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» 2012年01月31日 14時01分 公開

イマドキのイタモノ:Radeon HD 7950の“ほどよいバランス”を確かめる (2/2)

[石川ひさよし,ITmedia]
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GeForce GTX 580と互角の勝負だ!

 今回は、Radeon HD 7970の評価作業で得たベンチマークテストの結果にRadeon HD 7950の結果を追加して比較する。ただし、使用するメモリを統一できなかったため、同じ動作モードの別のモジュールを用いた。

GPU Radeon HD 7970 Radeon HD 6970 GeForce GTX 580 Radeon HD 7950 Radeon HD 6950
CPU Core i7-3960X
CPU動作クロック 3.3GHz(Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)
マザーボード インテル DX79SI
チップセット Intel X79 Express
システムメモリ G.Skill F3-14900CL9Q-16GBXL(DDR3-1600動作 4Gバイト×4枚) GeIL GP38GB1600C9DC(DDR3-1600動作 4Gバイト×4枚)
HDD/SSD Intel SSD 510 120GB
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1

3DMark 06:3DMarks
3DMark 06:SM2.0
3DMark 06:HDR/SM3.0

3DMark Vantage:3DMarks
3DMark Vantage:Graphics

3DMark 11:
3DMark 11:Graphics

3DMark 11:Physis
3DMarks 11:Combied

Crysis 2
F1 2011
BATMAN ARKHAM CITY

システム全体の消費電力

 3DMark 06の結果は、かなり特徴的な傾向を示した。Shader Model 2.0のスコアは、Radeon HD 6970に及ばず、一方でShader Model 3.0/HDRのスコアは高解像度でGeForce GTX 580を上回り、Radeon HD 7970に次ぐ結果となった。Tahiti自体がShader Model 3.0以降、高解像度向けの設計となっている印象だ。

 DirectX 10対応の3DMark Vantageは、3DMarksでGeForce GTX 580と互角のレベルとなっている。低解像度ではGeForce GTX 580が上だが、高解像度で逆転する。3DMark 06のShader Model 3.0/HDRテストと同様の傾向といえる。一方、Graphicsスコアでは、GeForce GTX 580を上回っている。高解像度ほどスコアの差は小さくなるが、それでも約900ポイントの差がついた。

 DirectX 11の3DMark 11は、3DMarksでGeForce GTX 580と互角、Graphicsスコアもほぼ同等の結果だ。CombinedテストのEntryのみ、GeForce GTX 580を大きく下回るが、PerformanceとExtremeは互角で、グラフの推移を見るかぎり、これもTahitiが持つ傾向のようだ。

 Crysis 2は、途中までRadeon HD 6970に迫るスコアだが、2560×1600ドットの解像度条件で落ち込んでいる。Radeon HD 7970のグラフも同様に推移していることから、これもTahitiの特性と思えるが、ちょっと気になる傾向だ。F1 2011はまた異なる傾向を示している。比較したGPUの中では3位のスコアだが、Radeon HD 6970からは大きくスコアを伸ばしている。BATMAN ARKHAM CITYは、GeForce GTX 580を上回った。ゲームタイトルによって、Tahitiがかなりスコアを伸ばすということだろうか。

 消費電力は、アイドル時でRadeon HD 7970よりわずかに低く、ディスプレイオフではほぼ同じ値となる。AMDが示す資料には記載されていなかったが、ディスプレイオフ時の消費電力は、Radeon HD 7970と同様の3ワットになりそうだ。高負荷時は、Radeon HD 7970から80ワット近く低い240.5ワットという値となった。さらに仕様上190ワットとされるRadeon HD 6970よりも低く、Radeon HD 6950の値から10ワット程度増えた程度だ。仕様上の消費電力は増えているように見えるが、実際にはRadeon HD 6950クラスと考えていい。また、3DMarkで互角の争いをしたGeForce GTX 580と比べても120ワット低く、消費電力対性能の高さがうかがえる。

これはいいパフォーマンス……が、1万円差なんだよね

 Radeon HD 7950は、消費電力対性能でRadeon HD 6970を超え、ベンチマークテストでは、GeForce GTX 580とも互角に戦えるスコアを示した。絶対性能の高さでRadeon HD 7970に人気が集中しているものの、消費電力がRadeon HD 7970ほどシビアではない(本当にシビアなのはGeForce GTX 580だが)という点から、扱いやすさでRadeon HD 7950に期待するユーザーも多い。

 ただし、下位モデルという点では、性能と消費電力だけでなくコストパフォーマンスも考慮しなければならない。Radeon HD 7950を搭載するグラフィックスカードのの実売予想価格はおよそ5万円前後といわれている。Radeon HD 7970が6万円前後であり、それと比べれば確かに安いが、その差が1万円程度ではRadeon HD 7970を購入するユーザーも少なくないだろう。パフォーマンスで互角なGeForce GTX 580は(そろそろ次世代のGPUが登場するといわれているが)、実売価格が4万円前後とさらに1万円程度安い。コストパフォーマンス重視ならGeForce GTX 580を選ぶということも考えられる。もちろん、Radeon HD 7950の流通量も気になるところだ。

 AMDにとっていまは、次世代GPUがリリースされていないGeForceからシェアを奪えるチャンスであり、かつ、そのチャンスは“期間限定”ということを考えると、戦略的な価格設定を考えてみるのは、ユーザーだけでなく、流通側にとっても価値のあることではないだろうか。

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