これぞ新世代のスタンダードノートか?――「HP ENVY6-1000」にUltrabook普及のカギを見た:15.6型サイズで厚さ19.8ミリ!(3/3 ページ)

» 2012年07月13日 22時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

Ultrabookとして標準的な性能、3Dゲームもなんとか動く

 ストレージ以外の基本スペックは、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz、3次キャッシュ3Mバイト)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-12800)、グラフィックスがCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000、プリインストールOSが64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)となる。Ultrabookでは珍しく、メモリを8Gバイト搭載しているのはうれしい点だ。

photo Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、HDDを搭載するUltrabookとしては標準的といえる。キャッシュ用SSDの効果が反映されないため、プライマリハードディスクのスコアが低くなり5.9となった。それ以外のサブスコアは7程度と優秀で、Windows 7環境でストレスなく作業できるパフォーマンスを備えていることが分かる。

 ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、PCMark Vantage(x64)、3D系ベンチマークテストの3DMark06、ストリートファイターIV ベンチマークなどを行った。CPU、データストレージ、グラフィックスといったスペックが共通する(ただし、こちらのメモリ容量は4Gバイト)HPの14型Ultrabook「HP ENVY4-1000」と、富士通の15.6型ノートPC「FMV LIFEBOOK AH77/E」(2011年秋冬モデル)のスコアを併記する。

 FMV LIFEBOOK AH77/Eの基本スペックは、CPUがCore i7-2670QM(2.2GHz/最大3.1GHz/3次キャッシュ6Mバイト)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-10600)、ストレージは750GバイトHDD(5400rpm)、グラフィックスはCPUに統合されたIntel HD Graphics 3000を利用し、OSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)となる。

 FMV LIFEBOOK AH77/Eと比較すると、スコアは全体的にHP ENVY6-1000が高く、特に3D系ベンチマークの差が大きい。Intel HD Graphics 4000が搭載するハードウェアエンコード機能「Intel Quick Sync Video 2.0」の影響が大きいと思われる。HP ENVY6-1000は、液晶ディスプレイの解像度が1366×768ドットと高くないこともあって、描画品質を低く設定すれば、多くのゲームタイトルに対応できそうだ。

photophoto PCMark 7(グラフ=左)とPCMark Vantage(グラフ=右)のスコア
photophoto 3DMark06(グラフ=左)、3DMark Vantage(グラフ=右)のスコア。総合ベンチマークテストよりも差が大きくなっている
photophoto ゲームタイトルベンチマークのスコア。ストリートファイターIV ベンチマーク(グラフ=左)、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)ともにENVY6-1000が高い

高負荷時はやや熱を感じる

 ENVY6-1000は、ベンチマークテストを実行しているときなど、システムに高い負荷がかかると、底面奥側にある排気口から温かい排気が吹き出す。PCMark 7を実行している最中の騒音レベルを計測したところ、41.5デシベル(環境騒音32デシベル、本体手前5センチの位置で計測)と高負荷時の動作音もうるさいとは感じなかった。もちろん、Webブラウズなどの普段使いにおいては、騒音はまったく気にならない。

 ファンが回るような高負荷時には、キーボード左側が熱を持つ。室温約25度の環境下で、PCMark 7を実行した直後に表面温度を測ったところ、キーボード左側で約39度、キーボード左上にある電源ボタン付近は最高で44度まで温度が上がった。もちろん普段使いではここまで温度は上がらないものの、3Dゲームで遊ぶようなときには注意したい。

photo 付属のACアダプタは、実測のサイズが約45(幅)×106(奥行き)×30(高さ)ミリと比較的コンパクトだが、電源ケーブルが3ピンで太いので少しかさばる。底面にある12個のねじを外し、カバーを開けるとメモリやHDDにアクセス可能だ

 搭載するバッテリーは4セル式で、ユーザーによる着脱には対応しない。バッテリー動作時間の公称値は約8時間で、実動作時間の測定は、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」で、PCは無線LANに常時接続、電源プラン「HP推奨」(バランスと同様)という設定でテストを行ったところ、バッテリー残量7%で休止状態へ移行するまで、6時間54分だった。

 公称値の約8時間には及ばないが、7時間近く動作するので、家の中で持ち歩いて映画や音楽などのコンテンツを楽しんだり、SNSを使う分には、バッテリーの心配をすることはなさそうだ。

PCの入門機としてふさわしいUltrabook

photo HP ENVY6-1000はスペック、使用感、コストパフォーマンスすべてにおいて、バランスの取れたPCといえる。初めてPCを購入する人に向けた入門機としてふさわしい

 HP ENVY6-1000の想定実売価格は約9万円。オフィススイートを搭載せず、スペックも標準的であることを考えると、売れ筋の国内メーカー製15.6型ノートPCと同等の価格と言える。仕事用にも使いたいという人にはOffice Professional 2010(SP1)や外付けDVDスーパーマルチドライブが付属するオフィスモデルも用意する。こちらの価格は約12万円となる。

 「これはちょっと大きすぎる」「家の外に持ち出すかもしれない」という人には、14型ワイド液晶ディスプレイを搭載する「HP ENVY4-1000」もいい。HP ENVY6-1000より、ボディが一回り小さく、デザインやインタフェース、スペックはほぼ共通する(メモリ容量は4Gバイトとなる)。こちらは直販限定で6万9930円(税込み)と、HP ENVY6-1000よりもさらに2万円ほど安い。もっと低予算でPCを購入したい人や、モバイル用途も視野に入れたい人は、こちらのモデルも検討するといいだろう。

photophotophoto HP ENVY4-1000は、HP ENVY6-1000より一回り小さい14型モデル。本体サイズは340(幅)×236(奥行き)×19.8(厚さ)ミリで、重量は約1761グラム(実測値)。デザインやスペックはほぼ共通しているが、価格は7万円弱とHP ENVY6-1000よりも2万円ほど安い。HP ENVY6-1000と同条件で行った「BBench 1.01」の結果は6時間38分。PCMark 7やPCMark Vantageといった総合ベンチマークテストのスコアもHP ENVY6-1000とほぼ同じだった

 使いやすくてコストパフォーマンスがよいHP ENVY6-1000は、インテルが提唱するUltrabookのコンセプトに合った製品といえる。全体的に無難な仕様で特徴がないとも言えるが、それはUltrabookでの話だ。この製品がライバルとするのは、一般的な売れ筋の15.6型ノートPCだろう。

 このマシンは、普段PCをあまり使わない人に、起動の速さや持ち歩きやすい薄型のボディといったUltrabookの恩恵を味わってもらうにはちょうどよく、「家でちょっと使うくらいのPCがほしい」というような、初めてPCを購入する人に向けた入門機にふさわしい。こういったUltrabookのメリットが当たり前のものとして多くの人に受け入れられたとき、スタンダードなA4ノートPCはすべてUltrabookになるのかもしれない。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー