編集G:今年のCESでは各社より次期「Ultrabook」が続々と発表されてましたね
筆者: どいつもこいつもUltra、Ultraって貴様はM78星人かよと
編集G: ……ハハッ
筆者: で、Ultrabookのどこがウルトラなんだ? 値段? 性能?
編集G: それはもう、いろいろと
筆者: なんとなくそれっぽい名称を作っただけじゃないの? 悪いが「UMPC」とか「MID」とか忘れたわけじゃないぜ
編集G: それならUltrabookの“ウルトラぶり”を検証するための実機を送ります。思う存分いじり倒してみてください
筆者:(……うまい具合に乗せられた?)
すでに知っている人も多いと思うが、Ultrabookとはシステムの総称(のようなモノ)だ。例えばマザーボードには、ATXやmicroATX、miniITXといったフォームファクターがあるように、UltrabookはノートPCというカテゴリでインテルが新たに提唱したノートPC向けのシステム(の条件)と考えればいい。Atom登場時にもインテルは「Netbook」という呼称を使用したが、新たに登場したUltrabookと呼ぶためにはいくつかの条件が設定されている。その条件とは、従来のノートPCに対して、「本体の厚さがウルトラ薄い」「本体の重量がウルトラ軽い」「処理性能がウルトラ高い」「起動がウルトラ速い」「バッテリーがウルトラ長持ち」というものだ。
上記を具体的な文章で示すと、「好きな場所で、思いついたときにすぐ使うことができ、快適な操作性を実現しつつ、見た目もカッコイイ」となる。このほか、CPUにモバイル用のCore iシリーズを搭載していることや、本体の厚さが21ミリ以下であることといった具体的な条件もあったりする。その辺りのことはインテルのUltrabook専用ページで紹介されているので参考にするといいだろう。
冒頭の流れで編集Gが用意した評価機が、日本エイサーのUltrabook「Aspire S3 S3-951-F74U」(以下、Aspire S3)だ。スタイリッシュなデザインや本体の使い勝手といった詳細な内容はすでにレビューしているが、中でも独自機能である「Acer Instant On」と「Acer Instant Connect」は、まさにUltrabookを持ち運んで使うために用意された機能と言っていい。ただ、前回は下位モデルの試作機だったので、今回はよりハイスペックな上位モデルを紹介しよう。
評価機の基本スペックをざっと挙げると、CPUがSandyBridge世代のCore i7-2637M(1.7GHz)で、ストレージはHDDではなく256GバイトのSSD、チップセットはIntel UM67 Express、メインメモリは4GバイトのDDR3(PC3-10600)という構成だ。2コア4スレッドで動作するCore i7-2637Mは定格1.7GHz動作だが、Turbo Boost時には2.8GHzまで跳ね上がる。グラフィックスはCPUに内蔵しているIntel HD Graphics 3000を使う。
低電圧版で標準クロックが低いとはいえCore i7であるし、しかも高速なSSD搭載なのでサクサク動くであろうことは容易に想像できるが、気になったのはメモリがシングルチャネル動作である点だ。また、仕様上のメモリ上限は8Gバイトだが、4Gバイトから増設はできない。実際の性能はどのくらいか、次ページからベンチマークテストで性能を見ていこう。
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