「Pocket WiFi S(S31HW)」は、完全なSIMロックフリー端末だ。
国内のイー・モバイル3G通信で用いる1700MHz帯以外に、W-CDMA 2100MHz帯、かつGSM 850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz帯に対応し、W-CDMA方式を採用する国内他キャリア(NTTドコモとソフトバンクモバイル、およびそのMVNO)契約のSIMカードや、対応周波数帯を用いる海外キャリアのSIMカードもAPN(Access Point Name)の設定を行うことで利用できる(Pocket WiFiもW-CDMA 1700MHz/2100MHz帯に対応していたが、国内利用においてはイー・モバイル網しか使えない制限があった)。
イー・モバイル通信用のAPNは標準で登録済みだが、それ以外のSIMカードを利用するには、通信のためのAPNを各自手動で設定する。Android標準メニューの設定→APN設定より入力できる。
| 他社のAPN設定例 | NTTドコモ(定額データプラン/mopera U) | 日本通信(b-mobileSIM U300) |
|---|---|---|
| APN | mopera.flat.foma.ne.jp | dm.jplat.net |
| ID | (mopera UのID) | bmobile@u300 |
| パスワード | (mopera Uのパスワード) | bmobile |
| 認証方式 | CHAP | |
| DNS | 自動 | |
SIMカードを入れ替え、使用ネットワークを切り替えることであっけなく国内他社のSIMカードを使用できた。これは、海外でプリペイドSIMカードを購入して安価にデータ通信を行う場合にも応用できるので、海外渡航の予定がある人は「海外プリペイドSIM導入マニュアル」も併読願いたい。なお、今回はデータ通信契約のSIMカードを用いたので通話までは試せなかった。通話については今後検証したい。


利用するサービスに応じたAPNを新規登録することで、他社のSIMカードも利用できる。写真中央と右は、日本通信「b-mobileSIM U300」を使用した例。b-mobileSIM U300はFOMA網を使用するため、“NTT DoCoMo”とロック画面に表示された各SIMカードを使用した通信速度の参考値は以下の通り。測定場所と時間帯が限られるため、あくまで参考値として見てほしい。なお、イー・モバイルの電波状況は本機でのアンテナ表示5本中2本と、残念ながらそれほどよい場所でない点も考慮願いたい。


Pocket WiFi Sのテザリングを使用したiPhone 4(IEEE802.11g接続)で計測:左からイー・モバイル、b-mobileSIM U300、NTTドコモ定額データプラン+mopera U

Pocket WiFi Sのテザリングを使用したWindows 7 搭載PC(IEEE802.11g接続)で計測:左からイー・モバイルSIM、b-mobileSIM U300、NTTドコモ定額データプラン+mopera U(続く)
明日は「Pocket WiFi Sのバッテリーはどのくらい持つか」についてを検証する予定です。
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