DLNA対応の新スタイル無線LANスピーカー、では“音質”面のクオリティはどう?──オンキヨー「GX-W100HV」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)

» 2012年04月03日 11時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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素直で自然なサウンド、デジタル入力ではSN感がワンランクステップアップする

 では試聴しよう。まず、オンキヨーファンを裏切らない素直で自然なサウンドである。

photophoto リングツイーター(3センチ径)+12センチウーファー(A-OMFコーン)の2ウェイ構成となる

 デスクトップサイズとなるボディサイズゆえかスケール感はそれほど大きくないのだが、それでも6畳間あたりまでは十分、それ以上といえる音の拡がり感を持っている。ヴォーカルや楽器の細部表現がていねいで、明瞭度の高いサウンドであることも魅力だ。なお、無線LAN接続とデジタル入力では若干傾向が異なる。デジタル入力はSN感がワンランクステップアップした感があり、無線LAN接続よりも一段とクリアな演奏を楽しめる。

 ただし、音色的には高域に多少クセがあるのか、サ行に少々きつめな傾向が見え隠れする。低域も、ボトムエンドをバスレフに頼っているため、多少あいまいになってしまうのが惜しい。確かに低域はボディやウーファーのサイズを考えると無理な要望かもしれないが、中域の表現がとても良好な分、低域とのマッチングに多少の違和感を覚えた。

 試しに電源ケーブルを社外品の高級モデル(アコースティックリヴァイブ「POWER STANDARD」/2万8350円)に交換し、さらに電源の取りまわしもブレーカーの段階からPCと分離させたところ、かなり質感が変わった。80Hzくらいまでのウーファーの解像度感が改善されたうえ、力強さも増したため、中域のていねいさが際立つまとまりのよいサウンドになった。デジタルアンプの中にはまれに電源系の良好さや安定度に影響されやすいタイプがあるが、もしかするとGX-W100HVもそういった変化が表れやすいのかもしれない。高級電源ケーブルの使用はまだしも、タコ足配線はなるべく避けるなど、設置に多少の気遣いをしてあげるとよさそうだ。

 音質的にはハイグレードという肩書きで呼ぶに相応しいクオリティであることは確認できた。また、実用面においても無線LAN搭載による利用場所、利用シーンの自由度の高さは大きな魅力だ。PCオーディオの楽しみ方を広げてくれるであろう製品といえる。


音質評価  
解像度感      (粗い−−−○−きめ細かい)     
空間表現 (ナロー−−○−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)

試聴曲

  • Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
  • 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
  • 上原ひろみ「voice/voice」
  • Raul Midon「Moment To Moment/SYNTHESIS」
  • santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」



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