昔からのMacユーザーなら誰でも知っている人気キャラクター「フライングトースター」がひそかに復活を遂げている。
インフィニシスは2012年12月6日、フライングトースターのスクリーンセーバーを発売した。12月20日までフライングトースターの携帯ストラップをもらえるプレゼントキャンペーンも実施中だ。これはちょっと気になる、という古参Macユーザーも少なくないだろう。
一応説明しておくと、フライングトースター(Flying Toaster)とは、米Berkeley Systemsが開発したMac向けのスクリーンセーバー「After Dark」に含まれる人気キャラクターだ。日本ではインフィニシスが販売している。
After Darkは1989年に初めて発売された、スクリーンセーバーの先駆けとなるソフトウェアの1つ。当時のMac OSはスクリーンセーバーを標準搭載しておらず、「高価なMacのCRTディスプレイが焼き付いては大変だ」と、多くのユーザーが積極的にスクリーンセーバーを購入して使っていた。PC歴が長くない方には信じられないかもしれないが、スクリーンセーバーが有料ソフトの一大ジャンルとして幅を利かせていた時代だ。
さまざまなスクリーンセーバーを収録したAfter Darkの中でも、このフライングトースターは別格に違いない。翼が生えた多数のトースターが飛行するという、意味不明ながらどこか愛らしいキャラクターの映像がMacユーザーのユーモアセンスとうまくシンクロしたのか、スクリーンセーバーの定番としての地位を世界中で確立し、後にはWindowsにも移植された。古典的スクリーンセーバーの代表的な存在だ。
そんなAfter Darkだが、今でも一応インフィニシスが最新版の「After Dark X + fish」をダウンロード販売している。ただし、対応OSはMac OS X 10.0.4〜10.4にとどまり、Intel Macでは動作しないため、フライングトースターは事実上、終息したコンテンツとなっていた(非公式なフリー版などはネットでも見かけるが)。
ところが2012年12月6日、インフィニシスは突如After Darkからフライングトースターのスクリーンセーバーだけを復活させ、直販サイトの「Shop Infinisys」にてダウンロード販売を開始した。対応OSはMac OS X 10.6以降(10.8対応)なので、もちろん最新のMacで利用できる。価格は390円だ。
Mac App Storeで購入できず、今さら古いスクリーンセーバーが有償というのは心に引っかかるものもあるが、公式版で390円の安さだったら最新のMacにトースターを再び飛ばしてみるのも一興という気になってくる。
というわけで、フライングトースタースクリーンセーバーを購入して、「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」の画面に早速飛ばしてみた。
……うん、懐かしいけど、まあこんなもんだよね。
正直にいうと、最初に映したときは思ったほどの感動がなかったが、よく見ると、なかなか凝っていて楽しませてくれるのだった。
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