一方、基調講演では、Windows 8に特別新しい情報はなかったものの、2012年2月末にWindows Storeが正式にスタートするとともに、Windows 8のβ版を提供する予定で、ユーザーや開発者はこのβ版をダウンロードしてテストしてほしいと強調している。2011年の末にWindows Storeが発表されたときは、プライベートイベントだったため、ユーザーインタフェースがデモを交えて広く紹介されるのは今回の基調講演が初めてになる。Metroを含め、従来のWindowsとは大きく異なる“作法”が多いため、ユーザーが戸惑う場面も多いかもしれないが、興味あるユーザーはβ版などで事前に確かめてして、その違いに慣れておくのは決して無駄ではない。
Windows関連では、Ballmer氏が改めて訴求したことがある。1つは2012年4月の「Kinect for Windows SDK」正式提供開始だ。Xbox 360で使えるモーションコントロールセンサーが、Windowsでも正式にサポートする。すでにゲーム以外の対応アプリケーションや関連サービスを表明しているパートナー企業が複数挙がっている。
もう1つは、「Windows 8」の対応ハードウェアについてで、バルマー氏によれば「現在、Windows 7が動作するハードウェアでは、すべてそのままWindows 8が動作する」から、アップグレードパスが必ず用意されているので安心してほしいと語っている。とはいえ、「Metroスタイル」なアプリの最低動作要件が解像度1024×768ドットであることなど、「Windows 8が動作することがWindows 8のすべての機能が利用できる」わけではないことに注意する必要もある。
基調講演の最後に、シークレスト氏が「Microsoftの将来」についてバルマー氏に質問すると、「MicrosoftにとってWindows以上に大切なものはない」と述べ、「きょうのWindows 7、明日のWindows 8」とWindowsエコシステムが脈々と引き継がれていくことを強調している。基調講演の最後の一言は、いつもの「Developer! Developer! Developer!」ではなく、「Metro! Metro! Metro!」「Windows! Windows! Windows!」の三連呼だった。
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