キーボードの右上にはBluetooth接続用ボタンがある。ほかのBluetoothキーボードと同様、iPad 2側のBluetoothをオンにした状態でこのボタンを押すと、自動的に認識され、画面に表示されたパスキーをキーボードで入力すれば、ペアリングが完了して利用可能となる仕組みだ。
バッテリーは薄型のリチウムポリマーバッテリーを内蔵。フル充電の状態で公称駆動時間は約3時間、電池寿命は最大500時間とされている。外出先である程度の長文を書けるだけの駆動時間は確保しているが、iPad 2自体のバッテリー駆動時間に比べると結構短いため、毎日付けっぱなしにしてキーボード側の充電を忘れてしまうことがないように注意したい。
右側面の奥にはUSBのMicro-B端子があり、付属のUSBケーブルを用いて充電する仕組みだ。USB(Type Aコネクタ)経由で充電できるため、iPad 2に付属のUSB電源アダプタなどで手軽に充電できる。
iPad 2ケースと一体化した構造なので、使いたいときにすぐキーボードを展開できるのは便利だ。
キーボードを分離型にして、横幅をもたせたおかげで、キーピッチが十分確保されており、入力時にストレスがかからない。キーストロークは浅いが、ある程度力を入れて入力しても打ち心地は悪くない印象だ。キーを強く入力すると、さすがにボディはきしむが、分離型キーボードとしては安定しており、気になるほどではない。
弱点は、iPad 2とSmart Coverを装着した状態では重量がかさむこと。また、キーボードの展開にある程度の力とコツがいるので、慣れないうちは使い始めるまでに手間がかかるかもしれない。iPad 2のチルト角度を調整できないので、ひざの上で使うのは困難だが、机で使うiPad 2用の一体型キーボードとしては使いやすい部類に入る。
価格は1万2800円(直販価格)とポータブルキーボードにしてはやや高いが、収納時はiPad 2の保護ケースとして機能し、Smart Coverにも対応する。ブラックで統一されたシンプルなデザインは、iPad 2となかなかの相性だ。キーボードの打ち心地もしっかりとしており、バタフライ風のギミックからは想像できないくらい良好に感じた。
ただし、iPad 2を支えるスタンドにチルト機構はなく、低い位置に置くと画面がやや見づらい角度になってしまうのが惜しい。本体の重量も約480グラムあり、11インチMacBook Airを携帯するのとさほど変わらないような気もする(iPad 2なら立ったまま操作できる利点はあるが)。
もっとも、このキーボード展開/収納のギミックはユニークで楽しく、意味もなく何度も開閉してしまう。外出先で話のネタにもなってくれるだろう。iPad 2用のケース兼キーボードはたくさんあるが、すでにiPad 2もSmart Coverも持っていて、そこにこだわりのポータブルキーボードを追加したい、といった人にはうってつけだ。
キートップが約15ミリ、キーピッチが約19ミリとキーサイズが大きめで、とても打ちやすい。タイピングの際に本体がたわむこともなく、長時間のタイピングでもストレスをあまり感じない。iPad 2で使う外付けキーボードとしては申し分ない性能だと思う。
ただし、キー入力時の音がパタパタと少し大きいことや、慎重に収納しないと「バタン」と音が鳴って勢いよく閉じ、指を挟んでしまいそうになるのは気になった。
iPad 2と画面を覆うカバーを装着すると、薄型軽量モバイルノートPC並の重さになることからも、薄さや軽さを多少犠牲にしてでも、iPad 2をノートPCのようなスタイルで常時使いたい人に向く製品といえる。
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