Windows 8 Developer Previewの直インストと「Windows To Go」の注意点鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8(まだ仮称)」(2/3 ページ)

» 2011年11月25日 16時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

「Windows To Go」を試す

 「Windows To Go」は2011年9月のBUILDで初めて公開された機能だ。“To Go”とは、米国のファストフードやレストランで「お持ち帰り」を意味する英語だが、その名のとおり「Windows To Go」はWindows環境を自在に持ち出し、好きな場所(マシン環境)で再現可能な機能だ。Windowsの実行環境をUSBフラッシュメモリなどのドライブに保存し、これを、PCのUSBドライブに差して起動することで、自分の用意したWindows環境が起動可能になる。

 USBフラッシュメモリには、マシン個々の環境情報が記録されており、差したPCで初回起動時のみ時間がかかるものの、一度起動したことがあるPCならスムーズにOSが起動するとMicrosoftは説明している。

 ただし、Windows 8 DPには、Windows To Go作成機能が実装されてない。過去にリークしたWindows 8の開発中ビルドには「Portable Workspace Creator」という現在でいうTo Goを利用するためのツールが用意されていたようなのだが、現行のWindows 8 DPには搭載されておらず、To Go用のUSBフラッシュを直接作成する手段もない。BUILDのカンファレンス会場では、Windows To Goのセッションに参加した聴講者にのみ、Windows To Goを内蔵したKingston製のSuperTalent USB 3.0 32Gバイトが配布されており(残念ながら当該セッションは満員で筆者は参加できず)、これが唯一のWindows To Goを利用する方法となっている。

 「明らかに便利なのに利用できないのは納得いかない」と思うが、Tweaks.comというサイトに記載された「How to Create a Windows To Go USB Drive」という記事によれば、多少強引な方法ながらも、既存のツールとWindows 8 DPのISOイメージを使ってWindows To GoのUSBフラッシュメモリを作成することが可能だという。そこで、実際に32GバイトのUSBフラッシュメモリを購入してきてトライしてみた。

Windows To Go環境の作成

 Tweaks.comで紹介された方法によれば、下記の4つを事前に準備する必要がある。

  • 32Gバイト以上のUSBフラッシュメモリ(HDDでも代替可能)
  • Windows 8 DPがインストールされたPC
  • Windows 8 DPのISOファイル
  • Windows 7 Automated Installation Kitにある「ImageX」というツール


 USBフラッシュメモリはWindows To Goの本体となるものだ。ここまで解説してきたように、Windows 8 DP環境の保持には、最低でも20Gバイト程度の空き容量が必要となる。16Gバイトではなく32Gバイト以上というのはそれが理由だろう。そして、作成作業はWindows 8上で行うことになるため、Windows 8 DPが稼働しているPCが必須となる。理論上は、VirtualBoxのような仮想環境からでも作成可能だが、筆者が試した範囲では、USBフラッシュメモリの認識と書き込み作業がうまくいかず、直インストールされたWindows 8 DP環境がなければ試せなかった。

 最後のWindows 7 Automated Installation Kit(AIK)は、企業用途などでOSやアプリケーションを大量配布するためのイメージ作成ツールだ。このAIKをインストールしたときに出現するファイルの1つに「imagex.exe」があり、これを使ってWindows 8 DPのISOファイルの中にあるインストールイメージをUSBフラッシュメモリへ転送する。imagex.exeはAIKをインストールしなければファイルとして抽出できないため、ダミー環境を用意してAIKをインストールしておく必要がある。AIKはMicrosoftのWebページからあらかじめダウンロードしておき、Windows 8、または、既存のWindows環境にインストールしておこう。

 また、作業途中でWindows 8 DPのISO内にある「install.wim」というイメージファイルが必要となるため、imagex.exeと合わせて抽出しておく。作業を行うWindows 8 DPの特定のフォルダ(どこでもいいが、なるべく階層は浅いほうがいい)に「imagex.exe」「install.wim」を集めておくといいだろう。

 以上の準備が整ったら、Windows To GoのUSBフラッシュ作成を開始する。すべての作業はコマンドラインで行うことになるため、「Command Prompt」を起動する。Windows 8 DP上からCommand Promptを起動する方法は、シャットダウンの手順でCharmを呼び出すか、スタート画面(つまり初期画面が表示されている状態)で「cmd」とキーボードをタイプすればいい。Windows 8 DPではキーボードで文字入力すると、すぐに検索モードへ移行して、アプリの実行ショートカットを抽出検索してくれる。これを利用すれば、アプリをスタート画面に“タイル”として配置しなくてもすぐに呼び出せる。キーボードユーザーには必須のTIPSだろう。

 「cmd」と入力するとCommand Promptのショートカットが表示され、ここで「Enter」を押せばすぐにアプリを呼び出せる。ただ今回の作業は管理者権限で行う必要があるため、「cmd」とタイプした後に「Ctrl」+「Shift」+「Enter」でアプリを実行しなければならない。通常であれば単に「Command Prompt」とウィンドウ名が表示されるものが、管理者権限で実行した場合は「Administrator:」という注釈がつくようになる。あとは以下の手順で進めていく。

1. USBフラッシュメモリを差した状態でAdministrator Command Promptを起動し、「diskpart.exe」とタイプしてDiskpartを起動

2. 「list disk」とタイプして接続されているディスク一覧を表示し、USBフラッシュメモリのディスク番号を調べる

3. 「select disk (番号)」と入力してディスクを選択し、「clean」「create partition primary」「format fs=ntfs quick」と順番に入力して初期化を開始。終わったら「active」でパーティションを有効化する。「exit」と入力してDiskpartを終了する

4. USBフラッシュメモリを初期化して利用できるようになったので、Windows 8 DPで認識できドライブレター(ドライブ番号)が割り当てられたことを確認する。もし認識されていない場合は、いちど取り外してから差す4. 「cd (フォルダ名)」で、先ほど「imagex.exe」「install.wim」を格納したフォルダへ移動する。そこで「imagex.exe /apply install.wim 1 d:\」と入力する。ドライブ名の「d:」はサンプルなので、実際の作業では、確認したUSBフラッシュメモリのドライブレターに変えること。なお、英語版Windows環境なので「¥」が「\」になっている点に注意したい

5. 上記のコマンドを実行すると、実行イメージの作成を開始する。長時間かかるため(今回の作業では10時間以上かかった)、一晩寝かすつもりで作業が必要だ

6. 作業が終わったら「bcdboot.exe d:\windows /s d: /f ALL」と入力してブート領域に設定する(「d:」は例によってダミーなので適時変更のこと)



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  6. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  9. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー