SNS対策やPC盗難時の位置特定も可能に――「ESET」次期バージョン説明会

» 2012年12月05日 22時53分 公開
[ITmedia]
ESETのリチャード・マルコCEO(写真中央)。その右がESETウイルスラボ責任者のユライ・マルホ氏、左がキヤノンITソリューションズの楢林知樹執行役員

 ESETは12月5日、同社が今後発売を予定している個人向けセキュリティ製品や、最新のセキュリティ動向を解説する報道関係者向け説明会を開催した。

 設立25周年を迎えるESETは、ウイルスの検知にヒューリスティック技術をいち早く導入したことで知られるパイオニア的セキュリティベンダーだ。冒頭に登壇したリチャード・マルコCEO(Richard Marko)は、ESETが世界10カ所に研究拠点を持つワールドワイドな企業であると紹介し、その成長の原動力となった高い技術力を強調した。また、日本においては、顧客満足度調査(アスキー総研調べ)で、2位のシマンテックを大きく引き離すトップの地位にいるとアピール。ユーザーに選ばれる理由として、検出率の高さや動作の軽快さなどを挙げた。

 一方、2013年早々に国内発売を予定している次期バージョンについては、デジタルライフスタイルの変化を反映した内容になるという。具体的には、スマートフォンや小型デバイスの普及に対応する、盗難・紛失防止機能の「Anti-Theft」や、フィッシング対策のSNS対応、WindowsやMac、Androidと異なるプラットフォームでも同じライセンス形態で扱えるユニライセンス方式などが挙げられる。Anti-Theft機能には、GPSを搭載しないノートPCでも現在位置を特定できる技術が盛り込まれ、フィッシング対策(ESET Social Media Scanner)はFacebookなどに対応するという。

ESETの従業員数は現在800名を超える(写真=左)。同社のビジネスはシェアの高い中央/東ヨーロッパや中南米を中心に成長を続けている。アジアでは香港で人気が高い(写真=中央)。日本における顧客満足度調査(アスキー総研調べ)。2位のシマンテックを大きく引き離している(写真=右)

 続いて登壇したESETチーフリサーチオフィサーのユライ・マルホ氏(Juraj Malcho)が2012年に話題となったセキュリティ脅威の総括と、2013年以降のトレンドを予測した。まず2012年のホットトピックとして挙げたのは、オンラインバンキングを狙ったトロイの木馬をはじめとする金銭目的のマルウェア、DuquやFlameに代表される特定企業を狙った攻撃、Macを対象としたFlashback、そしてAndroid向けマルウェアの4点だ。

 このうち、オンラインバンキングを狙うZeusやSpyEyeなどは、マルウェアに対して詳しい知識がなくてもツールキットで簡単に作成できる点が問題視されているという。また、Flashbackは当時数多くのMacに感染が拡大し、Windowsと同様、OS Xも脅威にさらされていることを浮き彫りにした。Androidでは、有料SMSサービスを利用して金銭を詐取する初期のマルウェアに加えて、SpitMoのようにオンライン取引を狙うものも登場しており、予断は許さない状況だ。

 マルホ氏は今後の見通しとして、Android向けの脅威が引き続き増加していくだろうと予測する。また、電波状況を改善するといつわって個人詳報を詐取するアプリや、一見有用でマルウェアと判断するのが難しいアプリ、あるいは有用なソフトに悪意のあるツールをバンドルして配布するようなタイプの脅威に注意するよう呼びかけた。

影響力の高いマルウェアのリスト。世界平均と日本を比べると、日本の感染率は非常に低く(最も高いものでも0.05%)、マルホ氏は「日本のユーザーはセキュリティ意識が高いのでは」と分析している(写真=左)。Android向けマルウェアは2012年2月ごろを境に急激に増加している(写真=中央)。電波状況やバッテリー持続時間を改善するとうたうアプリに注意(写真=右)

 国内販売を担当するキヤノンITソリューションズによれば、ESET製品は特にPC上級者のあいだで評判がよく、実際の販売本数も年平均141%の勢いで成長を続けており、2015年までに市場シェア10%を目指すとした同社の目標は「瞬間最大風速ではすでに達成した」(キヤノンITソリューションズの楢林執行役員)という。なお、2013年初頭にリリースを予定している次期バージョン「ESET Smart Security V6.0」は、12月5日本日よりモニター版プログラムを利用できる(公開期間は2012年12月27日まで)。

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