NEXTGEAR-MICROシリーズ全体で使われているケースはかなり優秀だ。エアフローを徹底的に考慮して作られているため、ハイエンドGPUと130ワットという高いTDPのCPUを搭載していても冷却に不安を感じることはない。フロント側に吸気用の大口径ファンを2基搭載しており、大量の空気を吸い込んで各部を冷却し、温かくなった空気を背面側のファンで排気させている。本体側面もメッシュ構造になっているので空気の通りスムーズでムダがない。
im820PA1は、水冷システムではないものの、大口径の冷却ファンのおかげで静音性も非常に高い。起動時特有の“HDDのカリカリ音”と、ベンチマークテスト実行時にグラフィックスカードのファンの回転音が少し気になるくらいだ。高TDPのCPUを搭載しながらも通常の利用であれば、ファンノイズに悩まされることはまずないだろう。
また、メッシュ構造を多用しているので、ケース本体が非常に軽く仕上がっており、ちょっとした場所の移動なら楽に行える。男性であればサイドカバーを外した状態でPC本体を両膝の上に置いてメンテナンスするといったことも可能だ(筆者のケース内部チェックは、実際そうして行った)。小柄なケースながら内部は広々としており、各部へのアクセスも楽々行える。700ワット80PLUSの電源は本体下部に設置され、その上にmicro ATX仕様のマザーが乗っかるレイアウトだ。3.5インチベイは簡単にHDDが着脱可能になっているなど、総合的に見てメンテナンス性の高いケースである。
ここまでim820PA1のスペックを紹介してきた。最上位モデルではないミドルレンジモデルのパフォーマンスがどの程度の性能を出すのか、いつものようにベンチマークソフトをぶん回してみよう。
計測したベンチマークソフトはPCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantage、3DMark 11に、ゲーム系ではFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkといったおなじみのソフトだ。3DMark 11に関しては「Entry」「Performance(標準)」「Extreme」の3種類を計測している。
まずはWindows 7のエクスペリエンスインデックスから見てみよう。結果はCPUのスコアが7.8、グラフィックススコアはデスクトップと3Dゲームともに7.9、メモリが7.9でHDDの数値が5.9となっている。最上位ではないものの、さすがハイエンドCPUである。エクスペリエンスインデックスの最高値に近いスコアを簡単に叩きだした。実際、Windows 7の動作は軽快で、まったく問題を感じることはない。静音性も高いので十分以上の性能だと言える。
次に各種ベンチマークテストの結果を見ていこう。こちらも高いスコアのオンパレードだ。DirectX 11のパフォーマンスを見る3DMark 11は、Performance設定だけでなくExtremeでの計測が体感できるほどスムーズな動作であった。最新のDirectX 11対応ゲームが登場してきてもフルHD解像度でも存分にプレイ可能だと思われる。
また、FF系のベンチはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではLOW設定が余裕の1万2000超え、HIGH設定でも1万を超え、“重い”と言われるFINAL FANTASY XIV Official BenchmarkのHIGH設定ですら6000弱となった。現状で提供されている3Dゲームをプレイするのに何ら問題はないだろう。TERAやC9といった3D描画で詳細設定が可能なMMOで各種グラフィックス効果を有効にしても問題なくプレイ可能だと思われる。
現状のコンシューマ向けで、2011ピンに対応しているCPUは、今回登場したSandyBridge-Eの2モデルだけだ。最上位モデルは、CPU単体でも9万円近くと高価なので気軽に手が出せるものではないが、ミドルレンジの3930Kを搭載する「NEXTGEAR-MICRO im820PA1」も、2011年を締めくくるのにふさわしい、非常に高い性能を備えている。
4〜5年先まで使い続けたいマシンを探している人や、(あくまでも自己責任になるが)オーバークロックを狙いたい、という人に是非オススメしたいマシンだ。
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