なお、基本通信量は5Gバイトまで/以降2Gバイトごとに2625円加算とするデータ量制限は、一部データ通信量が多大なユーザーと一般ユーザーの利用格差を解消するための施策として行うもの(ただし、2012年4月30日までのキャンペーン期間中は制限なし)。現時点ではFOMA契約者の99.6%が5Gバイト以内で収まっており、多くのユーザーは影響がない──ということで設定された値とのことだ。「ただ、圧倒的に高速・大容量・低遅延が特徴のXiだけに、その割合はユーザーが増えるにつれて減ってくる(5Gバイト以上通信する一般ユーザーは増える)とも思う。今後のニーズやユーザーの利用状況に応じて考慮していきたい」(NTTドコモの山田社長)。
ちなみに、FOMAハイスピードの定額データプランで実施していたポート(アプリケーション/サイト)制限は、Xiでは施されない。一部ストリーミング動画サイトや、インスタントメッセージングソフト、SkypeなどのVoIPアプリケーション、PC向けオンラインゲームなど、今まで制限されていたものも、Xi契約においては自由に利用できるようになるようだ。こちらはXiエリア外で利用する既存のFOMAハイスピード通信時も同様とのこと。この点は、既存のFOMA定額データプランユーザーがXiに乗り換えたくなるポイントの1つになりそうではある。
なお、多量通信利用者に対する通信速度制限の条件は既存サービスに順じる仕組みで、“利用当日を含む直近3日間で、300万パケット以上の利用があった場合”、混雑時の通信速度をほかのユーザーより抑える規制が入る。
当初の通信速度は、一部の屋内エリアで下り最大75Mbps/上り最大25Mbps、屋外エリアは下り最大37.5Mbps/下り最大12.5Mbps。Xiエリア外では3GのFOMA網(および海外ローミングによる3G、GSM)によるデータ通信も利用できる(下り最大7.2Mbps/上り最大5.7Mbps)。サービスエリアは、2010年度内に東京・名古屋・大阪地区(約1000局/人口カバー率7%)、2011年度内に県庁所在地級の都市(約5000局)、2012年度内に全国主要都市(約1万5000局)までの拡充を目指すという。最大速度が向上する“一部の屋内エリア”とは、屋内基地局を設置した屋内施設(商業ビルや駅、公共施設など)を示し、通信利用者のニーズに応じて対応エリアを拡充していく。エリア拡充に応じて、この高速屋内エリアとなるスポット情報も順次公開していくようだ。
Xi対応端末は、USB接続型の「L-02C」(2010年12月24日発売)とExpressCard/34接続型の「F-06C」(2010年4月発売予定)とともに、2011年早期にXi対応のポータブル無線LANルータ機器を投入する計画だ。
Xi端末は、PCからはモデムに加えてネットワークアダプタとしても認識するのが今までのFOMAデータ通信端末と異なる。モデム機器としては、従来通り「*99***1#」など、設定したAPNでのダイヤルアップ接続が可能(接続制御ツールも付属)。ネットワークアダプタとしては、モバイルWiMAX端末や無線LAN利用時のように、起動→自動接続を制御できるようになる。
SIMカードはXi契約専用の「ドコモUIMカード」を用いる。USB接続型のL-02Cは、未使用時はUSB端子のカバーとなる部分を90度折ってPCとUSB接続する仕様で、先端と、このカバー部に(MIMO)アンテナを内蔵する。L-02Cも、F-06Cも、PCの側面端子に接続すると約5センチほど出っ張るため、常時差しっぱなしでの運用には向かない。L-02Cのカバーが開く向きは1方向のため、USB端子の向きが逆さであったり、スペースが足りず直付けできないシーンも想定し、USB延長ケーブル、およびUSB延長ケーブルとともにPCのディスプレイに掛けるようPCへ設置できるホルダーを同梱する。
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