続いて、各種ベンチマークテストの結果を紹介しよう。基本スペックをまとめると、CPUがCore i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz)、メモリが8Gバイト、HDDが500Gバイト(5400rpm)、グラフィックスがCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000、OSが64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)だ。
まずWindowsエクスペリエンスインデックスは、どのサブスコアもかなり高い。プライマリハードディスクのみ5.9と、ほかのサブスコアより一歩劣るが、1ドライブのHDDとしてはほぼ最高の数値と考えてよい。プライマリハードディスクで5.9を超えるには、SSDか、2台以上のHDDによるRAID 0(ストライピング)環境などが必要だ。
以下の定番ベンチマークテストのスコアについては、参考までに上位モデル「HP Pavilion dv4-5000(dv4-5010TX)」の結果も併記した。Core i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz)、4Gバイトメモリ、500GバイトHDD(7200rpm)、NVIDIA GeForce GT 630M(2Gバイト)とIntel HD Graphics 4000によるハイブリッドグラフィックス構成、64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)といった内容だ。
PCMark 7とPCMark Vantageはストレージ性能の影響が顕著で、SSDを搭載したPCでスコアが大幅に伸びる傾向がある。この点を差し引いても、g6-2000の結果は良好だ。クアッドコアの第3世代Core i7によるCPUパワーや8Gバイトのメモリが効いているのだろう。
3D描画や3Dゲームのベンチマークテストは、意外に(といっては失礼だが)健闘している。さすがにGeForce GT 630M搭載のdv4-5010TXにはかなわないが、第3世代Coreで進化したIntel HD Graphics 4000の性能は侮れない。g6-2000は液晶ディスプレイの解像度が1366×768ドットと高くないこともあって、描画品質を落とした設定にすることで、負荷がさほど重くない多くのゲームタイトルに対応できそうだ。
バッテリー駆動時間の計測には、BBench 1.01(海人氏作)を使った。主な設定は、「60秒間隔でWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でキーストローク」を有効にしている。Webサイト巡回用のInternet Explorer 9は32ビット版で、インターネット接続は無線LANだ。Windows 7の電源プランはデフォルトの「HP推奨」だが、液晶ディスプレイの輝度を50%に固定し、時間経過による省電力設定(HDDの回転停止など)をすべて無効にしている。
この設定でのバッテリー駆動時間は5時間10分だった。公称では約5時間30分とされているので、なかなかの結果だ。リビングや寝室など、屋内で移動しながらWebブラウズやSNSを気軽に楽しむ程度ならば、ACアダプタなしで十分利用できるだろう。
本体の静音性や発熱については、試用中で最大に感じた場合をいうと、それなりにファンの音がうるさく、本体が熱くなる。ボディで熱を持つのは、底面の左側と、キーボード面の左側だ。パームレストもほんのりと熱を持つ。しかし、その状態になるまでには、かなり余裕がある印象だ。高負荷の作業を連続して長時間続けなければ、気になることは少ないだろう。なお、付属のACアダプタが結構熱くなるのは気になった。
日本HPのノートPCラインアップにおいて、g6-2000は「スタンダードタイプ」に分類されているが、より高性能な「パフォーマンスタイプ」にも負けない実力を備える。ゲーム用途にも使うならば外部GPU、日常のサクサク感が欲しいならばSSD、AV機能を重視するならばBlu-ray Discドライブなど、g6-2000にはない付加価値もあるが、たいていの用途は快適にこなせるはずだ。
大手量販店の予約価格は8万円弱(2012年5月22日現在)、ポイントバックを考えると7万円台前半の計算だ。大きな不満点は見当たらず、15.6型ワイド画面でCPUはクアッドコアの第3世代Core i7、メモリは8Gバイトといった基本スペックを考えると、優れたコストパフォーマンスといえる。据え置きメインの大画面ノートPCを求める幅広いユーザーニーズに応えることができる1台だ。
参考までに、Office Home and Business 2010(SP1)がバンドルされ、Bluetooth 4.0を搭載したパフォーマンス・オフィスモデルは、予約価格が10万5000円前後だ。オフィススイートが付くことを考えると割安感があるので、こちらも候補に挙げておきたい。
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