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» 2010年09月24日 11時00分 公開

牧ノブユキの「ワークアラウンド」:クレーマー!自爆しろ!! (2/2)

[牧ノブユキ,ITmedia]
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製品勉強会に熱心な量販店とそうでない量販店

 こうした取り組みは販売店レベルでも行っている。ある大手家電量販店は、定番製品だけを大量に売りさばくことを最優先にしている。店頭の品ぞろえは少なく、あれこれ比較しようにも競合製品が置かれていないことも少なくない。「ややこしくて危ない製品を扱うより、売りやすい製品をたくさん売る」という考えだ。大量一括で仕入れをすれば、メーカーに対して値引きや協賛金も要求できて一石二鳥。ただし、客に製品選びの楽しみはない。

 この量販店の店員に対してメーカーが製品勉強会を開催しても、質問がほとんど出ない。決められた製品だけを売っていればいいので、ほかの製品の知識を得る必要はなく、結果的に質問が出ないことになる。この量販店は長時間労働で知られているので「定時外の勉強会に熱が入らないのも無理はない」という同情的な意見もあるが、「ここで勉強会をやっても出席率が悪く、売上も伸びない」という声は、複数のメーカーの担当者から聞かれる。

 その一方で、多品種小量の販売施策を取っている大手家電量販店では、メーカーが勉強会を行うと、多くの質問がでるだけでなく、店側が勉強会の開催を要望することも多いという。

 この話で盛り上がった席で、「買い手にとってどの店がいいのだろう」となったが、結論としては、すでに購入する製品が決まっているのであれば「前者」の量販店、店員に相談して決めるのであれば多少遠距離であっても「後者」の量販店がいいだろう、となった。

量販店の人事異動はクレーマー対策の一環

 量販店の店員というのは、一定の間隔で店舗間の異動を繰り返すパターンが多い。新宿店のフロア長が異動で渋谷店の副店長になり、その次は池袋店の店長と、多くの場合で異動しながら出世していく。これとは別に、身分は変わらずにあちこちの店舗を行ったり来たりというパターンもある。専門性が求められる家電量販店であるが。部門間の異動もしばしばある。

 店舗間の異動が多いのは、経験を積ませるためだったり、同じ店舗の仲間の一人だけ役職が上がったときに周囲が気を使わずに済ませるためだったりするが、クレーマー対策というケースもある。量販店の店員は名札をつけているので、接客時に指名買いしてもらえるメリットがある一方、クレーマーに名前を覚えられ、来店のたびに付け回され、ネチネチと仕事を邪魔される危険性もある。

 幸い、異なる店舗まで店員を追いかけ回すクレーマーは少ない。そのため、店舗間でスタッフをローテーションさせることによって、クレーマーが特定の店員に粘着するリスクを回避している。なじみと思っていた店員が急な異動でいなくなっていたら、自分の行動に問題がなかったかどうか振り返ってみたほうがいいかもしれない。

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