Alienwareは常に「宇宙最強」というキーワードをユーザーに訴求する。その言葉にたがわず、評価機のCPUは、“Sandy Bridge”世代のモバイル向けCore iシリーズで最上位モデルとなる「Core i7-2920XM」(2.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.5GHz)を搭載するだけでなく、GPUも、AMDのモバイル向けラインアップの最上位モデル「Radeon HD 6970M」の2基掛けによるCrossFireXを構成していた。現時点で考えられる最高級のCPUとGPUの組み合わせを採用していることになる。
なお、BTOでは、CPUにCore i7-2820QM(2.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.4GHz)、Core i7-2720QM(2.2GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.3GHz)という“Sandy Bridge”世代のクアッドコアモデルを用意し、GPUでもGeForce GTX 460M(グラフィックスメモリはGDDR5を1.5Gバイト)の単体構成のほか、GeForce GTX 460Mによる2way SLI構成、そして、NVIDIAのモバイル向けGPUで最新、かつ、最上位モデルとなるGeForce GTX 580M搭載モデルもNVIDIAから予告されている。
最高級のクアッドコア高クロックCPUを搭載し、最強GPUの双発構成を内蔵するだけあって、その発熱は猛烈なことになりそうだ。しかし、Alienware M18xで、重量級のベンチマークテストを長時間走らせてもユーザーはほとんど熱さを感じない。キーボード面もパームレストパネルもアイドル時とほとんど変わらない。ただ、アルミパネルを用いたキーボード上部の機能ボタンのあるエリアは相当に熱くなっている。
これは、Alienware M18xの冷却機構が、正面のインテークから大量の外気を取り込んでそのまま内部の熱とともに背面の排気口から思いっきり排出するという仕組みで動いているおかげだ。それゆえ、正面にいるユーザーは、CPUとGPUが発する熱の影響をほとんど受けないが、背面にいる他人にはモロに熱風が吹き付けるという、味方にやさしく味方以外には厳しく接するAlienwareの心意気がよく表れている。

バッテリーベイとHDDベイがある正面から外気を取り入れたら背面にある3基のファンで背面から猛烈に排気する。ユーザーはほとんど熱を感じないで済むが、背面の排気口付近はかなり高熱になるので注意したい(写真=左)。底面にはメタルプレートが貼り付けてあり、オプションでユーザー名をレーザーで刻印するサービスがある(写真=右)宇宙最強という性能をベンチマークテストで検証した結果を以下の表に掲げる。量産前の試作機であることと、走らせたベンチマークテストの種類が異なること、構成と価格帯が相当するモデルがないということもあって、グラフで比較するということはしていないが、PC USERに最近レビューが掲載されたASUSのG53Jwが同じゲーミングノートPCとして参考になるだろう。
| ベンチマークテスト項目 | Alienware M18x | ||
|---|---|---|---|
| PCMark7 | PCMarks | 3629 | |
| lightweight | 2851 | ||
| productivity | 2422 | ||
| creativity | 3940 | ||
| entertainment | 3799 | ||
| computation | 5090 | ||
| system_storage | 2671 | ||
| PCMarkVantage | PCMarks | 9911 | |
| Memories | 6798 | ||
| TV and Movies | 5870 | ||
| Gaming | 13623 | ||
| Music | 12350 | ||
| Communications | 12296 | ||
| Productivity | 9006 | ||
| HDD | 7478 | ||
| CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 72.97 | |
| CPU | 6.61 | ||
| 3DMarkVantage | 3DMark Vantage:3DMarks | Peformance | 20595 |
| High | 14209 | ||
| 3DMark Vantage:Graphics Score | Peformance | 20045 | |
| High | 13328 | ||
| 3DMark Vantage:CPU Score | Peformance | 22443 | |
| High | 22720 | ||
| 3DMark11 | 3DMarks | Entry | 8076 |
| Performance | 5650 | ||
| Extreme | 1920 | ||
| Graphics | Entry | 8989 | |
| Performance | 5539 | ||
| Extreme | 1741 | ||
| Physics | Entry | 7323 | |
| Performance | 7419 | ||
| Extreme | 7433 | ||
| Combined | Entry | 5367 | |
| Performance | 4680 | ||
| Extreme | 2093 | ||
| The Last Remnant | DirectX 11 | 1280×720ドット | 233.13 |
| 1600×900ドット | 195.81 | ||
| 1920×1080ドット | 154.66 | ||
| Unigine Heven | DX11、Excelent、4AA8Aniso | 1280×720ドット | 34.3 |
| 1600×900ドット | 29.1 | ||
| 1920×1080ドット | 24.9 | ||
最新で最上位モデルのCPUを乗せ、ハイエンドのGPUでCrossFireXを構成するAllienware M18xの性能は、最新のゲームであってもなんら恐れることはない。せっかくの18.4型ワイドという大型の液晶ディスプレイを載せて1920×1080ドットという解像度が表示できるのだから、画面設定もそれに合わせてしまいたい。
ただ、それはCrossFireXに最適化されたゲームタイトルという条件付きになるだろう。CrossFireXの最適化も含めて、ゲーミングPCでは、ドライバの更新が欠かせない。しかし、公式にはデルが供給するドライバだけを適用することしか許されないAlienwareシリーズであるので、デルにはGPUベンダーのアップデートにあわせたドライバの提供を期待したい。
Alienware M18xのデザインとサイズ、ちょっと品のあるカラーリングや天板の質感は、評価機構成で約34万9980円という価格は、戦う相手をいろいろな意味で圧倒するはずだ。
→「Alienware M18x」をデル公式サイトで購入する
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