ヒンジを起こすと、天板と同じ素材を利用したキーボード面が現れる。同様のヘアライン加工を施すほか、14型ワイドの液晶ディスプレイ(解像度は1366×768ドット)のパネル面はグレアタイプで、ベゼル部分も光沢仕様になっている。
キーボードは6段のアイソレーションタイプを採用する。キーピッチ約19ミリで、キーストロークを約3ミリほど確保している。キーサイズは主要キーは縦横15ミリ、主要ではないと判断されたキーは15×12ミリになっている。キーピッチは標準的といっていいが、キーストロークはやや深く感じる。ただ、キーのぐらつきやがたつきはなく、押し込んだときの“押し返し”もあって、打ち込んだ指をしっかり支えてくれる。
「Home」や「End」、「PgUp」、「PgDn」をはじめとして「、」「。」も縦15×12ミリのタイプだ。キーボードのレイアウトを見ると、打ちにくいという印象を受けてしまう(筆者も初対面でそう感じた)が、記事原稿を「IdeaPad Y480」で作成していると。キーピッチとキーサイズが絶妙なのか、フルサイズキーボードと比べて打ちにくいと感じることもなく、すぐに慣れた。いつも、レビューなどで出会うノートPCでは、その多くが30分ほどかかって慣れるのと比べると、5分足らずで慣れたのは驚きだ。
ただ、キーボードの右端に並ぶ「Home」や「End」、「PgUp」、「PgDn」、そして、14型ワイド液晶ディスプレイ搭載という、本体サイズに制約が少ないはずのノートPCにしては小さいEnterキーを“くせ者”と感じるユーザーもいるだろう。キーボードを打つレベルでは、すぐに慣れたものの、Enterキーのサイズ感を指先が覚えたのは一番最後だった。フルサイズキーボードの感覚で入力していると、EnterをたたくつもりでだいたいPgUpを押してしまっていた。
タッチパッドは、いわゆるクリックパッドで、90(幅)×60(奥行き)ミリと大きめだが、それでも、パームレストの末端部まで拡げてほしい。ホームポジションからすると、ちょうどイイ位置にパームレスト末端部とクリックパッドの間にある約7ミリの“空白地帯”をクリックしようとしてしまうのだ。手の大きさ、打ちくせの違いもあるのだろうが、この使い勝手だけは最後の最後まで慣れることができなかった。キーレイアウトとクリックパッド回りは、好みに左右される部分でもあるので、事前に店頭でチェックしておきたい。
独自の機能ボタンは、キーボード上部に3つ用意している。電源ボタンの隣にある小さなボタンは「One-Key Rescue Systemボタン」で、OneKey Recovery 7.0が起動する。システムバックアップとシステムリカバリ、リカバリディスクが作成できる。残る2つは、輝度と色味、サウンドの調整に関係するもので、映写機イラストがプリントされた「OneKey Theater」ボタンを押すと「ノーマル」「ムービー」「自動選択」の選択項目を表示して、選択すると色味と再生音質が変化する。
サウンドはJBLの高品質スピーカーを採用しており、サウンド補正ソフトウェア「Dolby Home Theater」を導入している。OneKey Theaterボタンと連動しており、適したサラウンドに切り替えてくれる。最後はミュートボタンで、オンオフはLEDで確認可能だ。
14型ワイド液晶ディスプレイは、解像度1366×768ドットとこのカテゴリーでは標準的、もしくは、やや解像度が低いもので、パネルはグレア仕様になっている。評価機で目視する限りは、やや青味が強く、暖色系の発色が弱いように感じる。
IdeaPad Y480には「OneKey Theater」ボタンを備えており、これで「ノーマル」に設定した場合に状態だが、ここで「ムービー」を選択した場合は彩度が上昇する。このように、ディスプレイの“色味”を程度変更できるため、あまり気にしなくてもいい(とはいえ、“吟味役”としてはオレンジ系の発色が物足りない)。わずかに黒の階調でつぶれてしまうのが残念だが、実売価格10万円前後ということを考えれば、上質な映像を樂しめるといえるだろう。
輝度は最大レベルにすると思った以上に明るく感じたが、晴天下の屋外やテラスで使用する場合にはちょうどいい。室内であれば中間輝度でも十分で、輝度の設定幅としては絶妙のバランスだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.