LANパーティーに集まるPCゲーマーにとって、「見た目で相手を威圧する」というのは、戦いの重要な第一歩である。その心意気は、およそ、白兵戦にはぜんぜん向いていないと思えるほどに派手は装飾を武具に施した戦国時代の武将に通じるものがある。日本で「え、これ誰が使うの? 何の意味があるの?」といわれてしまうど派手な形やカラーリングを施したPCケースの数々も、「見るものを威圧する」ためのものだ。
そういう流れでAlienware M18xをみると、天板中央の上寄りに取り付けた「肖像」や、曲線で構成した正面のインテーク造形は、評価機のカラーバリエーションである「ネブラ・レッド」の天板とあわせて上品にも思える。液晶ディスプレイを閉じたときに横から見ると、正面と背面が傾斜した「平行四辺形」になるのは、“前傾姿勢”で注目されたデルのハイエンドデスクトップPCで、Alienwareの水冷空冷ハイブリッドクーラーユニット「H2O」を採用した「XPS 600」、「XPS 700」シリーズを思わせる。
キーボードと正面左右にあるインテークのイルミネーションは、これまでのAlienwareノートPCシリーズと同様だ。キーボードの左、中央、右とテンキー、タッチパッドの回り、キーボード右上の機能ボタン、キーボード左側にあって、Alienware M18xから導入されたプログラマブルボタン「マクロキー」、電源ボタン、ステータスランプ、そして、正面のインテークのそれぞれに異なる色と点滅パターンを設定できる。このイルミネーション設定を行う「AlienFX」をはじめとして、ノートPCの電源管理の「AlienFusion」、タッチパッド感度設定の「AlienTouch」、そして、新しく設けられたマクロキー設定の「MacroKeys」は、「Alienware Command Center」から一括して呼び出せる。
その、Alienware M18xで見た目が一番派手なキーボードは、キーピッチが実測で約19ミリ、キートップサイズが横18ミリ縦18.5ミリと、余裕のあるサイズをほとんどのキーで均等に確保している。押下した力をしっかりと支えてくれて、キーのぐらつきもないが、キータッチはやわらかく、ちょっと強打するとキーボードがしなってしまったりもする。
しかし、Alienware M18xにとってキーボードは文章を入力するためのデバイスではない。これは、戦闘機や戦車、そして、ロボットやキャラクターを操作する「操縦卓」に過ぎないのだ。長い文章を入力してストレスがたまらないことより、キーの識別が瞬時に確実に行えることが重要になる。そういう意味で、太いフォントで記されたキートップの刻印と白いラインで記されたキーのふちどりは、ゲーマーのすばやい操作を可能にしてくれる。
キーのレイアウトで、ESCキーやTABキー、CTRLキーの左脇にマクロキーがあることで、「打ち間違いが起こりやすい」と難色を示すノートPCユーザーがいるかもしれない。空間を設けているもの、評価作業中にも打ち間違い、特にESCキーをたたくつもりでマクロキーの一番上をたたいてしまうことがよく起きた。しかし、これも、ゲームの操作性を向上させることを思えば致命的なことではない。
このマクロキーのエリアには6個のキーが縦に並んでいるが、一番上のキーはモード切り替えキーで、その下に並ぶ5個のキーの割り当てられたマクロを3パターンで切り替えることができる。5個の割り当てキーには、それぞれに、1文字分のキー入力、複数のキー入力を指定できるマクロ、事前に用意されたアプリケーションのラウンチャー、ショートカット、テキストを設定できる。5つ割り当てたコマンドを3パターンで切り替えられるので、ゲームタイトルごと、または、利用場面ごとにコマンドの組み合わせを使い分けることが可能だ。
マクロを新規に設定するときは、「マクロマネージャー」が起動して、入力したキーの押し下げと戻りを記録して登録が可能だ。なお、キーの押し下げは2つのキーまで同時に認識できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.