の12Gバイトでもほぼすべての用途で十分すぎるほどだが、メモリスロットに空きがないため、最大容量まで搭載したい場合は既存の2Gバイトメモリモジュール6枚を4Gバイトモジュール6枚に丸ごと交換する必要がある。

Intel X58 Expressチップセットを搭載したMSI製マザーボードを採用

Intel X58 Expressチップセットを搭載するMSI製マザーボードを採用する

 MDV-ADG9120Xに搭載されているマザーボードは、一見するとMSIの「X58 Pro-E」だ。CPU-Zでは「MCJ MSI X58 Pro-E」と表示されるので同社向けに若干のカスタマイズを施したバージョンであると思われる。

 マザーのCPUソケットはLGA1366で、チップセットはIntel X58 ExpressにICH10Rが組み合わされる。これにオーディオチップとしてRealtekの「ALC889」、パラレルATAおよびSATA増設用にJMicronの「JMB363」、1000BASE-T対応の有線LAN向けにRealtekの「RTL8111C」、IEEE1394a用にJMicronの「JMB381」を搭載する。サウンドチップのALC889は24ビット/192kHzの再生をサポートしているので標準搭載される10倍速Blu-rayドライブを使ってBlu-rayディスクの各種タイトルを高品位で再生することが可能だ。

 SATAポートはICH10Rの6ポートに加え、先述したJMB363の1ポートと合わせ計7ポートが用意されている。出荷時点でHDDと10倍速Blu-rayドライブに2ポートを消費しているが、5ポート残っているのでSATA機器の増設で困ることはない。RAIDを組めるICH10RなのでRAID0/1/0+1といった構成も可能だ。

CPU-Zで確認したマザーボード情報。「MCJ MSI X58 Pro-E」と表示されているようにマウスコンピューター(MCJ)向けにカスタマイズされたものであると考えられる。BIOSは3月5日とかなり新しい(画面=左)。装着されていたメモリモジュールはDDR-1333(PC3-10600)のDDR3メモリだった(画面=中央)。ただし、実際の動作は534.7MHzとPC3-8500相当となっている(画面=右)

 インタフェースとしては、背面のI/Oパネル部に6ポートのUSB 2.0、JMB363からのeSATAが1ポート、JMB381を使った6ピンのIEEE1394aポート×1、RTL8111Cを使ったギガビットLAN×1、ALC889からの8チャンネルオーディオ用ジャックと光デジタル音声出力、PS/2(マウス/キーボード各1)が並ぶ。本体前面側にUSB 2.0×2ポートに加え、マイクとヘッドフォンジャックといった構成だ。これだけあればインタフェース類に不足を感じることはないだろう。

同社おなじみのミドルタワーケースに80Plus電源を搭載

 MDV-ADG9120Xのケースは、同社のMDV ADVANCE Gシリーズで共通のものだ。4つの5インチベイと、2つの3.5インチベイに加え、ケース内部に4台までのHDDを装着できる専用ベイが設けられている。標準構成では容量1テラバイトのHDD(7200rpm)となるが、BTOでSSD構成にすることも可能だ。3.5インチベイと専用ベイを合わせれば最大で6台までのHDDを搭載できる。

 また、電源はサイズの「鎌力4」750ワットモデルを搭載する。性能的にも80Plusと高い変換効率を誇る電源で、SLIやCrossFire X構成にも対応する。加えてSATA用の電源コネクタ(10個)やグラフィックスカード用の電源コネクタ(4個)と豊富に用意されているので、増設時に電源の変換コネクタや分岐コネクタを利用する必要がないのもうれしい。

本体前面/背面/左側面

 ケース内部のスペースにも余裕があり、メンテナンスや機器増設時にケース内部へのアクセスは楽に行える。大口径のCPUファンやスロット1段分を占めるGPU冷却ファン、本体背面のファンと、騒音源となるファンが3つ搭載されているのでノイズが気になるところだが、通常での利用なら気になるような音はせず非常に静かだった。ただし、CPUとGPUに高い負荷がかかるベンチマークテストや3Dゲームをプレイするような場合、うるさいと感じることはないもののそれなりの音は発生する。もっとも、むしろハイスペックな割には意外と静かだな、という印象が強かった。

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