こいつは春からいい夢を見ました──「Cintiq 24HD」の魅力を“漫画家の卵”が使って知るひーっ、デカイ! カッコイイ!(2/4 ページ)

» 2012年01月05日 11時30分 公開
[山田祐介(撮影:矢野渉),ITmedia]
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「この液タブはGANTZスーツか!」――独自構想のボディとデザインに驚く

photo 大型のパドルを使い、ディスプレイの角度を軽い力で調節できる

 本体とスタンドのサイズとコードのレイアウトで置き場所を選ぶCintiq 24HDだが、ワコムはユーザーが重視する「作業のしやすさ」を追求した結果に基づく本体とスタンドの大きさだと説明している。それは、プロ向け製品だから許される“妥協のないボディサイズ”と受け取ることもできる。実際、創作作業で使っていると、Cintiq 24HDがやみくもに大きいわけではないことが分かる。例えば、ディスプレイに対してボディのフレームが大きいことで、「画面の端でペンを動かしても、フレームが腕の支えとなるので安定して作業ができる」ということに気付く。

 また、Cintiq 24HDを語る上では“男の子心”を刺激する“メカメカしい”デザインも見逃せない。Intuos4から採用されているマットなブラックボディのデザインを踏襲しつつ、スタンドフレームやチルト調整用パドルをシルバーカラーで仕上げており、その無骨な雰囲気はさながら映画「トロン:レガシー」や漫画「GANTZ」に登場するメカのようだ。

 とはいえ、単に奇抜なだけではない。プロ向け製品としての使い勝手を追求した上でのデザインであり、ディスプレイの両脇にある大型パドルを手前に引けば、ディスプレイの角度(縦方向)を簡単に調整でき、パドルから手を話せばその角度で画面をしっかり固定する。さらに、スタンドにあるロック機構を解除することで、ディスプレイを支えるスタンドフレームそのものが動く。通常のディスプレイと同じ垂直状態から平置き状態だけでなく、ディスプレイを手前に引き出して机からせり出した状態にもできるなど、多様なポジションを取れる。

ディスプレイは縦方向に回転できるほか(写真=左)、スタンドを寝かせて平置きにもできる(写真=中央)。スタンドは台座部のレバー(写真=右)を引くとロックを解除して動かせる

手前に引き出したディスプレイを安心して使う

photo 台座を机の端まで引き寄せれば、ディスプレイが机から飛び出した状態で使用できる。このとき、スタンド台座の底面に用意した“ストッパー”が有効になってボディは安定する

 ディスプレイの角度調整においては、スタンドの台座に施された“ちょっとした工夫”にも注目したい。この台座は、机の平面上では摩擦が少なく、スムーズに動くが、台座を机の手前ギリギリまで引き出すと、台座の底面に仕込まれたゴムの滑り止めが有効になってピタリと動かなくなる。

 机にディスプレイを平置きすると作業位置が高くなるので意外と作業がやりにくくなるが、ディスプレイを手前に引き出して使うとディスプレイ面が低くなって机に置いた紙と同じ感覚で使える。このとき、見た目には重いディスプレイ部分が手前に落ちてきそうになるが、滑り止めのおかげでボディがしっかりと机に固定され、安心して作業ができる。

 このほか、ボディに関しては排熱用のファンを2機搭載したことにも着目したい。液晶タブレットの利用においては画面の発熱による“手汗”との戦いも1つの課題だが、ファンを搭載したことでこの問題の改善を図っている。実際に使ってみると、画面の上部に少し熱を持つが、おおむね快適に作業できる温度に収まっている。また、ファンの音も平常時は静かで、作業で気になることはなかった。

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