「GeForce GTX 660 Ti」は“GTX 580”を本当に超えるのか?イマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2012年08月17日 09時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

コアは“GTX 680”と同じ「GK104」

 NVIDIAのGeForceラインアップにおいて、「GTX」と付くシリーズはハイエンドと位置づけられてきた。しかし、「GeForce GTX 660 Ti」はやや特殊な立ち位置にある。GeForce GTX 660 Tiのコアは、GeForce GTX 680や670と同じ「GK104」になる。従来の、GeForce 560シリーズのGPUは、GeForce 580シリーズやGeForce 570シリーズとは異なるコアを採用していた。ハイエンドとミドルレンジをはっきりと分けていたGeForce 500シリーズと異なり、採用するコアでみるとGeForce GTX 660 Tiは、ハイエンドラインアップの延長にあるといえる。

型番 GeForce GTX 680 GeForce GTX 670 GeForce GTX 660 Ti GeForce GTX 640
開発コード名 GK104 GK104 GK104 GK107
SM 8 7 7 2
CUDA Core 1536 1344 1344 384
テクスチャユニット 128 112 112 32
ROPユニット 32 32 24 16
GPUクロック(MHz) 1006 915 915 900
Boost Clock(MHz) 1058 980 980
メモリクロック(Mbps) 1502 1502 1502 900
メモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 DDR3
メモリ接続バス幅(ビット) 256 256 192 128
メモリ帯域幅(GB/sec) 192.26 192.26 144.2 28.5
メモリ容量(MB) 2048 2048 2048 2048
L2キャッシュ(KB) 512 512 384 256
最大消費電力(ワット) 195 170 150 65
補助電源レイアウト 6+6 6+6 6+6
PCI Express Gen. 3 3 3 3
トランジスタ数 35.4億個 35.4億個 35.4億個 13億個
プロセスルール 28ナノメートル 28ナノメートル 28ナノメートル 28ナノメートル
Thermal Threashold 98度 98度 98度 98度

 GPUのコアを同じくしながら、GeForce GTX 660 TiとGeForce GTX 670で仕様を比較すると、わずかにROPユニット数とメモリバス幅のみが異なるだけで、ほかは共通する。GPCは4構成で、CUDAコア数は1344基、テクスチャユニットも112基、さらに、コアクロックのベース設定とBoostクロックも915MHz/980MHzと、GeForce GTX 670と変わらない。グラフィックスメモリも、GDDR5を1502MHz(DDRデータ転送レートで6Gbps相当)と同一だ。ただし、グラフィックスメモリのバス幅は、GeForce GTX 670が上位モデルと同じ256ビットだったのに対し、GeForce GTX 660 Tiは192ビットに減っている。このため、グラフィックスメモリの帯域幅も、GeForce GTX 670の192.26Gバイト/秒から、144.2Gバイト/秒に減った。

 ROPユニットは、グラフィックスメモリのインタフェース回路と同じエリアにあり、バス幅が4分の3になったために、こちらも32基の4分の3となる24基になった。GeForce GTX 660 Tiは、Kepler世代のハイエンドラインアップでグラフィックスメモリのバス幅を変更し、それに伴ってROPユニットも変更したモデルを追加したと見ることもできるだろう。

 なお、GeForce GTX 660 Tiの最大消費電力は150ワットとされる。GeForce GTX 680は195ワット、GeForce GTX 670は170ワットなので、消費電力の削減幅としては少ないが、GeForce GTX 670とは動作クロックが同じことを考えると省電力といえる。ただし、外部補助電源コネクタの構成は6ピン×2基のままだ。これは、1世代前のGeForce GTX 570とGeForce GTX 560 Tiでも共通だった。

オリジナルクーラー搭載のオーバークロックモデルがいきなり登場

 今回の評価で用いたASUSの「GTX660 TI-DC2T-2GD5」は、オリジナルのクーラーユニットを搭載したオーバークロックモデルだ。NVIDIAによると、多くのグラフィックスカードベンダーが、それぞれが独自に用意するクーラーユニットを搭載するモデルを投入するという。

ASUSの「GTX660 TI-DC2T-2GD5」は、クーラーユニットに「DirectCU II」を導入するオーバークロックモデルだ

 GTX660 TI-DC2T-2GD5は、2スロット厚サイズで、ヒートパイプがGPUヒートスプレッダに接触する「DirectCU II」を導入するASUSオリジナルのクーラーユニットを装着している。GeForce GTX 660 Ti搭載モデルとしてASUSからは、定格クロック版の「GTX660 TI-DC2-2GD5」、オーバークロックモデルの「GTX660 TI-DC2T-2GD5」、そして、さらにオーバークロックした本製品の3モデルを投入する予定だ(なお、定格クロックモデルのみ、出荷日が1日ずれる)。

 大幅なオーバークロックモデルとなるGTX660 TI-DC2T-2GD5は、GPUのコアクロックがベースで1059MHz、Boostクロックは1137MHzと、どちらも定格クロックより100MHz以上引き上げている。これだけのオーバークロック設定で安定した動作を実現するために、クーラーユニットに組み込んだヒートパイプはかなり太く、本数も多い。同じASUSの製品で比較用に用意したRadeon HD 7870搭載の「HD7870-DC2-2GD5」も、DirectCU IIを導入した2スロット厚クーラーユニットを搭載するモデルだが、冷却機構のサイズはまったく違う。

5本見えるヒートパイプは、かなり太い(写真=左)。左のHD7870-DC2-2GD5と比べてもクーラーユニットを強化したのが分かる(写真=右)

SLI用コネクタは2基。3-way SLIまでアップグレード可能(写真=左)。映像出力インタフェースは、DVIが2基、HDMI、DisplayPortと、上位モデルと同じ構成だ(写真=右)

 GTX660 TI-DC2T-2GD5で注目しておきたいのが、外部補助電源として用意する6ピンコネクタが、通常と逆向きである点だ。コネクタのツメが、基板側を向いている一方、基板側はツメのために切り欠きを設けている。従来の向きでは、大型のヒートシンクを搭載するモデルの場合、ヒートシンクとのわずかなスペースに指をいれてツメを外し、コネクタのロックを解除しなければならなかったが、本製品の場合は基板側から楽にコネクタを抜くことができる。

外部補助電源コネクタは6ピン×2基。これはGeForce GTX 670と同じだ。ツメの向きが通常とは逆になっている(写真=左)。基板のサイズはGeForce GTX 670と同程度。クーラーユニットの後部が大きくはみ出している(写真=右)

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