パソコンと“ドデカ液晶”のセットをできるだけ安く手に入れろ!OSの価格を考えるとこわい(1/2 ページ)

» 2011年11月02日 17時26分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

27型ワイドのドデカ液晶に“オマケのPC”がついて6万円以下!?

 マウスコンピューターは、iiyamaブランドの液晶ディスプレイとPC本体をセットにしたお買い得な製品ラインアップを用意している。その中でも、LUV MACHINES Slimシリーズ「Lm-iS610E-P27L」(以下、Lm-iS610E)は、「スリムデスクトップと27型フルHD液晶をセットにして6万円を切る」という非常に分かりやすい特徴を持つ。あまりにもインパクトがあるため、「液晶ディスプレイを買うとスリムPCがオマケでついてくる」と受け取ってしまう人がいるかもしれない。

 セットになるのはiiyamaの「ProLite E2773HDS」だ。1920×1080ドット表示に対応し、入力系統はHDMI/DVI-D/アナログRGBの3系統を装備するうえ、スピーカーも内蔵。バックライトに白色LEDを採用したことで消費電力も低い。画素ピッチは0.311ミリ、応答速度は3.4msとまずまずで、輝度は300カンデラ/平方メートル、コントラスト比が通常表示で1200:1、動画再生に向くACR(Advanced Contrast Ratio)機能を有効にすると5000万:1というハイコントラストになる。

「Lm-iS610E-P27L」に付属するiiyamaの27型ワイド液晶「ProLite E2773HDS」。HDMI/DVI-D/アナログRGBの3系統入力を装備し、スピーカーも内蔵する

1920×1080ドットのフルHD表示に対応する。表示品質は期待以上で、輝度も十分に高い。6万円を切るPCとセットになった液晶ディスプレイとは思えない

 このように、かなり優秀な液晶ディスプレイと組み合わされるため、PC本体のほうがむしろ「オマケなんだから低スペマシンだろ?」と思ってしまいそうだ。確かに、トータル金額が6万円とすると、27型ワイド液晶が2.5〜3万円前後なので、PC本体の価格も3万円程度(しかもOS込みの価格である)。この価格帯のPCとなると、CPUはインテル製ならCeleron/Pentiumクラスでメインメモリも2GバイトとWindows 7がギリギリ動くスペックになっていることが多い。

 こう考えていくと、Lm-iS610Eのスペックにはあまり期待できなそうだが、そこはさすがのマウスコンピューターである。例えば、CPUは標準でCore i3-2100(3.1GHz)とかなりがんばっているし、メインメモリも4Gバイト搭載し、64ビット版のWindows 7を満足に動作できるだけの容量を確保している。単純に価格的なインパクトだけで勝負ができるマシンだが、ここではLm-iS610E本体も詳しく見ていこう。

薄型のスリムタワーはタテにもヨコにも設置できる

スリムデスクトップPC「Lm-iS610E」

 Lm-iS610Eはスリムタワー型なので、タテ置きとヨコ置きの両方が可能だ。ケースがコンパクトなため本体内部のスペースが気になるが、拡張スロットはすべて空いており、余計なパーツ類がゴテゴテと装着されていないためすっきりしている。フロント側に装着されている吸気用のファンは、PC起動時に勢いよく回転するものの、通常利用時に騒音が気になることはほとんどない。

 前述したように、標準で搭載するCPUはSandy Bridge世代のCore i3-2100(3.10GHz)である。エントリー向けのCPUではあるが、CeleronやPentiumに比べればパフォーマンスは高い。CPUのコア数は2、Hyper-Threadingによって4スレッドの同時実行が可能だ。なおTurboBoostによるクロックアップには対応していない。

本体内部は非常にすっきりとしている

 スリムな本体サイズにあわせて、micro ATX仕様のマザーボードが採用されている。評価機にはECSの「H61H2-M5 v:1.0」が搭載されていた。同じモデルも市販で販売されているが、CPU-Zで「MCJ.Co,Ltd.」という表記が確認できるので、市販品をベースにマウスコンピューター向けにカスタマイズされていると見ていいだろう。

 メインメモリは標準ではDDR3-1066(PC3-10600)の4Gバイトモジュールが2スロットのうちの1つに1枚装着されている。8Gバイトモジュールを2枚差せば最大16Gバイトまで搭載可能だ。OSはメモリを多く搭載しても存分に活用できる64ビット版のWindows 7 HomePremiumである。試用したモデルのHDDは500Gバイト、光学ドライブは22倍速のDVDスーパーマルチが搭載されていた。

CPU-Zの表示画面にはCPUがSandyBridgeのCore i3-2100(3.10GHz)となっているのが見える。CPUソケットはLGA 1155、製造プロセスは32ナノでコア数は2、Hyper-Threadingによって同時に実行可能なスレッドは4だ。TurboBoostには非対応(画面=左)。チップセットは廉価版の意味合いが強いIntel H61 Express。ECSロゴが見えるマザーボードなので日本エリートグループ製であることが分かる。型番は「H61H2-M5 v:1.0」。「MCJ Co.Ltd.」とあるので、市販モデルを同社向けにカスタマイズしたものだろう(画面=中央)。グラフィックスはCore i3に内蔵されている機能を使う。表示上はIntel HD Graphics 1000となっているが実際はIntel HD Graphics 2000。内蔵GPUコアの動作クロックは最大で1.1GHzになる(画面=右)

 拡張スロットは、PCI Express x16スロットが1基、同x1スロットが3基とコンパクトな割に数が多い。ただし、スリムタワーのためLowProfile仕様の拡張スロットになっている。グラフィックスカードやテレビチューナーカードなどを増設する場合、通常サイズのブラケットでは拡張スロットに装着できないので注意しよう。

 拡張スロット以外のインタフェースは、本体前面側にUSB 2.0×2、スピーカー&マイク、本体背面にはUSB 2.0×6、USB 3.0×2、ギガビットLAN、サウンド関連のジャックにディスプレイ用のDVI-DとアナログRGBとなっている。内部的に3.5インチベイが余っているように見えるが、そこにマルチカードリーダー/ライターが装着されているため増設の余地はない。電源ユニットの容量は300ワットだ。

本体前面、背面、左側面。幅100ミリのスリムデスクトップPCながら豊富なインタフェースをそろえる。本体サイズは100(幅)×393(奥行き)×364(高さ)ミリ

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