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第3世代Core i7搭載の15.6型ノートもコレなら手が届く?――「HP Pavilion g6-2000」実力診断7万円台でここまで快適(1/3 ページ)

» 2012年05月22日 11時15分 公開
[望月瞬(撮影:矢野渉),ITmedia]

低価格でパワフルな大画面ノートを探している人へ

日本HPの15.6型ノートPC「HP Pavilion g6-2000」。量販店での実売価格は8万円弱だ

 日本ヒューレット・パッカード(HP)の「HP Pavilion g6-2000」シリーズは、価格を抑えつつ、基本スペックに力を入れ、デザインにも配慮した15.6型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCだ。

 量販店向けのモデルで、同社直販サイト「HP Directplus」のCTOモデルは用意されない。クアッドコアの第3世代Core i7などのスペックを固定し、コストパフォーマンスの向上を重視している。

 製品ラインアップは、オフィススイートが付属しない「パフォーマンスモデル」と、Microsoft Office Home and Business 2010(SP1)およびBluetooth 4.0を標準搭載した「パフォーマンス・オフィスモデル」があり、それぞれ3種類のカラー(スパークリングブラック、ルビーレッド、プルシアンブルー)から選択することが可能だ。

 今回は2012年5月下旬の販売開始に、パフォーマンスモデル(ルビーレッド)の試作機を入手できたので、その実力をチェックしたい。

シンプルだが見栄えがよいルビーレッドのボディ

 まずは外観から見ていこう。本体サイズは378(幅)×244(奥行き)×31〜39(高さ)ミリ、重量は約2.4キロ(標準バッテリパック装着時)と、15.6型ノートPCとしては標準的な大きさ、重さといえる。本体のエッジ部分には曲面や斜面が多用されているが、それほどソフトな感じでも、ソリッドな感じでもなく、シンプルながら洗練された印象だ。

 ボディの素材は樹脂なので金属のような硬質感はないが、天面とパームレストにはフィルム転写技術の「HP Imprint」を使っており、傷や塗装はがれが発生しにくく、見栄えがよい光沢ボディに仕上がっている。

 今回入手した試作機のルビーレッドは、赤の深みと光の反射がキレイで、個人的にはなかなか気に入った。家庭のリビングや自室で映えるのはもちろん、オフィスで使ってもそれほど嫌みがないように思える(赤や青のノートPCが認められるかどうかはオフィス次第だが)。また、“ハニカム”っぽい模様のプリントと、天面のシルバーに光る「hp」ロゴもよい味付けだ。表面に指紋や皮脂は付きやすいが、光沢ブラック系のノートPCに比べれば、あまり目立たず、OAクロスなどで簡単にふき取れる。

「ルビーレッド」のカラーは、鮮やかな光沢の赤とマットな黒のコントラストが印象的だ。天面(写真=左)とパームレスト(写真=中央)にはおなじみの「HP Imprint」が使われており、よく見ると細かなデザインパターンが施されている。天面に配置されたシルバーの「hp」ロゴがデザインのアクセントになっている(写真=右)

背面にリチウムイオンバッテリーを装着。ACアダプタは電源ケーブルが3ピンで太いが、ウォールマウントプラグも付属する

 標準のリチウムイオンバッテリーは6セルで、容量は47ワットアワー(10.8ボルト)だ。バッテリー駆動時間の公称値は約5時間30分とされている。家庭内モバイルやオフィス内モバイルなど、屋内で持ち運んで使う場合でも、数時間くらいなら余裕を持ってバッテリー駆動できるだろう。

 付属のACアダプタは、15.6型ノートPCとしては小さい部類といえる。実測でのサイズは45(幅)×104(奥行き)×28(高さ)ミリだ。電源ケーブルのコネクタは3ピン、いわゆるミッキーコネクタで、ACアダプタと電源ケーブルを合わせた実測での重量は約370グラムだった。

 また、電源ケーブルの代わりに使えるウォールマウントプラグも付属しており、ウォールマウントプラグ+ACアダプタの合計重量は実測で約300グラムだった。合計重量を少しでも軽くして持ち運びたい場合や、屋内で配線をすっきりさせたい場合は、ウォールマウントプラグを使うとよい。ACアダプタ本体を壁のコンセントに直結するように利用でき、電源ケーブルが床に散らばらずに済む。

クアッドコアの第3世代Core i7をはじめ、余裕ある基本スペック

 基本仕様は、Ivy Bridgeの開発コード名で知られる第3世代Coreプロセッサー・ファミリーを中心としている。

 低価格帯のモデルながら、CPUはCore i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz/3次キャッシュ6Mバイト)とハイスペック。クアッドコアCPUとHyper-Threadingによって、最大8スレッドの同時実行が可能だ。1コア動作で最大3.1GHz、2コア動作で最大3.0GHz、4コア動作で最大2.8GHzと、状況に応じてリアルタイムでクロックを変動させるTurbo Boost 2.0もサポートする。さまざまなソフトを同時進行させるマルチスレッド環境でも、シングルスレッドで負荷がかかるソフトでも、高性能が期待できるというわけだ。

ネジ止めされた底面のカバーを開けると、2基のSO-DIMMスロットと2.5インチHDDにアクセスできる

 チップセットはIntel HM76 Express、メモリはPC3-12800のSO-DIMMで8Gバイト(4Gバイト×2)、ストレージは750Gバイト/5400rpmの2.5インチSATA HDD、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ、グラフィックスはDirectX 11やOpenGL 3.1に対応したCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を採用する。メモリ容量が標準で8Gバイトと余裕があるのはありがたい。

 通信機能は、有線LAN(100BASE-TX)と無線LAN(IEEE802.11b/g/n)で、Bluetoothや無線WAN、WiMAXなどは搭載しない。モバイルノートではないため、無線WANやWiMAXが非搭載なのはいいとして、できれば有線LANは1000BASE-Tに対応してほしかった。もっとも、ホームユースでは無線LAN接続が多いだろうし、速度的に困る場面はほとんどないだろう。

 そのほかのインタフェース類は、SDXC対応のSDメモリーカード/MMCスロット、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMIとアナログRGBの外部ディスプレイ出力、マイク入力、ヘッドフォン/ライン出力と、一通りを装備。液晶フレームの上部には、約30万画素のWebカメラがある。

前面(写真=左)と背面(写真=右)にインタフェース類はなく、すっきりしたデザインだ

左側面にメモリカードスロット、音声入出力、2基のUSB 3.0、有線LAN、HDMI出力、アナログRGB出力、排気口が並ぶ(写真=左)。右側面には光学ドライブ、電源とHDDのインジケータ、USB 2.0、ACアダプタ接続用のDC入力、盗難防止ロック用コネクタが配置されている(写真=右)

 プリインストールOSは、64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)だ。付属ソフトはCyberlink PowerDVD 10やCyberlink YouCamなど、最小限にとどめている。

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