“Sandy Bridge”でどこまで変わった?――新型「13インチMacBook Pro」の実力:驚異のコスパ(1/2 ページ)

» 2011年03月11日 10時30分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]

アーキテクチャの世代を飛び越えて大幅にバージョンアップ

13インチMacBook Pro

 アップルが2月25日に発表した新型「MacBook Pro」は、既報の通り全モデルで“Sandy Bridge”こと第2世代Core iシリーズを採用している。特に13インチモデルは、アーキテクチャの世代的にみると、Penryn(開発コード名)からArrandale(開発コード名)を飛び越えてSandy Bridge世代に移行したため、大幅なシステム性能の向上が期待できる。

 新設されたThunderboltポートのロゴを除くと外見的にはまったく同じだが、中身はまるで別物と考えたほうがいいだろう。ここでは主にハードウェア面の変更からどれだけ性能がアップしたのか、またスペック表記上では短くなったバッテリー駆動時間が本当に“旧モデルと同じ”なのかを、おなじみのベンチマークテストによって明らかにしてく。

Light Peakの開発コード名で知られるインテルの次世代インタフェース「Thunderbolt」を初採用した

 ただし、今回は残念ながらThunderboltに対応する周辺機器が入手できなかったため、転送速度の実測値などは計測していない。Thunderboltは、次世代インタフェースとして注目されるUSB 3.0と比べて、さらに2倍(10Gbps)の転送速度を持ち、MacBook Proの性能を生かす動画編集などを行う際でも、大容量の外付けストレージからストレスのない速さで直接リアルタイム編集が行える。また、仮にThunderboltの普及に時間がかかったとしても、これまで同様にMini DisplayPortとして利用できるのでデメリットは何もない。アップルの担当者によれば、サードパーティ製のThunderbolt対応機器は4月ごろから市場に投入されていくだろうと話しており、今すぐ恩恵があるわけではないものの、将来的に楽しみだ。

液晶ディスプレイはLEDバックライト付きの光沢仕様で、1280×800ドット表示の13.3型ワイドパネルだ(写真=左)。キーボードバックライトが埋め込まれた“Pro”の特徴は引き継いでいる。マルチタッチ操作に対応するガラス製トラックパッドも従来通り(写真=右)

 なお、今やおなじみの「アルミユニボディ」から見えてくる、同社のモノ作りに対する姿勢や思想について知りたい方は、是非、林信行氏のコラム(新型「MacBook Pro」を眺めて思う本当のすごさ )を一読してほしい。それでは各種ベンチマークテストを通して、新型13インチMacBook Proの性能を見ていこう。

本体前面/背面。アルミから削り出したユニボディデザインを踏襲している

本体左側面/右側面。左側面に各種コネクタが並び、右側面に光学ドライブを搭載する

Penrynから一足飛びにSandy Bridgeへ――CPU性能はどこまで向上した?

2.3GHzのCore i5を搭載する

 今回評価する最廉価モデルの「MC700J/A」は、CPUに2.3GHz動作のCore i5(3Mバイト3次キャッシュ)を搭載している。デュアルコア/クアッドコアのCore i7を採用する上位モデルに比べて、CPUのランクが1段下がる印象はあるものの、1コアにつき同時に2つのスレッドを実行できるHyper-Threading Technologyもサポートしており、旧MacBook Proの2.4GHz Core 2 Duoに比べて性能が向上しているのは間違いない。

 その一方で、13インチモデルのグラフィックス機能は、チップセットがIntel HM65 Expressに変更されたことに伴い、従来のNVIDIA GeForce 320MからCPU統合型のIntel HD Graphics 3000を使う仕様に改められた。15/17インチモデルは、外部GPUをNVIDIA GeForce GT 330MからAMD Radeon HD 6490M/6750Mに強化して「最大3倍の性能アップ」をうたっているが、この点について13インチモデルには触れていない。製品説明会では「ほぼ同じくらい」との回答だったが、実際どうなのか気になるところだ。

BootCampでWindows 7導入後、CPU-Zを実行した画面

 まずはMac OS X上で、CINEBENCH R10とiTunesで音楽/動画ファイルのエンコードにかかる時間を測定した。ここでは比較対象として、旧13インチMacBook Pro(MC374J/A)と、旧15インチMacBook Pro(MC373J/A)を並べている。主な仕様は以下の通りだ。

型番 新型13インチ(MC700J/A) 旧型13インチ(MC374J/A) 旧型15インチ(MC373J/A)
CPU 2.3GHz Core i5 2.4GHz Core 2 Duo 2.66GHz Core i7
アーキテクチャ Sandy Bridge Penryn Arrandale
コア数/スレッド数 2コア/4スレッド 2コア 2コア/4スレッド
GPU Intel HD Graphics 3000 NVIDIA GeForce 320M NVIDIA GeForce GT 330M
メモリ 4GB(1333MHz DDR3) 4GB(1066MHz DDR3) 4GB(1066MHz DDR3)
HDD 320GB 250GB 500GB
価格(発売時) 10万8800円 9万4800円 20万8800円

CINEBENCH R10(画面=左)とiTunes変換テスト(画面=右)の結果

 CINEBENCH R10の結果は、すべてのスコアで新型のMC700J/Aが上回った。特にMultiple CPUのスコアは、Arrandale世代のデュアルコアCore i7を搭載する旧15インチMacBook Proとほぼ横並びの結果で、旧13インチモデルに比べて約58%の向上と、CPU性能が大幅に引き上げられているのが分かる。また、再生時間1分のQuickTimeファイルを「iPod/iPhone用」に変換する際に要した時間は49.8秒、再生時間10分のAppleロスレスファイルをAACに変換する処理も14.3秒で終えており、旧15インチMacBook Proよりも良好な結果となった。

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