夢の街で“ちょっと先”のVAIOをみた2012 International CES(1/2 ページ)

» 2012年01月12日 09時55分 公開
[長浜和也,ITmedia]

VAIOはぼくらに夢を見せてくれる

 CESの米Sonyブースといえば、日本未発表VAIOの先行公開が恒例となっている。CESで参考展示だったモデルが、CES終了後に日本で春モデルとして登場することが多いため、VAIOの新製品を一足先にチェックできる機会として、VAIOユーザーに注目されていた。

 しかし、2012 CESのSonyブースでは、そのような「間もなく登場しそうな」参考展示ではなく、具体的な構成は「インテルプラットフォームかAMDプラットフォームとか聞かれても、まったく決まっていないから話すことはない」と一切明らかにしないほどに「将来登場するかもしれない」という、夢のコンセプトモデルを多数公開している。

 その内容は、「2012年の投入を目指している」という製品化に向けた最終調整段階にあるものから、「市場に出すかどうかはこれから決める」というアイデア段階にあるものまで幅広いが、総じて、搭載するCPUやチップセット、OSの種類、ストレージの種類や容量、さらには、ボディサイズと重さにいたるまで、あらゆる仕様を明らかにしてくれない。そのため、このリポートでは、“未来を期待させる”VAIOコンセプトモデルの姿を紹介していこう。

VAIOのコンバーチブルはこんなにスマート

 2012 CESでは、キーボードが使えるクラムシェルタイプとタブレットデバイスとして使えるスレートタイプの両方にボディ形態を切り替えられるモデルが多数登場している。これまでも、コンバーチブルタイプのノートPCで同様のことができたが、2012 CESで登場するのは、スレートタイプの形状にしてもスレート専用デバイスのように薄く軽いボディを実現しているのが特徴だ。Sonyも、そのようなコンセプトモデルを公開している。

 従来のクラムシェルタイプは、液晶ディスプレイをたたむとディスプレイはキーボード側に収納するようになるが、Sonyのコンセプトモデルでは、液晶ディスプレイ側が天板側を向くようにたたむ構造になっていて、タブレットデバイスとして使えるようになる。ディスプレイを開いたときの姿は、ASUSのEee Pad Sliderのようにディスプレイのヒンジが本体背面から前方にせり出して、ボディ手前のパームレストがない形になる。ディスプレイをたたむときは、本体側面に設けた“溝”を滑らせるように倒していく。

 アイソレーションタイプを採用するキーボード手前には、スタイラスペンが設けられていて、スレートタイプの形状になったときはホルダーとして使えるようにデザインを工夫している。ディスプレイも本体も薄いので、スレートタイプの形状になってもその姿は通常のタブレットデバイスと変わらない。そんな薄いボディながら、本体側面には2基のUSBらしきインタフェースを設けている。

1台でクラムシェルにもスレートにも姿を変えるコンセプトモデル

本体側面に設けた溝をスライドすることで、液晶ディスプレイを天面に向けてたたみ、タブレットデバイスとして使う。左側面にはUSBらしきインタフェースを2基用意する

さらに未来をいく液晶一体型PC

 完全に構想段階にあるコンセプトPCでは、コンパクトなディスプレイと無線接続のキーボードユニットで構成する液晶一体型デバイスを公開している。液晶一体型PCとはいえ、サイズは10型ワイドタブレットPCとオプションのキーボードユニットの組み合わせに見えるほどにコンパクトだ。

 PC側の形状は携帯利用でスレートタイプ、机に置いて使うときはスタンドが背面にせり出してくるという。ただ、展示機材の背面は、つなぎ目のないモノコック構造で、スタンドが背面から膨らんだ形状になっている。構想どおりになるとすれば、従来のフォトフレームタイプの液晶一体型PCのように別部品のスタンドが飛び出すのではなく、ボディの一部の形状が盛り上がるように変形することになる。

金属素材と曲線を描くユニボディが未来を感じさせるコンパクトな液晶一体型PC。キーボード面もフラットなパネルのままで、実際にどのような形態になるのかは“これから考えていく”ことになる

携帯利用では背面がフラットになってタブレットデバイスのように“変形”する

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